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  • 2人~4人
  • 20分~40分
  • 10歳~
  • 2017年~

天下鳴動Bluebearさんのレビュー

547名
9名
0
2年以上前

戦国ものは好みのジャンルの1つで、タイトル的に以前から興味を持っていました。

今作は100均パーツで製作されながら高評価となり、ゲームマーケット大賞2018を受賞したのは有名な話。その正規生産品という事でホビージャパンがリリースしたものですね。

さすがに何かの受賞作ともなれば信用できると思い、購入したものの、しばらく出すタイミングを失っておりました。(じゃじゃーん!と取り出すには、テーマ的にも大きさ的にもコンポーネント的にもややインパクト不足な印象でした。4人までしかできないし。ごめんなさい。)

存在を半分忘れていた最近、たまたま人数が4人だった時に思い出し、プレイする機会がありました。

■戦国日本といっても特にテーマ性は無し

ボードにはかなりディフォルメされた日本地図が描かれており、北海道から沖縄までが広く網羅されており、全体がざっくり11のエリアに仕切られています。

そこに最小2から最大12の《城トークン》をランダムに置き、これが基本の得点となります。(同じ数字はありません)

ランダム配置なので、いきなり沖縄の《首里城》が最高レベルの12点だったりするので、設定的にはかなり「???」マークが付きますが(首里城が戦国武将の城かと言われると…笑)、そこは細かいことを言いっこなしにしましょう。

ここに各プレイヤーの持つ兵力コマを順に置いていき、最大多数をもって各エリアの支配権を争い、その城ポイントの合計点が最も高い者の勝利!という、非常にスタンダードかつ直球のルール構成になっています。(兵力コマはカラフルな木製キューブです。軍隊っぽくはないですが、視認性も取り扱いも良く、いい感じですね。)

これだけだったら話題にもならない凡作ですから、このゲームの真価はここから。

■ダイスに翻弄される兵力

エリア数が少なく、最大多数を取るのが目的ですから、ポイントの高い城にどんどん自分の兵力を送り込めばいい。非常に単純。

ところがここで一ひねり!

必ずしも自分が狙ったエリアに兵力を送れるわけではなく、ダイス3個の組み合わせで不確定に決定されるのです。

自分の手番には3つのダイスを一度に振り、その組み合わせを考えます。

3つのうち2つを合計し(このため最小2から最大12となるわけですね)、その数字の城にしか兵力を送れません。そして残った一つのダイスの数字の大きさで送れる兵力の数が決まる仕掛けです。(ダイス目によって1個から最大3個まで)

完全ランダムな運まかせではなく、3個のダイスの組み合わせ自体はプレイヤー本人が考えてよいので、限りはあるもののいくつかの選択肢が生じます。

最大多数を取るのが目的なので、すでに誰かが兵力をいくつか置いていれば、そこに置くメリットがあるかどうかを考える必要があります。(兵力コマの総数には当然限りがあるので)

この「まったくの運まかせ」でもなく「完全に自由」でもない、微妙な縛り加減がボードゲームとしては絶妙です。(他の色々なゲームにも言える事ですよね)

■波乱を呼ぶ援軍システム

このゲームの優れているところが、もう一ひねりの《援軍システム》です。

単に各エリアで最大多数が取れたからそれで「ポイントゲット~♪」とはなりません。そんなに戦国は甘くないのです。

全員がコマを使い切り、兵力が決定してからが本当の勝負です!(戦国ですから合戦がないと盛り上がりません。デザイナーさんは良く分かってらっしゃる)

城の数字が小さいものから《合戦》です。

最初の城(2ですね)は、単純に兵力の多いものが勝ちです。1位の人は《城トークン》を受け取り、これがそのままポイントとなり、もし2位がいたらその半分(切り捨て)のポイントトークンを受け取ります。ここまでは問題なし。

この先が問題!

合戦が決着したエリアに隣接するエリアに、1位で勝利したプレイヤーの兵力があれば(兵力が無いときは無効なのが厳しいところ)そこには《援軍》として白いコマを追加で2個置くことができるのです。(何と隣接エリア全部にこれを適用します!)

こうして順に3の城、4の城、…というように合戦で勝者と2位を決定していきます。(この1位だけでなく2位でもポイントがもらえるところがミソです。)

これによって、後半の城(当然ポイントも大きい)の兵力バランスが、最初の配置と大きく狂ってきて、かなりの割合で番狂わせが生じる仕掛けです。

この処理はすべて論理的に進むので、ちゃんと考えればしっかり「読む」ことは可能ですが、かなり交錯した動きになるので、なかなか読み切れません。

かなり悲鳴と歓声が交錯する盛り上がりどころです♪

「よし勝った!わーい援軍だー!」

「くそぉ、届かなかった~」

「ここと、ここに援軍を置いていいのよね♪」

「さすが〇〇ちゃん、抜かりがないな」

「えっ?もしやこっちも1位?うわ、やられた。」

「あれここのエリアも海だけどつながっているから援軍じゃない?」

「あ、ホントだ。ありがとう♥」

「げ、そこも2位でポイントじゃねえか!」

「さすが恐ろしいな~(笑)」

…という感じでした。

非常に楽しかったです。

■その他さりげない工夫がたくさん

この他にも、細かい工夫と気配りは随所にあり、最近のゲームとしてはかなり感心深いです。

①同点ドローを避けるためにあえて《刀マーカー》を用意し、先に兵力コマを使い切ったプレイヤーから大きいマーカーを得ることで、同点で決着がつかなくなることを自然に阻止するだけでなく、先に兵力コマを使い切ることのメリットを作り出しました。

この手の兵力配置ゲームは、後手番のほうが絶対有利なんですよ。

だって相手の配置を見てから、自分の配置場所を決められるので。

そこを、シンプルな1つのルールで改善して見せた手腕は伊達ではないと感じました。

②戦国合戦ものと来れば武力だけでなく、知略・軍略でしょう。

これについては最小限の負担で済むように、各プレイヤーが特殊カードを1枚だけ使えます。

ただし、これを各プレイヤーに1枚だけ配っておくのではなく(これだと使える使えないの運に左右されすぎてしまいます)、人数+1枚だけ公開しておいて、好きなタイミングで使えるようになっています。

これによってゲームごとのイベントの種類にバリエーションが生じるだけでなく、発生するかもしれないイベント展開が先にわかっているので、先読みによって対策を立てることも…不可能じゃありません(笑)

手札に隠し持っていないで、公開されているので、特に初心者がいる時は「こうやって使うと効果的だよね」って、先に説明することができるので、とてもいいルールだと感じました。

ということで、ウチでは絶賛の評価でした。

私個人は、ヒストリカルな部分が少なすぎて「戦国」「合戦」「武将」というイメージが再現しきれていない点がちょっと不服ですが、ボードゲームとしては十分以上に合格点が付けられます。

おススメです!

(個人的には「戦国大名」「戦国合戦絵巻」「天下布武」に愛があるので…すみません)

■最後に

各エリアごとに《城トークン》を置くわけですが、勝敗をつけるときに2位のプレイヤーにも半分の数字のトークンを渡します。これ、別の山から取り出して渡すようになっていますが、最初からエリアに置いておいたほうが絶対わかりやすいので、できれば先に配置することをお勧めします。(どうせエリアの面積は大きいので大丈夫です。お試しあれ。

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