- 2人~5人
- 20分前後
- 10歳~
- 2016年~
考古学カードゲームBluebearさんのレビュー
最近のエジプト発掘もののゲームの中では、圧倒的に面白かった!
小粒ながら切れ味が鋭く、正直あまり期待をしておらず好きなエジプトものだからとたまたま手に取って入手し、お試しでプレイしてみたら、何と絶賛の嵐!
そのまま連続3ゲームとなりました♪
今作は『イムホテップ』や『スシゴー』のデザイナーPhil Warker-Hardingが、この前に発表した『ARCHAEOLOGY(考古学)』というボードゲーム をセルフリメイクしてカードゲームにした作品です。
これをホビージャパンが日本語版として発売する際に、イラストを全てリアルなものに一新し、プレイ可能人数が4人から5人に拡大されました。(これ凄くありがたい♪)
そのため原本の作品と区別するため、タイトルの後ろにあえて《カードゲーム》と付いています。
直球すぎるタイトルですね。
◾️かなり現地調査している感あり
手番にできる事は3つあり、
①現地の市場へ行く
②博物館に遺物を売り払う
③遺跡発掘をする(大ピラミッドなど)
となっており、最後の③は手番に1回ですが、他のアクションは好きな順に好きなだけやって構いません。
この自由度の高さがなかなか素敵。
《市場》については、基本《物々交換》で、比較的安い額で場のカード同士を交換できます。たまにすごいお宝が普通に市場に並んでる事もあり、実際にありそうな感じで笑えます♪
《博物館》は、手元に揃った遺物をセットにして、できるだけ高額で売り払います。揃えれば揃えるほど急激に高額になるので、なるべく複数のセットを作りたくなります。考古学者のはずなんだけど、とにかく売り払うのが目的って…どうなんでしょうね(笑)。
《遺跡発掘》は、いくつかの遺跡タイルがあって、そのうち1枚を各ゲームごとに設定します。(これによって様々なバリエーションが生まれるので、リプレイ性も高いという仕掛けですね。)
《地図》カードを集めると発掘でき、まとめてかなりの枚数の遺物カードをゲットできるので、かなりお得!…ですが、もちろんみんな狙うのでなかなか地図が手に入らないのですね。
◾️トラブルだらけの現地は怖い
とにかく遺物カードを毎手番に集めていけばいいのですが、そう簡単にはいきません。
2つのトラブルが待ち受けています。
①砂嵐
誰かがこのカードを引くと、全員が手札を半分(切り捨て)だけ捨てます。(カタンで盗賊が出たみたいな感じですね)
カードをたくさん貯めて売却を狙っていたプレイヤーからは悲鳴が上がります。
これがいいアクセントになっていて、
もう少しカードを貯めるか?
砂嵐を警戒して早めにカードを売却するか?
いやいやもう1ラウンド粘ろうか?
いや待て待てそろそろヤバいか?
…というドキドキした強烈なジレンマにさらされる事になるのです。
これがなかなか盛り上がります!
ちなみに運ゲーになるのを少し緩和するために、各自が最初に《テント》を保持していて、1回だけこの《砂嵐》をやり過ごす事ができるのです。(いい調整だと思います)
ちなみにこの《砂嵐》で吹き飛んだ遺物は、そのまま現地民に拾われて、全て《市場》に並ぶ、という設定がまたリアルっぽくてGoodですね♪(この設定大好き)
②盗賊
これを引いたら誰か一人の手札をランダムに奪う事ができます。
手札が多かったり、高額の《ファラオの仮面》や貴重な《地図》などを持っている事がバレると、たちまち狙われてしまいます。
これも現地っぽくてなかなかGood!いかにも治安の悪い地域で発掘作業をしている雰囲気バッチリです。
◾️抜群のアートワーク
漫画絵や美少女やディフォルメではなく、かなりしっかりしたリアルな絵柄で統一されており、この点においても実際に現地において発掘調査をしている臨調感が高く、雰囲気作りに一役買っています。
こういう雰囲気は大歓迎ですね♪
また、各遺物カードのデザインも優秀で、どれを何枚集めたらいくらになるか、ゲーム中にはそもそも何枚含まれるのか、が一目ですぐ理解できるようになっているのです。このデザインセンスは素晴らしい!
◾️得点計算について
最後は、自分が博物館に売却した遺物カードのセットごとの金額を全て合計し、より高額になった者の勝ちです。
売却はゲーム中に頻繁に起こるのですが、合計の集計をいつやるのか、ルールには明確な記載がありません。(終了後に合計するような記載になっているので、そこで初めて合計を出すのだと推測されます)
我々は、誰がリードしているのか明らかにしたくて、明確にカウントする方法を模索しました。
まずは所有のポーカーチップで、売却のたびにチップを取り、これを公開情報とすることでデッドヒート感を煽ってみました。
ただしせっかくのコンパクトなセットに、重いポーカーチップセットを常に持っていくのは難しいので、代案として箱に入るようなスコアボードを作ってみました。(明らかに点差がわかるのでかなり緊迫感が増しますよ)
これは好みがあると思うので、各グループで判断すれば良いと思います。
◾️結論として
このようにリアル感、緊迫感がたっぷりで、なおかつ1ゲームが30分程度で、バリエーションを変えて繰り返しプレイ可能。
持ち運びにも苦労しないコンパクトなコンポーネント。
ルール説明にもそれほど時間がかからず、5人でも問題なくプレイ可能。
我々グループでは、欠点が見つからないほど大ウケしたゲームでした♪
ゲーム会ではこれからも最初の景気付けなどでたびたび出そうと思っています。
- 73興味あり
- 293経験あり
- 55お気に入り
- 194持ってる
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