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  • 1人~4人
  • 90分前後
  • 13歳~
  • 2023年~

ラッツ・オブ・ウィスターwinterkoninkskeさんのレビュー

487名
8名
0
13日前

二人プレイ時の感想を書きます。

ラッツ・オブ・ウィスターは、数多のネズミを率いるネズミの親分となり、民家に侵入して発明品を開発したりしながら、自身の群れを発達させていくワーカープレイスメントゲームです。

プレイヤーが操るネズミは、普通の個体とは違い発明したりもできる、知恵を持たされた賢いフィクションのネズミです。

ベースになっているのはワーカープレイスメントで、増減なし3体のワーカーを手番順に置いて都度アクションするのを1ラウンドとして、全5ラウンド×3ワーカー=15アクションで決着。構造自体は非常に分かり易い部類のゲームです。

アクションの種類は大まかに4種。

・リソース獲得(木材や金属を得る)

・巣穴を掘る(金属を消費)

・ベッドを作って巣穴に新しい小ネズミを迎える(木材を消費)

・人間の家屋の探索

これらを対応するアクションマスに置いて実行するわけですが、本作の最も特徴的な要素として、「小ネズミによるアクションパワーの増減」が挙げられます。

画像のように三区画(左上、右上、下)に分けられたエリアのいずれかに小ネズミを置きます。アクションパワーは基本的には0で、対応する区画に小ネズミがいて初めて有効なアクションになります。

もちろんたくさんいればいるほどパワーは上がるので、なるべく多くの小ネズミをアクションで解放して増やし、同じ所に置きたい。

しかしこのゲーム、一度置いてしまった小ネズミを移動させるのが大変です。移動はアクション時に貰えるサブボーナスや移動トークンなどで行いますが、これがなかなか手に入らない。

遊んでみると全15手番というのは非常に少ない手数なので、プレイヤーは「なるべく1アクションの質を小ネズミを集中させることで良くしたい」という欲求と、「集中させすぎると他の区画でのアクションパワーを上げるのが大変になる」という現実との狭間で右往左往することとなります。

更に木材・金属のリソースも常にカツカツになるため、アクションパワーを溜めたけどリソースが足りなくて無駄打ちになりました、なんて事態も発生するので、とにかく家計は火の車です。

こうした1アクションの質のバランスをとっていくのが苦しくも楽しい点が、本ゲームの主軸となっているジレンマかと思います。

もう一つ重要な要素が、発明品カードです。

発明品はワーカーを置くメインアクションで手札に加えた後、カードをプレイできるボーナスアクションを得てから、特定のリソースを払って初めて場にプレイできます。

銀のカード(低級)と金のカード(高級)があり、基本的にはアクションを強化する能力が備わっていて、高い勝利点も付きます。金のカードはかなり強い効果を持っていて種類も豊富で、10回やっても全てプレイするのは難しい量です。

「カードなどに附与されているアイコンを揃えると、より強い金のカードを出したり、個人ボードの能力を解放する条件が満たせますよ」になっているので、うまく揃えたい。でも余計なカードを出す余裕はないので、正確に欲しいアイコンをビタリと揃えましょうみたいなバランスなので、このコントロールにも苦労することになります。

こうしてアクションパワーのジレンマの中、家屋を探索して仲間を集めたり、目標カードの達成や金カードプレイのためにアイコンを揃えたり、穴を掘ってベッドを作って勝利点も貰いましょう…これらをカツカツのリソース管理、先取りされると実行できないアクションマス、良いことがあるけど達成が難しい個人ボード周りのボーナスなどを鑑みながら、忙しく走り回る重量級のゲームになっています。

最近のゲームらしく比較的自由度の高い広い選択肢になっているようで、実際は何をやるにしてもカツカツで、余計なアクションは打ちたくないという気持ちが強く湧き上がる挑戦的なゲームです。

このカツカツのプレイ感はルチアーニさんの「ロレンツォ」「ニュートン」「ティルトゥム」なんかとよく似ていて、大きなメインアクションを5〜6個程度で単純明快にしておきながら、何度も選べないので慎重にひとつずつ決定していくような作風で、プレイ難度も難しい部類に入るかと思います。基本的にはボーナスコンボで届かなそうな条件にうまくタッチする感じ。テーマが緩めのネズミ家族なので、その辺のガチガチ感は緩和されているのが特徴なのかなと。それとあくまで個人的な意見ですが、上に挙げた三作などと比べると、体感は軽いなと感じます。プレイ時間は90分程度で変わらないはずなんですけどね。

遊んだのは二人プレイのみ。人数に応じてアクションマスの数に制限があり難易度は変わらないように見えるけど、探索やカード回転は人数が多い方がよく回り、見通しは立ちやすいかも。三人以上がベストなのは間違いないです。

「今のアクションが正しかったのか終盤まで分からない」タイプの長期スパン型ゲームだと思うので、重ゲー好きなプレイヤーには是非とも挑戦してほしい作品です。ただ、この作品でなければならない、と言える要素は弱いのかなとも思うので、フレーバーを好きになれるかどうかも境目な気がします。

他プレーヤーの直前のアクションによって予定変更になる事も多く、長考になるのが仕方ない場面もあるので、時間に余裕のある状況でのプレイを推奨します。

コンポーネントはアートワークをしっかりと染み込ませた素晴らしいものがどっさり。たまに「えーっ!こ、これだけで五千円!?」みたいなゲームもありますが、これはそうだわ、一万するわと納得しかない物量です。

木駒も立体感やプリントで個性的だし、重たいゲーム感を和らげる温かみのあるアートワークは好みの人も多いんじゃないでしょうか。

カード、木駒、タイル、かわいらしいけどゲームは塩辛い。こんなタイプの重ゲーです。


このゲームでなければならない要素は薄い、と申し上げましたが、アクションのパワーが変わる小ネズミ移動の要素はやはり独特で、一生懸命小ネズミを解放して数を増やしても、読み違えて終盤でパワー1でアクションを打つしかない状況なんかも出てきます。

鋭いプレイイングが鍵を握るゲームとして、とてもやりがいのある作品なのは間違いないので、腕に覚えのあるゲーマーには是非とも挑戦していただきたいです。

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