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  • 1人~4人
  • 60分~90分
  • 12歳~
  • 2020年~

西フランク王国の子爵winterkoninkskeさんのレビュー

494名
9名
0
2年以上前

二人プレイ時の感想を書きます。

西フランク王国の子爵は、メインボードにあるアクションマスを「子爵コマ」を動かしてぐるぐる周回させながら、リソースを獲得し、効率よく使うことでより高得点を目指すゲームです。

リソースは「金」「石材」「墨壺」、そして通貨となる「銀」。

これらは「城」「建築」「写本」の各アクションに使うものとしてそれぞれ独立していて、基本的には他のことに使いません。それらのリソースを得たり、後述する「キャラクター」の雇用に用いるために銀が使われます。

メインボードを周回する各アクションマスには、大まかに「リソースを得る」と「リソースを使って得点に繋がる各アクションを行う」の二種類があり、決められた子爵コマの進行ルールに従って狙ったマスに止まる必要があります。

「城」「建築」「写本」はアクションすることで得点になるほか、発展させるほど大きく有利になるボーナスを得ることもできます。このボーナスや得点の計算方法に全てジットリとしたマジョリティが絡んでおり、各プレイヤーは自分がやりたいアクションと、相手が大量得点とならないよう別のマジョリティにも侵攻していくアクションを同時に行っていくこととなります。

どこに重点を置けばライバルと差がつくのか、非常に悩ましいアクションを毎手番行わされるわけです。


さて、ここまでだと普通のリソース管理とマジョリティ争いのゲームですが、本作を本作たらしめる大きな特徴を二つ紹介します。

「押し出し式デッキビルド」と「善悪ゲージ」です。

(画像右下の個人ボードに注目して下さい)

まずは押し出し式デッキビルド。

プレイヤーは個人ボードに、常に三枚のキャラクターを置きます。

キャラクターによって特定のアクションが有利になるパラメーターを持っており、得意なキャラを並べるほど1アクションが強化されます。

また捨て置けない特殊能力もあるほか、リスクを上げてワイルド能力をもたらす「犯罪者キャラ」がキーカードになったり、子爵コマを進める歩数まで決めてしまう重要なシステムです。

この並びが手番ごとに右側に押し出され、新たなカードを手札から左端にプレイしていく仕組みです。カードには「プレイ時能力」「持続効果」「押し出され時能力」のいずれかが付与されていて、このタイミングを見計らうのがこれまた悩ましい。

またカードはプレイ中に銀で雇ったり、いらないカードを抜いていくことで自分に必要な面々を手札に揃えていくデッキビルドの要素があり、一人一人の能力が強力かつ特化型なので悩ましさは倍増されます。


もう一つが善悪ゲージの要素です。

ゲーム中の行動(主にキャラクターの運用)によって、個人ボードにある善(白)と悪(黒)のコマが中心に向かってそれぞれ進みます。ある時「衝突」が起きると、衝突したマスによって「借金カード(悪)」か「権利証書カード(善)」を引くことになります。

この借金カードの山か、権利証書カードの山が一定数引かれるとゲームは終了に向かいます。ここが面白い部分で、借金カードが無くなると権利証書を持っている人に得点が入り、権利証書ではその逆になります。

つまり減っている山と逆の方が欲しくなるため、慌てて善悪ゲージを逆転させるプレイになりつつ、借金カードはコストを払って裏返さないとマイナス点になってしまう。あたふたしていると突然誰かがゲームを終わらせてしまいます。

この終盤の睨み合いにとてもスリルがあり、大詰めとなって大量得点を取るか取れないかの一手にジリジリとした楽しい展開が待っています。


以上が大まかなメカニクスとなります。

他にも「建築」アクションは強力な能力のアンロックを選択する悩ましさや、「城」アクションでは城内にコマを送り込むほど連鎖が起こる爽快なシステムがあったり、常にプレイヤーを飽きさせないいじらしいギミックが大量に盛り込まれているため、物凄いボリューム感があります。

それゆえ得点を取るバランス感覚がかなり難しく、初心者には極めてお勧めしにくいゲーマーズゲームとなっていますが、重ゲー好きな人にはたまらない要素ばかりなので、是非ともプレイしていただきたいです。

二人プレイだとマジョリティ争いがやや薄くなるものの、根幹にある複雑でバラエティ豊かなゲーム性はしっかり堪能できると思います。


コンポーネントは凝った形状の建物コマや資材コマは可愛く個性的ですし、主役となる子爵コマは大型で存在感も十分。カードも質感良く大量にあるので、贅沢な気分です。

メインボードは5枚で一周する分割式となっており、ゲームごとにランダムで並び替えられます。そして中心に置かれる城オブジェクトは三階層になったプラ製で、立体感まで演出してくれています。


システム、コンポーネント全てにおいて過剰なまでの工夫が凝らされており、いかにも最新のユーロゲームといった感じで高い満足感があります。

ひとつ注意として、プレイヤーレベルにはくれぐれも配慮して下さい。私は妻を100対50みたいな二倍差をつけてボコボコにしてしまったため、出しどころに困るゲームになってしまいました。

なるべく同じレベルでないと気持ちよく勝敗をつけることが出来ないと思うので、一緒に遊ぶ顔ぶれには気をつけた方がいいでしょう。

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