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  • 1人~6人
  • 40分前後
  • 12歳~
  • 2023年~

アートプロジェクトダイスケさんのレビュー

129名
2名
0
7ヶ月前

世界をまたにかけ奪われた美術品を取り戻せ リソースマネジメント&ダイスゲーム

アフターアスや、アトランティス・ライジングなどのVincent Dutraitのイラストが目を引くパッケージのボードゲーム。

Vincent Dutraitはちょっと前のクワンチャイ・モリヤ(アンダー・フォーリング・スカイやマウンテンキングなど)、ミハイロ・ディミトリェフスキー(西フランク王国シリーズなど)に続いてすっかりボドゲの売れっ子アーティストになった印象。

個人的にも彼のアートワークのファンで、半分はイラスト目当てのジャケ買いというところも。

ラッキーなことにポスター&ポストカード同梱エディションが届いたので、フレームを買って飾っている(折り皺が惜しい)

 

ゲーム内容はArt Rescure Teamとなり、謎の組織に奪われた美術品を取り戻すため世界各地を駆け回るというテーマで、日本をはじめエジプト、アメリカ、北欧など全6つのマップでプレイが可能となっている。

入門用の日本を除くと、マップごとに追加ルールがあり、特定の順番で美術品を取り返さなければいけなかったり、川に沿ったマップでは下りは移動コストが低く、さかのぼるのは高コストなどバラエティに富んだ構成になっている。

 

ゲームプレイ自体は移動に使う燃料、戦闘に使用する銃、追加ダイスの雇用に使用する無線機の3種類のリソースを、ミッションカードの指示に従って消費して、代わりに別のリソースに変換したり、美術品のありかの手掛かりを得たりしていく。

例えばこのカードなら、燃料と無線を支払うと、体力2点を回復でき、音楽と書物のアイコンの都市の手掛かりが入手できる。その代わり映像のアイコンの都市に敵のエージェントが追加される

この手掛かりのアイコンはスタックされていき、同じアイコンが3つそろうと対応した都市に美術品のトークンが配置されるので、そこに移動して敵のエージェントを排除すればトークンを獲得できる。

それを繰り返して、マップで指定された数の美術品トークンをそろえれば勝利、その前にいずれかのキャラクターの体力がなくなったり、ミッションカードのデッキが切れてしまったり、敵エージェントに封鎖された都市が一定数以上になってしまうと敗北となる。

 

敵エージェントとの戦闘はダイスロールで行い、戦闘を行うキャラクター数+雇用した分のダイスを振って、その都市のエージェント数+集めた美術品に応じた補正値(集めるほど高くなる)以上の目が出れば勝利となり、その都市のエージェントを一掃できる。ダイス目が足りなくても手掛かりのカードを破棄すれば振り直しが可能で、銃のリソースを捨てれば1個につき+2出来るので、それらをやりくりして手分けしてキャラクターを各地に送り込むのが基本の流れとなる。

 

多人数プレイでは最大6人のキャラクターでエージェントと対決するが、ソロだと1キャラ+サブキャラで行い、ラウンドごとに引くミッションカードの数やデッキ総数で難易度の調整を行う……のだが、これが激ムズで、一番上手くいったプレイでも、美術品があと2個というところでデッキ切れという体たらくで、一度も成功していない……。
(BGGを見てみても、やはりソロの難易度は高く、マルチプレイで人数が増えるほどクリアはしやすいというのが定評の様子)

たしかに4人と6人で多人数プレイをしてみたところ、どちらも初回で日本マップをクリアできた。それなりにリスクのある場面もあり、ヌルゲーというわけではなかったし、これがゲームとして適正なバランスなのではないかという印象はあった。

クリア形式のソロゲーはクリアしたら終わりということもあり、難しめに作られていることが多いが、個人的には難しければたくさんプレイするかと言えばそういうわけでもないと思うので、うまくやればクリアできる、くらいの難易度であってほしいなとは思う(そのうえで高難易度モードがあるのは全然かまわない)。

 

気になったのは、凝った設定や、人気アーティストによる個性的なキャラクターの面々など、テーマ性が強く押し出されている割にはゲーム感が意外とアブストラクト寄りなところ。美術品の奪還と言っても、やることはリソースをやりくりした変換とダイスロールでしかなく、美術品が何かも分からない(木箱のトークンで表される)し、キャラ差も特になく、単なる記号でしかなかったりと、言ってしまえば別のテーマでも問題なく成立してしまうのは、ボックスアートを見て期待したプレイ感からは結構乖離があって肩透かしに感じてしまった。

(BGGのスレッドによれば、キャラごとの能力については拡張で検討されているとのこと)

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