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  • 1人~6人
  • 60分前後
  • 13歳~
  • 2016年~
401名
9名
0
3年弱前

群れで迫りくるゾンビの集団を、次々に打倒しながら勝利条件を求めて必死に街を駆け巡る、という大型の協力ゲーム。
本家の設定は現代の街並みだったものが、アークライト社から日本語版となったこの『ブラックプレイグ』では新たにファンタジー世界が舞台となった第4弾です。

そのため、マシンガンやチェーンソーといった武器が、剣や弓や魔法になりました。

基本的に6人プレイが推奨と聞いて、ずっと気にかけていたのですが、いかんせん1万円越えの大型ボックスに怯み、なかなか決断できずにおりました。

中身には精度の高いキャラクターフィギュアだけでなく、大量のゾンビフィギュアも同梱されており、群れで並べたときの迫力がけっこう良さそうだったので、ある時お財布に余裕があった時に思い切って購入しました。(持って帰るときの電車がけっこうきつかった!)

基本的にフィギュア自体に愛は無く、ゲームの進行的に特に変化があるわけでもなく、かえってコストを押し上げる要因になっているので、あまりフィギュアゲームは好きではありません。(世界最大のアナログゲームサイトBord Game Geekのランキングとかを見ていてもフィギュアの評価でランクが上がっていると思われるものがいくつも散見される最近の傾向にちょっと懸念を覚えています。)

ペイントにも興味はありません。(…というより、社会人にはそんな時間はありません。なので時間があったら全体的なスミ入れだけやるようにしてます。)

ただし、この作品のフィギュアにはある工夫があって、ちょっと感動(^o^)

キャラクターのフィギュアを識別しやすいように台座にカラフルなプラスチックのカバーをはめ込むようになっており(上の写真を見て下さい。)、これは随時取り外して交換できるようになっているのです。もともとキャラクターは茶色、敵のゾンビは灰色と、色分けはしてあるのですが、キャラクターごとの分担がとっさにわかりにくいので(これは他のフィギュアゲームにもたいてい言える)、これはとてもありがたく、プレイしやすさが段違いです。こういうプレイ環境への工夫ってすごく大事だと思っています。

まあ…というわけで期待と不安で仲間を招集。
せっかくのベテラン6人なので、4人対応のチュートリアルシナリオはすっ飛ばし、いきなりシナリオ1に挑戦です。

結果は思った通りの大成功!!
もともとTRPGなどにも経験のあるメンバーだったので、協力して敵と戦うゲームは没入度が高く、非常に盛り上がる展開となりました。

■シナリオは10本あり、いろんな設定が楽しめる。

マップボードの組み合わせや、勝利条件が違うだけなので、シナリオが10本と言っても、一度やったらネタバレで二度とできない…なんてことはありません。

基本的には次々湧いて出てくるゾンビをバタバタとなぎ倒し、重要なトークンをめくっていく展開なので、シナリオが10本ある…と言っても、そんなに大きく展開が変わることも無いですし、シナリオ自体に大きな仕掛けがしてあるわけでもありません。なのでこれだけで充分何度もプレイ可能です。

でもアークライト社のHPには追加のシナリオが掲載されています。

シナリオごとに大きなマップボードを4枚~6枚ほど組み合わせて、部屋と道路の街並みを作ります。
キャラクターのスタート位置と、ゾンビの発生場所が複数設定されており、キャラクターたちはゾンビに喰われないように勝利条件を達成しなければなりません。
ゾンビ自体はそんなに強いモンスターではなく、武器をふるってバッタバッタなぎ倒すことができるのですが、さすがに囲まれるとダメージを食らうこともあるので、その立ち回りをうまく考える必要があります。

ちなみに、マップボードは両面でけっこう大きく、これと別にキャラクターの個人ボードや、カードの山を置く場所なのを想定するとけっこう大きな場所を取りますので注意が必要です。(ボード4枚シナリオならそれほど問題はありませんが、ボード6枚以上になると相当大きなテーブルがないと厳しいかもしれません。ご注意を)

