かの「アンドールの伝説」のミヒャエル・メンツェル作です。
日本では「ロビンフッドの冒険」として発売されました。
アンドールと雰囲気がとてもよく似ており、箱を開けたらすぐに遊べるアドベンチャーゲームとなっています。
「ロビン・フッド」を題材とした全9シナリオの2~4人による協力ゲームとなります。
メインボードは8枚のボードを組み合わせて表現されており、デュアルレイヤー仕様です。
指示があればボードの一部をひっくり返す事で…衛兵が出現!ゲームの進行によって盤面が細かく変化していきます。
アンドールと同様に説明書は非常に薄く、最低限のルール(移動の仕方)だけを学べば
後は同梱されている本を読みながらセットアップを行い、すぐにプレイできるようになっていきます。
以後も、少しずつルールが追加されていく形となるので、遊びながら学んでいくプレイスタイルは健在です。
本作のゲームマスターと言うべき本には全9シナリオの説明、分岐、セットアップ等の全てが書かれています。
いわば往年のゲームブックのようなものです。ボード上の数字やページ内で指示があれば
該当するページを開いて内容に従う事でゲームが進行します。
金のしおりは現在のシナリオの説明、赤のしおりはマイナスイベントが起きた際に確認すべきページとなり、
指示に従って挟むだけで、簡単に進行を管理することが出来、ゲームの中断、再会が非常にやりやすいです。
プレイヤーはロビン・フッド、リトル・ジョン、マリアン、ウィル・スカーレットの4人になり、
物語を進めていきます。
プレイヤーの行動や敵キャラの行動ターンは丸いチップとなっており、それに加えて
戦闘の成否などを決めるキューブや、特別なタイミングで引く封蠟トークンといったコンポーネントを
黒い巾着にひとまとめにします。
指示があったり、ターンが回る度に巾着からチップやキューブを取り出してアクションを行う形になります。
例えば、行動ターンでは巾着の中からチップを探して取り出していく形になり、
緑のチップを取り出した場合はロビンフッド(緑)の行動ターンになります。
赤いチップや紫のチップは敵の行動ターンとなり、増援や敵の移動といったマイナスイベントが起こります。
プレイヤーの行動ターンになると、キャラを移動することが出来るのですが、これが独特で…ロビンフッド(緑)の人物駒が移動しようとして…
人物駒に中距離コマを2つ、長距離コマを1つをつなぎあわせて終点にもう一つの人物駒を置く。
始点と移動に使用した駒を取り除けば移動完了!
…と、盤面を自由自在に動き回れる独特の方式となっています。
HEXとかマスといった概念がなく、森や建物に接触しての移動は出来ないといったルールを除けば
本当に自由に動き回れます。
距離を微妙に調節してショートカットを図ったり
道端に生えてる薬草を調べるために少しだけ寄り道して調べてみたりといった行動が非常に自然に行われます。
また、長距離コマを使わないで移動した場合は体力を温存した事になり、白キューブが一つ巾着に入ります。
戦闘の際に白キューブを引くと勝利になる為、戦闘での勝率を高める為に重要ではない移動は控えめにするといった
戦略が重要になります。
また、移動後に?と書かれた番号の囲いに接触していれば「調べる」事も出来ます。
上の写真の場合は90の囲いに接触しているので、本の90ページを見れば調べた結果何が起こるかがわかります。
このように、マップ上を調べたり、人物と話したりする事でクエストを達成したり、シナリオの目的を探すのが
プレイヤーが主に行うべき行動となります。
また、マップには日陰と日なたの概念も存在し、
衛兵が存在し、日なたにキャラがいる上で赤いチップが引かれると衛兵に捕らえられてしまいます。
こうなると希望メーターが減少してしまい、衛兵を倒すまで移動が出来なくなるというペナルティも背負います。
なので赤いチップが引かれる可能性がある場合は、日陰で身を潜めながら可能なら一気に接近して
素早く衛兵を倒すか、時間経過で衛兵が去るのを待つといった選択肢もあります。
先ほどの自由移動と合わさって、デジタルゲームのメ〇ルギアのようなステルスゲームのドキドキ感が非常に楽しいです。
戦闘は巾着からキューブを1つづつ取り出し、
3つ取り出すまでに1つでも白いキューブが出れば勝利(そうじゃない場合もありますが割愛)。
