- 1人~5人
- 60分前後
- 8歳~
- 2020年~
K2:最高峰エディションwinterkoninkskeさんのレビュー
二人プレイ時の感想を書きます。
K2は、世界二位の高さを誇る山で登山家となり、天候や順応度などのコンディションを管理しながらより高い場所への登頂を目指す登山ゲームです。
本作「最高峰エディション」は、基本ゲームに加えて、二種類の拡張(四つの新マップと幾つかのバリアント)を追加した、いわゆるBIG BOX仕様となっています。
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ゲームでは、各プレイヤー共通の内容になっている18枚の山札を使います。
最初に6枚引いてから、3枚を伏せてプロット。いっせいに表にして、手番順にカードの効果を3つとも解決して山を登ります。
全員が手番を終えたら、新たに3枚カードを引いて、1日(1ラウンド)が終わり、全18日(ラウンド)で登った高さによるポイントを競い合い、勝敗を決めます。
本ゲームの特徴を三つ紹介します。
①天候とカード運による登頂計画の楽しさ
②プレイヤーごとに登山家は二組
③死ぬ
まずは①天候とカード運です。
ゲームでは1日ごとに天候タイルに天気予報が示されており、晴れ、曇り、雪などの表示とともに「この高度より上にいると体力が奪われますよ」といったダメージ表記がされています。そして天候が分かるのは最長で6日先まで。
プレイヤーは天候を鑑みて、荒天時には体力を温存したり、晴れの間に山頂へアタックするプランを練ったり、また荒天となる前に下山する計画を立てたりするわけです。
カードには山を登ったり下ったりする移動カードと、順応度(体力)を上げるカードがあります。高い数値ほど有利に登山できますが、山札の内訳は決められている。どこで、どのように強い数値のカードを使うのか(あるいは適切なタイミングで引くことができるか)、天候や他プレイヤーの状況を見ながら慎重にプランを練っていきます。
もちろん高度が高くなるほど移動や滞在にリスクがあり、登頂したらとにかく短時間で下山しなければなりません。この辺りのリスクの駆け引きを、少し先しか見えない天候とカード引きの運と相談しながら行うのが、現実の登山っぽくて楽しいです。
②登山家は二組
プレイヤーは登山家を二組操る必要があります。
単純に一組だけだと、登るのが早かった人が勝つ競争のようになってしまうのを避け、ゲーム的に面白くする仕組みです。
勝利点は「両方の登山家の得点の合計」なので、例えば片方だけを全力で登頂させてしまった後、もう片方はベースキャンプから動けません、では勝てないわけです。そもそも登頂自体が難しいゲームで、1日に行動できるカードは限られているのに、両方の面倒を見る必要があるので大変です。
この二軸で考える登山計画が、ゲームの難しさと楽しさのジレンマを演出しています。
③死ぬ
ここまで緻密に計画を練っていても、ある時カードの数字が足らず、体力が無くなってしまう事があります。
本ゲームは体力が無くなった登山家は死亡します。非情なる大自然の脅威をありのままに描いているのです。
死亡した方の登山家は得点が0になってしまうので、他人もそうならない限りほぼ負け確定です。一応死亡してもいいよっていう優しいバリアントもあるんですが、基本的には死亡=負け。
この文字通り命懸けのハイリスクなルールが根底に存在しているので、当然ながら登山計画は安全第一、でもギリギリを詰めたいよね、という思考に自然となってきます。
おそらくこの思考は、現実に危険な山で登頂に挑戦する登山家も同じ事を考えているはずです。すなわち、K2の真髄は、現実にも通じるリアルな登山をボード上で追体験できる点なのです。
天候がちょっと先までしか分かりません、移動や撤退にどれくらいのリスクがあるか正確には分かりません、死亡したら負けます。時として登頂を断念する勇気も必要です。こういったリアリティの再現部分が非常に優れた作品と言えます。
インタラクションにも面白い仕掛けがあって、最初に伏せてプロットするカード、なぜ伏せるかと言うと、一番欲張って多くの移動を計画した人には、行動力が少し減るペナルティがあります。このおかげで、完璧に登頂までのプランを組んでも、1移動力足りない、なんて展開にもなり得ます。
また上に行くほど登山家が入れるマスの人数制限がきつくなり、山頂付近では基本的に1人だけ。つまり先行しなければ不利なのに、無理をすると行動力ペナルティで減速を食らうという、対人ならではのジレンマも生きています。
もちろん最終的に他人より上に登らなければならないので、終盤で危険を冒す場面も出てくる。非常に緊迫した駆け引きが生まれます。
二人プレイでも、ほぼ違和感なく遊べます。ただ人数が増えるほど駆け引きの度合いも強まるので、多いに越したことはない、といったプレイ感かも知れません。
「最高峰エディション」は、基本の両面ボードの他に、四面(四種類)の追加ボードが用意されています。
どれも少しずつ独特のルールがあって面白いのと、若干難易度を上下させるバリアントもあるので、遊び尽くすのも大変なボリュームとなっており、素晴らしいセット内容になっていると思います。
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コンポーネントは、前述したように両面仕様のメインボードが3枚も付属するという豪華版なので、ズッシリと重みがあります。(写真は一部省略)
登山家コマやテントコマなど、独特の形状の木コマや小さなタイル類も入っていて、「コマをちょこまか動かすタイプ」のボードゲームとして、安定感のあるデザインだと思います。
大自然の雄大さ、美しさ、非情さ、冒険の楽しさ、達成感…色々な要素をリアルに再現することに注力した、他にないボードゲームです。
「メインテーマに沿ってそれっぽい事をやるフレーバーのあるゲーム」がほとんどだと思いますが、K2は「メインテーマそのものをやってる」感がある貴重なゲームだと思うので、是非とも実際に遊んで味わっていただきたいです。
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