テラフォーミングマーズ：ダイスゲームダイアンさんのレビュー

まず（個人的）見解からですが、めちゃくちゃ面白いゲームでした。

『名作からの派生系ゲーム』の宿命なのでしょうが、どうしても「基本作」と比較されてしまうのは仕方がないことでしょう。

そのうえで「…なんか、テラフォじゃない」、「ただの運ゲー」などと揶揄されることも多いようです。

が、先入観を排除して独立したひとつのゲームとして冷静にみれば、リソース管理要素あり、運要素あり、状況に合わせた（ダイス目に合わせた）戦略の必須変更要素あり、と極めて多彩な要素が求めらる非常に面白いゲームでした。

むしろ、テラフォーミングマーズ未体験の方は、このゲームから入る方がよいのではと思います。

テラフォーミングマーズの世界観を存分に味わえますし、ゲームに不慣れな方が『重ゲーアレルギー』になることを防ぐ効果もあると思います。

ゲームのテーマは、増えすぎた人類の人口対策として火星移住を計画しそれを目指そう、というものです。火星を『地球化」することに対して、より大きな貢献をした人（企業）に『名誉点」を与えよう、その名誉を競い合おう、というものです。

詳細なルールは書ききれませんが、本作においてひとつ重要なことは、ダイスの出目運は、ゲームに与える影響がそれほど大きくない、むしろその出目（運）に対して自分がいかに柔軟に戦略を変更できるかという決断能力の方がはるかに大きな影響がある、ということです。

これが本作のもっとも難しく、かつ最大の面白みであり、ほかのダイスゲームと一線を画するところです。

繰り返しになりますが、本作でダイスを振るというのは、ただ入手する資源がそれで決まるというだけのことであり、ほかのボードゲームやカードゲームにおいて、手札がランダムで配られてくるということと何ら変わりわない、ということです。

それよりも、その入手した資源に対して、あらかじめ立てておいたカード戦略となじまなかった場合、いち早くそのダイス目に合わせて自分の戦略を変更することの方が、よっぽど重要なのです。これこそ、個人の『考える力」によるのです。

また本作では、手持ちの資源（ダイス）を一個失う決断をすれば、手元に残っている資源（ダイス）を好きな資源に変更できる、またはカードという資源を2枚新たに獲得できる、というルールが存在します。

これにより、自分が資源の一部を失うというリスクを受け入れればダイス目を変更できたり、またカードとダイスの噛み合わせが悪ければカードを手札として追加できるわけですから、ただただ『運が悪かった」などという主張は通りづらいように思いました。

リソース管理能力とリスクヘッジの方が重要、ということです。

とはいえ、否応にも適度に（良い具合に）運の要素も絡んできて、あまり重くなりすぎないのもかえってこのゲームにおける大きな利点だと考えます。

最近、ネット通販で価格が安くなっていたので購入しましたが、思わぬ『大ヒット』作品でした。

つよくお勧めいたします！