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  • 1人~4人
  • 30分~60分
  • 2017年~

ナショナルエコノミー・メセナ山の川さんのレビュー

346名
2名
0
9日前

人生で一番やったボードゲームです。4人戦を50回近くやってきたと思います。

最初にハマったボードゲームで、思い出補正もあるかもしれませんが、最高の作品の一つだと思っています。


・コンセプト
家計、消費財などの単語から、経済学がベースにあるような印象を受けますね。より実際の経済を反映した、複雑なルールを構想したのちに、冗長な部分を引き算することで現在の形になったという話もあり、一般的なゲームよりマクロでアカデミックな視点で、経済、経営を表現しているように感じます。

・システム
直球のワーカープレイスメントです。
公共の職場は基本早い者勝ちで、最初の労働者は2人、ラウンド終了時には労働者数に比例して給料を支払う必要あり、と言った感じです。
最初の公共職場は、「大工」、「鉱山/採石場」、「学校」で、ラウンドが進むと、「露店」系統が現れます。
「大工」では、一つの建物カードを、表記されているコストの分だけカードを捨てることで、プレイすることができます。特殊なカードを除き、この建物カードは、自分だけが使える職場になります。
「鉱山/採石場」ではカードが引けます(採石場は追加で次ラウンドのスタートプレイヤーを取れます)。
「学校」では労働者を1人増やすことができます。
「露店」系では、カードをX枚捨てて‘家計’から6Xの現金を得ることができ、Xの上限はラウンドが進むほどに上がっていきます。家計はこのゲームの超重要な概念で、後述します。

以降では、このゲームの特異性、優位性の源泉となっている概念について説明します。

1.建物の売却
ラウンド終了時に労働者に支払う給料が足りず、売却可能な建物を持っている場合、その建物を売却することになります。売却すると、その建物の価値に等しい現金を獲得するのですが、売却された建物は廃棄されるのではなく、共通職場に変化します。これによって、取れるアクションが他プレイヤーの売却する建物によって変化し、リプレイ性の源泉になっています。

2.家計
プレイヤーが労働者に賃金を支払う際、全て家計に入れます。「露店」のような現金を獲得する職場は、全てこの家計から獲得することになり、家計の残金が少しでも足りない場合、そのアクションは実行できません。このシンプルなルールにより、現金獲得に対する制限が素晴らしいバランスで発生します。ラウンドごとに、1人か2人のプレイヤーは賃金が足りない状況に陥り(家計が尽き、現金が獲得できなくなるため)、建物を売却せざるを得なくなります。よって、ゲームが進むにつれ、共通職場の質、量が上がっていきますし、家計をめぐって、行動の読みあいや妨害などのインタラクションが発生します。また、現金はそのまま勝利点になるのですが、家計があるために現金をひたすら集めるプレイスタイルでは、ある程度の限界が存在し、建物を建てることの重要性を担保しています。

3.消費財
「建物としての機能がないカード」のことです。頭数として使える(建設コストの支払い、「露店」系統で捨てるために使う、など)が、建物として建設できない(=オプション、可能性が広がらない)わけです。しかし、建物カードよりも簡単に引けるため、特に序盤では重要になってきます。この概念によって、「カードの枚数を2増やす」アクションでも、「消費財を2枚引く」、「建物カードを2枚引く」、「カードを2枚捨て、4枚の建物カードを引く」などのバリエーション(実際にはここに勝利点トークンも加わり、さらにバリエーションが豊富になります)が生まれます。「カードを2枚捨て、4枚の建物カードを引く」については、簡単に引ける消費財を捨てて、建物カードを引くことができるため、字面より重要なカードになっています。


・勝利点
「所持している建物の価値の合計+所持している現金の合計+勝利点トークンによる得点」
と非常にシンプル。


・不満点
トークン→大聖堂、トークン→会計事務所、工業系→輸出港、地球建設→鉄道駅、など、強力なムーブがある程度固まってしまうところがあります。
また、初回ラウンドの手番順で、強く有利不利があります。初手「学校」を打てる一番手と、2ラウンド目も給料が足りる四番手に対し、二、三番手の優位性がなさすぎます。これに関しては、ハウスルールで修正を試みたいのですが、あまり有効な案がありません。どなたか教えていただけるとありがたいです。

・総評
ユニークでありながら必然性のあるゲームシステムが散りばめられており、感動すら覚えます。このゲームがなければボードゲームにハマることもなかったかもしれません。60分程度で、この密度のマネジメント感が味わえるのはこのゲームだけではないかと思っています。世界中の人に、この素晴らしさを知ってほしいです。

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ゆう
びーている / btail
皇帝
山の川
山の川
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