戦闘相手をひっくり返して盤面に書かれている希望メーターなどのボーナスを得る事が出来ます。
また、敵を倒すと同じラウンドでは登場しなくなるため、目的地へ向かう仲間を補助できる協力ゲームならではの要素もあります。
戦闘に使用したキューブは巾着から取り出されたままストックに戻るので、
戦ってばかりだと次第に白キューブが無くなり、勝てなくなっていきます。
また、時間がかかるとバッドイベントとして紫キューブ(スカ)が巾着に足されていくので、
適度に戦闘や体力の温存を行って巾着内のバランスを整えなければどんどん不利になります。
赤いチップが引かれると、希望メーターが減少し、時間トークン(砂時計)も減っていきます。
希望メーターが0になるとさらに時間トークンが減らされるため、一気に時間切れによる敗北が近づきます。
適度に戦闘し、希望メーターを上げつつマップ中を捜索しましょう。
プレイ感としては中々求めている情報が見つからず、敵との接触にヒヤヒヤしつつクリア条件を目指す様は
かのアンドールの伝説で味わったギリギリ感に似ています。
残り1ラウンドで持ちうるアイテムを全て有効活用すればクリアできるかも?という絶妙なバランスです。
負けてもリトライすれば情報が溜まってクリアしやすくなるところも同じですね。
しかしあちらに比べると運要素が増えて詰将棋感は減り、幾分かライトになっている感じがします。
また、アンドールの伝説における、物を配置する際のマップの確認やパラメーターの管理等で煩雑だった部分が、
本やシステムによって洗練されて非常に遊びやすくなっているのは好印象でした。
さらにはアンドールと違って戦えば戦うほどゲームオーバーに近づくのではなく、むしろ制限時間を延ばすために
戦闘に勝っていかなければならないので戦いたがるプレイヤーにも安心です。
総じて、ライトユーザー向けになったなと思いました。それも悪い意味ではなく、より洗練されて万人向けになったという印象です。
また、本を使用した事でストーリー性も格段に増しており、キャラクター毎の独白やクエスト要素と言った部分での世界観の強化もなされたのでロールプレイ好きにもおススメです。
リプレイ性ですが、全9シナリオあり、シナリオが異なれば同じ数字でも起きるイベントも変わる他、
2回目にプレイする場合に起こる変化、難易度の選択、クリア後はさらなる難易度にチャレンジといった
リプレイ要素を高める仕組みが用意されています。
また、担当するキャラクターによっては専用のクエストが発生したり能力に変更が加わったりする事もあるため、
別のプレイではキャラクターを変える事でまた違ったプレイ感が味わえます。
最後にプレイ人数が2~4人となっているのでソロプレイが出来るか?という点ですが、
そこは際どい…ですね。
マップを調べたプレイヤーとは別のプレイヤーが本を読んで調べたプレイヤーに選択肢を選ばせる形となる為、
1人でプレイする分にはどうしても選択肢の結果が目に入ってしまいズルくなるのでその辺をどうするか…です。
逆にプレイヤーが2人以上いる場合なら1人2役プレイは問題なく遊べます。
たくさんのキャラで遊んだ方が時間制限がキツくなり、様々なイベントを見れるのでより楽しめると思います。
- 投稿者:garouandy
- 63興味あり
- 62経験あり
- 17お気に入り
- 121持ってる
世界観/基本テーマ | |
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舞台の時代背景 | |
ゲームの基本目的 | |
政治経済/各種産業 |
頻出するメカニクス | |
---|---|
プレイヤー間の関係/状態 | |
情報の扱い方等 | |
その他のメカニクスや仕組み | |
行動に関する仕組み |
ゲームデザイン | |
---|---|
アートワーク | |
関連企業/団体 |
運・確率 | 2 | |
---|---|---|
戦略・判断力 | 3 | |
交渉・立ち回り | 0 | |
心理戦・ブラフ | 0 | |
攻防・戦闘 | 1 | |
アート・外見 | 3 |
レビュー 2件
リプレイ 0件
戦略やコツ 0件
ルール/インスト 0件
掲示板 0件
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