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  • 1人~4人
  • 45分~60分
  • 10歳~
  • 2020年~

パレオwinterkoninkskeさんのレビュー

710名
9名
0
3年以上前

ひとまず「二人」で「いちばん易しい」難易度で二回挑戦した感想です。ネタバレなしで書きます。

ゲーム概要はマンモスの闊歩する石器時代、プレイヤーはヒトの群れの一団長となり、木を切り、石を集め道具を作り、動物を狩って食糧を得ながら、最終的に5枚のタイルからなるマンモスの壁画を完成させることで、プレイヤー全員が勝利する協力ゲームです。

ルールブックに初心者に適した準備が書いてあったので、一人は一団、もう一人は二団(一人二役)のチームで挑戦。


2フェイズあるうちの、まずは「昼」から。

各自の山札からカードを三枚取り、その中から同時に公開する一枚を選んで公開します。カードには達成に必要な条件とコストが記載されており、三つくらいの選択肢から実行するアクションを選択します。

大抵の場合、「他の一団のカード内容を手伝う」という選択肢があるため、プレイヤーは話し合いながらどのカードを誰がどんな風に解決するかを決めます。自分の一団には得意不得意があるため、仲間と相談し補いながら解決し、資材を集めて道具を作り「夜」に備えます。

昼の間は、ちょくちょく「危機カード」と呼ばれる危機に直面するため簡単には行かず、挑戦するか、後回しにするかの選択を迫られます。危機をかいくぐり、あるいは直撃を受けながらも生き残り、壁画完成のためのヒントを探ります。

そして山札が尽き「夜」になると、食糧などを支払うフェイズとなり、また昼が来ます。基本的にはコストの支払いになるので、プレイヤー達はなるべく夜を迎える前に決着をつけたい焦りを生む流れになっています。

夜にコストが払い切れなかったり、ダメージを受けた人間が死亡するなどしてドクロトークンが5個貯まると敗北です。


さて、ここまで来て何が面白いのかという点を挙げていきます。

・カードの裏面の絵柄が違う

山札となるカードには裏面に数種類のデザインの異なるイラストが描かれており、それぞれ何となく「こういう資材が手に入りやすいよ」みたいなことがサマリーに示されています。

また危機カードは危機カードと分かるデザインのため、プレイヤーはいつ危機に立ち向かい(あるいは固定ダメージを受けて当面スルーするか)を決め、いつ目的の資材や壁画タイルを得るかを選択し続けなければなりません。

めくるカードを相談し合うコミュニケーションゲームとして一定の面白さがあり、仲の良い友達や家族と盛り上がれるシステムかと思います。そして勝利した時の達成感はなかなかのものでした。

・ほとんどの情報が非公開かつランダム

壁画を完成させろ、などと言いますが、最初はどうやったら壁画タイルが手に入るのかも分からない状態からスタートさせられます。

そして「秘密のカード」と呼ばれる非公開札もあり、めくるかどうかのスリリングな駆け引きや、そもそも危機カードでない裏面から危機カードが現れるなどのアクシデントも起こります。(こちらはルールブックにも「急に来るから注意してね☆」と記載されている要素です)

ゲーム全体を通して、未知との出会いや困難をチームメイトと共有できる謎解きのような要素を含んでいる点が非常に魅力的です。

とはいえ、めくれば分かってしまうので一度きりの要素もある事には注意。

・レベルの調節ができる

プレイヤーレベルに合わせて1〜10のカードセットが用意されていて、更に慣れれば任意の組み合わせで遊ぶことも推奨されています。

いちばん易しいレベル1でも、初見では分からないことだらけで敗北しました。二回目はだいぶ感覚を掴み勝利しましたが、繰り返し挑戦することで何とかなりそうないいバランスを維持していたと思います。

今度はレベルを上げて挑戦するつもりで、また秘密カードなど分からない事が増え、攻略法も変化するようなのでワクワクしています。

非公開要素が全て判明した後も、たぶん慣れたプレイヤーだけで高難度を遊べば普通のチームチャレンジゲームとして機能すると思います。「こんなん分かってても無理だわ!」みたいな難易度を期待していいのかなと。


続いてネガティブな部分も。

・非公開要素を知れば別のゲーム

「知らない所が楽しい」ゲームでもあるので、初見と経験者が混じるとちょっとプレイ感にズレが生じるのかなとは思いました。

私は初見とプレイする時は、極力黙ってニヤニヤしながら遊ぼうと思っています。そういう気遣いを楽しいと思うか、じれったいと思うかで評価は分かれるゲームです。

・味方間の情報は全て公開

味方間の情報が全て公開要素となるためプレイヤー間の駆け引きはなく、ぶっちゃけると一人四役とかでソロプレイが出来ますし、それなりに楽しいと思います。

脳が一個あれば遊べるゲームで、わざわざ二個以上使うメリットはやはりコミュニケーションの部分に尽きると思います。

したがって本筋のリソース・リスクマネジメントゲームとは別の領域で、お互いコミュニケーションをとってワイワイ謎解きや価値観の違いを楽しめる間柄でないと、多人数にする意味は損なわれるおそれがあります。

一緒に遊ぶ人は、なるべく初対面の相席などでない親しい人物同士の方が、本ゲームに込められた味付けを楽しめるのではないかと考えています。


最後にコンポーネント。

ネタバレを控えるため一部しか公開できませんが、かなりの量のカードと紙製トークン、肉と木材と石材は木製で、ボードゲームらしい豪華さです。

更にメインボードの他に、道具立てや墓地には立体で存在感のある組み立て式紙ボードまで付属しており、非常に見栄えのいいテーブルになります。

賑やかに協力ゲームを楽しんでもらいたいという、製作者の粋な計らいを感じます。ちょっと分解しないと箱に戻せなかったりしますが、ゲームを理解した後なら許せると思います。


前述の通り遊ぶ人は選んでからの方がいいかな〜とも思えるゲームなので、まずはファミリーに、次に学生さんなんかにオススメしたいなというゲームです。

勝利した時の達成感は本当に爽快なので、ぜひ味わってみてください。

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Nobuaki Katou
clevertrick
winterkoninkske
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