- 1人~5人
- 30分~45分
- 13歳~
- 2017年~
コブラスdrillさんのレビュー
【まえがき】
2016年秋にKickstarterでファンド成立したトリックテイキングゲームで、「コブラ駆除法」を題材にしています。現在はまだ市販されていませんが、今年の秋~年末にかけて市販されるようです。
「コブラ駆除法」というのは、大英帝国領の頃のインドでヘビ嫌いの知事がコブラを駆除した人に報酬を与えるとした法令のことを指します。最初は真面目にコブラを駆除して報酬を得ていた住民は、そのうちコブラを自ら育てて駆除することでもっと報酬を得ようとします。それに気がついた知事は法令を撤回しますが、育てられたコブラはそのまま遺棄されたため、ヘビによる被害が増えてしまったというエピソードがあります(このような事例から「コブラ効果(問題解決の方法が全くの逆効果になること)」という経済用語まで作られました)。
このゲームはそのエピソードを元にしており、プレイヤーはコブラを育てて売ることで点数を獲得しますが、コブラの獲得とコブラの売却はトリックテイクの結果に左右されるというのが、このゲームの核となっています。
【ルールの簡単な説明】
※日本語ルールが有志の方により、公開されております。
カードにはすべてコブラと数字が書かれており、トリックテイクの勝敗は数字で決まり、獲得できるコブラの数は描かれているコブラによって決まります。それ以外に切り札のカード(キングコブラカード)が1枚ずつ各プレイヤーに配られます。
それ以外のコブラカードをすべて混ぜて、各プレイヤーに配りきります。
ゲームはトリックという単位で進み、各トリックはスタートプレイヤーから時計回りの順番で、手持ちのカードを出すことで進めます。
各トリックでは最も大きい数字のカードを出した人が勝者となり、トリックに負けた人はコブラを獲得、勝者は手持ちのコブラを売却して点数を獲得します。
そのトリックに出されたコブラカードに描かれているコブラの総数を敗者の人数で割った数が、敗者の各プレイヤーが獲得できるコブラの数です。端数は次のトリックに持ち越されます。
勝者のプレイヤーは手持ちのコブラを売却することで点数を獲得しますが、手持ちのコブラはすべて売却しなければなりません。また売却するコブラの数が多いほど得られる点数は大きくなるのですが7匹が最高点で、それ以降はどんどん点数が下がります。トリックが終わると、勝者のコブラカードだけが場に残され、次のトリックは勝者となったプレイヤーがスタートプレイヤーとなります。
キングコブラカードは切り札のカードとなっていて、これを出すことでトリックに必ず負けるまたは勝つことができます。
これを繰り返し、場に残された勝者のコブラカードに描かれているコブラが規定数溜まった時点で、ゲームは終了します。
【感想】
まだ市販はされていませんがPnP(Print & Play)が公開されており、今回はPnP版でプレイしました。
通常のトリックテイクでは勝つことが目的なのですが、このゲームではトリックの勝敗はアクションの選択になっているだけで、勝つことが目的ではありません。如何に狙ったところでトリックに負けるか、またはトリックに勝つかという点が大事です。そのためには手札をうまく使わなければなりません。小さい数字と大きい数字のカードはどちらも使いやすいのですが、問題は中間の数字のカードをどう使うのかというところでしょう。
コブラを7匹まで獲得して一気に売却するのが最も効率がいいのですが、大きい数字のカードばかりが出されると獲得するコブラの数が増え(その結果7匹を超えてしまう)、小さいカードばかりが出されると獲得できる数が減って(その結果、コブラが7匹手前となってしまう)しまいます。そのため、あまり欲をかかずに早めに売ってしまうのか、それとも7匹ギリギリまで集めるのかが悩ましいところです。切り札であるキングコブラカードも、どこで使うのかを考えなければなりません。
ゲーム自体は特に難しい点はなくルールも簡単ですので、一度遊べばすんなり覚えられるでしょう。セットアップもカードを配るだけですので、非常に楽です。PnP版ではコブラを表すチップや点数の記録はすべて自分で用意しなければなりませんが、市販版ではどちらも含まれていますので大丈夫です。
まだ市販されてませんが、一般流通すれば他の人にお勧めしたいカードゲームです。
- 43興味あり
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