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  • 2人~4人
  • 30分~45分
  • 8歳~
  • 2022年~

フィヨルドpoclabさんのレビュー

11名
1名
0
10分前

『フィヨルド』を遊んで、一番近いと感じたゲームは『カルカソンヌ』よりも、むしろ囲碁でした。


もちろん、囲碁ほどルールは難しくありません。タイルをめくって地形を広げていき、自分の家を置き、最後にバイキングを広げて陣地を取っていく。やること自体はかなり分かりやすいです。

その一方で、

  1. どこに拠点を置くか。
  2. どこまで勢力を広げるか。
  3. 相手にどこまで入らせるか。

という感覚は、かなり囲碁に近い。

私は大学時代に囲碁部に入って囲碁を覚え、その面白さにすっかりハマりました。一方で、大会に出れば大石を丸ごと取られてボロボロに負けたり、気分よく打っていたはずなのに最後のヨセで逆転されたり……。

『フィヨルド』を遊んでいると、そんな昔の感覚を少し思い出します。

そして囲碁と同じように、ゲームが終わったときに出来上がる盤面が毎回まったく違うのも、このゲームの好きなところです。

3人で遊んだ時の様子です。囲碁は、基本、2人で遊ぶものですが、3人や4人でも戦えるのが面白いところです。


1.序盤――家をどこに置くかという「大局観」

前半では、タイルを配置しながら自分の家を置いていきます。

この家をどこに置くかが、とても重要です。

家同士が近すぎると、そこから広げられる範囲が重なってしまい、効率が悪い。できれば盤面全体に散らして、将来大きく勢力を広げられる場所に置きたい。

ただし、

「ここに置いた家から、本当に後で広げられるのか?」

という問題もあります。

今すぐ得をする場所ではなく、数手先の盤面を想像しながら家を置く。

この感覚には、囲碁でいう大局観に近い面白さがあります。


2.中盤――実利を取るか、模様を広げるか

中盤になると、さらに囲碁っぽくなってきます。

一つの家からどんどん土地を広げれば、一見すると自分の勢力が拡大して気持ちいい。

しかし、広げすぎると、その近くに相手が家を置き、せっかく作った地域に入り込まれてしまうこともあります。

逆に、守りを意識して狭くまとめすぎれば、今度は終盤に広げる余地がなくなってしまいます。

相手が入りにくい形を作って確実な土地を確保するのか。

それとも、多少のリスクを取ってさらに大きな地域を狙うのか。

囲碁でいうところの、

「実利を取るか、模様を広げるか」

に近い選択を何度も迫られます。

このあたりも、『フィヨルド』で好きなところです。


3.終盤――これはもう「ヨセ」

すべての家を置き終えると、ゲームは後半戦に入ります。

ここからは、それぞれの家を起点にバイキングを置いて、自分の土地を広げていきます。

元囲碁部としては、この部分は「終盤」というよりも、ヨセと言った方がしっくりきます。

大きな勢力圏はすでに決まっている。

その中で、

「ここを先に取れば2マス増える」
「こちらを塞がないと相手に入られる」
「この1手を打つと、相手の進路も止められる」

と、一手一手の価値がどんどん具体的になっていきます。

序盤の大局的な判断とは、まったく違う頭を使うのが面白い。


序盤・中盤・終盤で、同じゲームなのに考えることが変わる。

これは『フィヨルド』の大きな魅力だと思います。


運要素があるから、囲碁より遊びやすい

囲碁との大きな違いは、タイルをめくるという運要素があることです。

囲碁は基本的に完全情報ゲームなので、負けるとほぼすべて自分の責任です。

その点『フィヨルド』では、

「欲しかった形のタイルが出なかった」
「思わぬところに道がつながった」

という偶然がある。

この運要素のおかげで、囲碁ほど実力差がそのまま結果に出にくく、気軽に遊べます。

それでいて、家の位置やタイルの配置、相手との距離感には十分に戦略性がある。

囲碁的な陣取りの面白さを、かなり遊びやすくしたゲーム

という印象です。


少し気になるところ――残りタイルを覚えている人が強い

一つだけ少し気になるのは、タイル構成を覚えている人が有利になるところです。

この点は『カルカソンヌ』に似ています。


『フィヨルド』では登場するタイルの形が決まっているので、何度も遊んで、

「この形はもう出た」
「まだあのタイルが残っている」

と分かるようになると、先の展開をかなり読みやすくなります。


純粋な盤面の読みだけでなく、ある程度タイルを記憶している方が強くなる。

暗記があまり得意ではない自分としては、ここはちょっと苦手なところです。


とはいえ、その知識があっても思い通りの順番でタイルが出るわけではありません。

だからこそ、完全な実力勝負にはならず、

運と大局観と一手の判断

がほどよく混ざっています。


まとめ

フィヨルドが何より面白いのは、最初は何もなかった場所に少しずつ地形が生まれ、家が建ち、最後には自分と相手の勢力圏がはっきりと形になって残るところです。

ゲームごとに地形も、家を置く場所も、その後の広がり方も違う。

序盤では先の形を想像し、中盤では相手との境界を意識し、終盤では一マスを奪い合う。

シンプルなルールなのに、ゲームが進むにつれて見えてくる景色と考えることが変わっていく。

その変化を、毎回違う盤面で何度も楽しめる。

そこが『フィヨルド』の一番面白いところだと思います。

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