- 2人~4人
- 15分前後
- 8歳~
- 2018年~
ザ・マインドBluebearさんのレビュー
行動心理学を応用した珍しいスタイルのゲームですね。ついにボードゲームもこういうアプローチへ来たか!とちょっと感動です。
この題材を完成したシンプルなゲームに仕上げた点で非常に画期的ですね。
例えば20年前ならこんなゲームが面白いとは、説明を聞いても絶対信用しなかったと思います。
しかしやってみるとこれが面白いんですから、ボードゲームって奥が深いですよね。
行動心理学によると、人のコミュニケーションで大事な要素は、表情が55%、声質や声の大きさやちょっとしたしぐさの違いなどが38%で、肝心の話の内容はわずか7%にすぎないと言われており、これを『メラビアンの法則』と言います。
この、表情やちょっとしたしぐさなどの特に「非言語」のよるコミュニケーションを『ノンバーバル・コミュニケーション(NVC)』と言い、人どうしの対面コミュニケーションでは非常に重要な役割をします。
この『ノンバーバル・コミュニケーション』を題材にしたのが、まさにこの『ザ・マインド』という作品なのです。
カードは単純すぎるくらい単純。1から100までのカードがあって、ランダムに一定枚数を全員に配ります。
ゲームにはレベルの概念があって、最初は1レベルからスタートして、みんなで何レベルまでいけるかにチャレンジする協力ゲームとなります。「1レベル」なら全員に「1枚」ずつ配ってスタートしますが…変わっているのはここから!
◎自分の手番なんてありません。
全員が持っているバラバラの数字カードが、「昇順」になるように各自がカードを場に出していきます。もし間違ってしまったら、全員が持つ「ライフ」が1ポイント失われてしまいます。これがなくなるとゲームオーバーっていうのが基本だと思ってください。
例:誰かが「18」を出したから、じゃあ自分が「20」を持っていて、これでいけるだろうと出してみたら、実は隣のプレイヤーが「19」を持っていて出せなくなった!…となったら1アウト。こんな感じです。非常に簡単ですよね。
◎カード内容に関する「会話」は厳禁!
そうです。「ノンバーバル・コミュニケーション」のゲームだって言ったじゃないですか(笑)。自分が持っているカードが「いくつ」で、次に出していいのかどうか、話し合って情報交換してはいけません。これ大事!!
そうです!カードを出していいかどうかのタイミングを「表情」「雰囲気」「しぐさ」「息遣い」「姿勢」などといった情報から互いに「察する」ことが要求されるのです。
まあ誤解を恐れずに言ってしまえば「空気を読め」「雰囲気から察しろ」ってことです。
これ思ったよりも難しいです。明確なジェスチャーも禁止なので、しかめっ面をしてみたり、上を向いてため息をついてみたり、カードを伏せて口笛を吹く真似をしてみたり、人によって行動はさまざま。
誰もカードを出すタイミングがつかめずに互いに視線を交わしながらじりじりと膠着状態に陥ったり、それに耐えられずに「えいっ!じゃあこれでどうだっ!」と出したカードがアウトになって悲鳴と爆笑が巻き起こったり、ちょっと普通のゲームと違う雰囲気になります。この感覚は新鮮でした♪(女性プレイヤーとまともに見つめあうとちょっとドキドキしたりね…笑)
◎レベルはどんどん上がる!
各自に配られるカードの枚数は「レベル数」と同じなので、「3レベル」をクリアして「4レベル」に挑戦だーっ!となったら4枚づつ配られます。「8レベル」なら何と8枚ですよ!
我々のチームは結局このゲームに思いきりハマって、2時間近くぶっ通しでやり続けましたが「4レベル」クリアが限界でした。(おかげで次に控えている重ゲーの時間が押してしまった!)
とまあ、こんな感じなので、ちょっと一風変わったゲームにチャレンジしたいと思うグループは、ぜひ体験してみて下さい。ただし、仲間同士の微妙な雰囲気のやり取りがあってこそのゲームなので、仲の良い者どうしのゲーム会でやりましょう。初対面の人とやるのは、ちょっと厳しいかな?と思いました。
余談
本来4人まで対象となっているのですが、ギャラリーで見ていたメンバーがぜひ混ざりたいと言ってきたので、試しに5人でやってみました。(カード枚数的にも、進行的にも、特に5人で不自由感はありませんでした。)おそらく難易度的がかなり上がると予想されますが、それを許容できるメンバーなら全く問題はありませんでしたので、ご報告まで。
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