■キャラクターボードはプラスチック製の優れもの

このゲームを開封して、最も感心したのは、実はフィギュアではなく「プレイヤーボード」でした。

キャラクターカードや装備品を置くスペースがそれぞれピッタリはまるようにへこんでいて、装備カードの置きミスが無くなるようになっているだけでなく、何と下に経験点をカウントすることができるゲージが付属しており、今何ポイントかをきちんと管理できるだけでなく、レベルアップのランクなども色分けしてあって一目でわかるような工夫がなされています。

こういう気遣いは非常に大事。
圧倒的にプレイのしやすさ、ステータス管理のしやすさが違います。
(その代わり6枚全部重ねるとけっこうかさばり、箱が巨大化する要因の一つにもなっていますね。)

■ゾンビはカードをめくって判定し、動きは全部自動処理。

次々湧いて出てくるゾンビはすべて《ゾンビカード》をめくることによって判定します。
シナリオで指定された《ゾンビ発生場所》にそれぞれゾンビフェイズに専用カードをめくり、指定されたゾンビコマを置きます。

キャラクターにはそれぞれレベルがあって、最初の青レベルのうちは比較的弱いゾンビしか出てこないのですが、レベルが上がるとそれに対応する形で対象かつ強力なゾンビが出現するようになります。

何より恐ろしいのは、《誰か一人でもランクが上がったら、その高いランクで判定する》という鬼のようなルールです。
キャラクターのランクが上がると様々な特殊スキルが使えるようになり、より派手なアクションができるようになるんですが、ひとりでもレベルアップしてしまうと一気にゾンビが強力になりますので、どのタイミングでどのキャラクターに経験点を取らせるかをしっかり考えて作戦を練らないと、かなり悲惨なことになります。

だからこその協力ゲームだったわけですね。1人だけ突出できないようになっているのです。

ゾンビ発生で面白いのは、建物のドアをぶち破ると(なぜすべてのドアが閉まっていて、なぜ全部武器でぶち破らないといけないのかは謎です。笑)、その内部の部屋すべてに対し《ゾンビ出現判定》をしなければいけないところです!(扉を開けたらゾンビがいるっていうのは、ゾンビもののTVゲームによくありがちですよね。)
たいがい勝利条件トークンを拾うためには部屋の中へ入る必要があるので、どのタイミングでどこから突入するかをしっかり計画立てて動かないと、かなり悲惨な目にあいます。(といってカード運次第なので、どんな展開になるかはカード次第なんですけどね)

また、ゾンビの移動や攻撃はすべてルール的に一定の手順に従います。(プレイヤーはすべてゾンビと戦う戦士なので)
従ってゾンビたちはあまり複雑な動きをすることなく、基本的に予測のつく動きしかしません。

ここで納得。

ああ、だから敵はあえてゾンビなんですよ。
あらかじめルールで決められた動きしかしなくても、ゾンビなら納得じゃないですか。

面白いのは、そのゾンビ移動システム。

ゾンビは《音》に引き寄せられる、という設定です。
キャラクターの存在が《音》1個分。
そしてそれ以外に、扉をぶち破ったり、魔法を唱えたりすると、追加で《音》1個分。

視界が通っているキャラクターがいれば基本的にゾンビはそちらに向かいますが、視界が通らないところにいるゾンビは、この《音》の合計が大きいマスに向かって移動するのです。

なので、キャラクターはアクションの1つとして《意図的に音を立てる》という行動ができ、意図的にゾンビの群れを誘導することもできるようになっているのが、戦略的に面白いところです。

■ゾンビは基本的に3種類。でもボスキャラもいます!

ゾンビは基本的に3種類いて、
1アクションしかせずにHP1のザコである《ウォーカー》、
同じく1アクションしかしないがHPが2あり、低レベルの武器では倒せないのがやっかいな《ファッティ》
HPは1だが3アクション持っていて移動が恐ろしく速いという、最近流行の走るゾンビ《ランナー》

これに加えて
HP3のボスゾンビである《アボミネーション》(倒せる手段が0ではないが、非常に限られている強敵)
《ゾンビ発生場所》自体を増やしてしまう《ネクロマンサー》
といったラインナップ。

相手はゾンビだからとなめてかかると、囲まれてダメージを受けてしまうので要注意です。
ゾンビのダメージは累積しないので、一度に2ダメージ以上与える武器はほとんどない…という厳しい世界。
ゲーム中回復のチャンスはほとんどありません。
キャラクターはHP3しかないので、3ポイント食らってしまうと《死亡》して脱落です。
注意して下さいね。このゲームは脱落があります!!

