コンテナダイアンさんのレビュー

高校生や大学生にもぜひ遊んでもらいたい、経済が理解しやすくなるゲームです！（いろいろな意味で、お金が持つ力を体感することになります）

デフレーションからインフレーションまで、一つのゲームを通じて一気に経済の動きを肌で感じられてとても面白いです。

渋さの中に熱い駆け引きがあります。古いゲームですが、そんなことをまったく感じさせない、いわゆる「色褪せない」ゲームです。

ゲームの目的は、「島」にある自分の領土により多くの商品（コンテナ）を配置することです。配置したコンテナが多ければ多いほど得点が上がります。

本作では、商品を生産してそれを流通させていくことが基本的なゲームの流れとなります。

流通させる中でお金を稼ぎ、その稼いだお金で商品を競り落としていきます。

ゲームの流れをザッと説明すると下記のとおりです↓

1️⃣あるプレイヤーAは、自分の工場でコンテナを生産する。

2️⃣A以外のプレイヤー（B、C、D、E）は、Aが生産したコンテナを買い付けて、自分の港湾に陳列することができる。

今回はBが買い付けたとすると、Aが生産したコンテナは Bの港湾に陳列される（ B→Aに代金が支払われる）

3️⃣ B以外のプレイヤーは、Bの港湾に立ち寄って港湾に陳列されているコンテナを買い付けることができる（ B自身は、自分の港湾のコンテナを買い付けることができない）。

今回はCが、 Bの港湾から買い付けたとする（C →Bに代金が支払われる）

4️⃣Cは、買い付けたコンテナを船で「島」まで海運する。

5️⃣コンテナを積んだCの船が「島」に到達すると、C以外のプレイヤー間で積まれたコンテナに関して競りが行われる（C自身は競りに参加できない）。

6️⃣もっとも多くの金額を出したプレイヤーがコンテナを競り落として、自分の領土に配置する。

Aが競り落としたとすると、コンテナはAの領土に配置される（A→Cに代金が支払われる）

7️⃣規定数のコンテナが配置されてストックからなくなればゲーム終了。

8️⃣一番多くのコンテナを領土に配置したプレイヤーの勝ち。

……⁇…？

となると思いますが、おおまかにこの流れです。

実際にゲームを行えば、最初こそ少しまごまごするものの、すぐに慣れることができます。

このゲームでカギになることは、自分で生産→自分で販売・購入→自分で運搬→自分で競り落とす、ということがまったくできないということです。

商品の流通では、どの過程においても必ず他者を介在せざるを得ないようになっていて、インストラクションが必然的に発生するようになっています。

そこに経済的な駆け引きも加わって、本来ならシンプルな流通の中に深い思考や思惑がからみこんできます。

現実世界と同じく、このゲームにおいても「富む者はますます富む」というルールが働き、富む者が商品を独占するようになります。

経済的にいち早く他プレイヤーを出し抜いて、設備投資を行い、拡大再生の流れを構築することを目指します。

このゲームの面白さのひとつに、ゲームの途中であれほど猛威を振るっていたお金の価値は、ゲームの勝利判定時にはまったくの無価値（得点には反映されない）になる点です。

これがほんとうに悩ましく、最後には金銭よりも物質の価値が高くなるので、最後に金持ちになっても商品を保有していなければ勝てません。

文章では伝えきれない複雑さ、人間の業、面白さがあります。

間違いなく名作です！