■多彩な装備をどんどんゲットして強化!

部屋に入ると《探索》というアクションを取ることができて、アイテムカードを1枚ゲットすることができます。
探索が成功したかどうかの判定なんてありません。
必ず1枚引けます。

《探索》アクションは、同フェイズに連続してできませんが、なぜ同じ部屋から何度もいろんな武器や装備が出てくるのかは謎です(笑)。

初期装備はあまり強くないのですが、カードによっては《同時に複数の敵にダメージを与えられるもの》、《遠距離から攻撃できるもの》、《命中判定のダイス目が有利なもの》などいろいろです。
協力ゲームなので、各自が発見したアイテムを考えて、タイミングを見て装備変更をしたり、他のキャラクターと交換したりする必要があるのです。

面白いのは、魔法使いでも戦士でも、使える装備に基本的に差はなく、スキルが若干違うので得意不得意がややありますが、誰でも近接武器も魔法も弓も問題なく使えます。

やっぱりいい武器が手に入ると嬉しいので、どうしても我先に《探索》アクションをしたがりますが、毎ターンゾンビがぞろぞろ湧いて出るので、そればっかりというわけにもいかず、プレイヤーたちの連携がうまく取れないと、かなり厳しい展開になると感じました。

■やっぱり敵がいて味方がいて、戦うゲームは面白い!

やっぱり《仲間》がいて、倒すべき強大な《敵》がいて、布陣や作戦を相談しながらギリギリの戦闘を繰り広げるのって、やっぱり楽しいです♪
TRPGもそうですが、レベルアップして、自分のキャラがだんだん強くなっていくのも、やっぱり楽しいです♪そういうのが好きなメンバーなら、絶対に刺さると思います。

このゲームの面白いところをまとめると、次の3つに集約されます。
①手が付けられなくなる恐怖感
②成長して強くなる高揚感
③協力して敵を倒す連帯感
と言えるでしょう。


ただし注意点を3つ。

①基本が6人ゲーム
通常の《協力ゲーム》だと、人数が変わってもそれに付随する形で敵の数やアクションが決まるので、大きくバランスを崩すことがないようになっていますが、このゲームは何人でやってもゾンビの出現や攻撃は変わりません。

基本的に登場キャラクターが6人いる前提でシナリオが作られています。
従って、プレイヤー6人が基本になります。
(もっとも、1人2キャラでやれば3人プレイ。1人で3キャラやれば2人プレイも可能です。…それを言ったら1人で6キャラやってソロプレイもできますね)

我々は、6人プレイ(それぞれ違うメンバーで3回)、3人プレイ(同じメンバーで2回)をプレイしましたが、どれも好評でした。新人込みの6人プレイでは残念ながら1人脱落がありましたが、その後は観戦と作戦立案協力を楽しんでおりました。
特にベテラン勢の3人プレイは、これはこれで息の合った戦術で、なかなか楽しかったです。(なにせ、あえて1人犠牲にすることも想定した戦術が取れるのは大きかった印象ですね。)

②時間がかかる
公称は「60分~」とか書いてありますが、全然そんな時間では終わりません。
どうしても、あーでもないこーでもないという綿密な作戦会議が必要なので、我々の場合はシナリオ1でだいたい「2時間半」、シナリオ2でだいたい「3時間強」かかりました。

充実した3時間だったので、長いと感じずに楽しかったので、全く問題ないのですが、時間が限られているときは気を付けて下さいね。

③特殊能力の内容は常にルールブック参照が必要
キャラクターカードには、レベルアップした時に追加される能力の「名称」しか書いてありません。
その内容については常に常にルールブックの巻末を参照する必要があります。
これがちょっとわずらわしい。
なので私は高精度カラーコピー機でルールブックをあと2冊増刷しました。(ちなみにBGGサイトにも日本語ルールのPDFデータがあります。)
各手元に複数あると、少しは参照が早くなるので便利です。
余裕があったら是非やったほうがいいですよ。

それでは、がんばってゾンビを皆殺しにして下さい。
(くれぐれも自分が死なないように♪)
おススメです!

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