- 1人~4人
- 15分~20分
- 8歳~
- 2020年~
ザ・キー:岸壁荘の盗難事件すあまさんのレビュー
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作品データ
タイトル | ザ・キー:岸壁荘の盗難事件 |
---|---|
原題・英題表記 | The Key: Raub in der Cliffrock Villa |
参加人数 | 1人~4人(15分~20分) |
対象年齢 | 8歳から |
発売時期 | 2020年~ |
参考価格 | 未登録 |
クレジット
ゲームデザイン | トーマス・シング(Thomas Sing) |
---|---|
アートワーク | ティモ・グラビング(Timo Grubing) |
関連企業/団体 | ハバ(HABA) |
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★9(個人的10段階評価)
論理ゲームの新たな可能性!
雰囲気たっぷりの捜査ごっこゲーム!
「ザ・クルー」でも有名なトーマス・シング氏による軽量級ロジックゲームです。
いつもは概要やルールをあまり書かない感想なのですが、現時点でレビューも少なめなようなので今回は多少詳細を。
個人的にいいゲームだと思うので、購入予定の方の参考になればと。
まずザックリ概要を説明すると。
岸壁荘という場所で三つの盗難事件が発生。すぐに容疑者も三人確保されたものの、
「誰が、何時に、何を盗り、どういう逃走手段で逃げたか」
が結びついていないため、プレイヤー達は各種捜査資料を見て事件の真相を明らかにしましょう、という話です。
論理ゲームには割とよくある筋立てですね。
個人で記入出来るボード上にはリスト化して容疑者や時刻などが記されており、情報が確定する度に○や×をつけて状況を絞り込んでいきます。「この人は3時の事件に関わっているから、他の時刻の事件には無関係」「この道具は少なくとも5時の事件には使われていない」みたいに。
このゲーム第一の特徴として、情報はほぼ全て大量のカードに記されテーブルに広げられており、それらを「リアルタイム」で各自参照していくシステムがあります。
ゲームが始まったら、各自好き勝手に自分のペースで捜査していきます。
なのでインタラクションは殆ど皆無と言っていいです。勿論有用な情報の早取り要素がないとは言わないのですが、そこで争うようなタイプのゲームでもないです。
こうなると、事件を早解きした人の勝ちのゲームのようですが、実はそうではないです。
確かに捜査は各自自由にやっていいのですが。勝負を決めるポイントは、早さではなく
「どれだけ少ない手がかりだけで真相にたどり着けたか」
だったりします。
手がかりたるカード群にはコストが記されており、高コストなものには殆ど直接的に犯人やものを名指しするような手がかりが。低コストなカードには「何時に○○は使われていない」的な、割と婉曲な手がかりが記されております。
当然高コストをバンバン取れば事件はすぐに解決しますが、しかしこのゲームは「出来るだけ少ない手がかりで」真相にたどり着いた人が勝者となるゲーム。
リアルタイムで一番乗りしたからとて勝者とは限らず、結局はしっかりコストバランスを考えて「自分に必要な情報だけをうまく精査し取れた人」が勝つ形式なんですね(一応、早くあがった人にもボーナスはあるのですが)、
以前「ナインタイル:パニック」の評でも書きましたが、この「じっくり解く人」と「素早く解く人」どちらにも満足度の高いシステムは素敵ですよね。
更に今作で私が最も素晴らしいと思う点は、こういう点数の付け方である以上、論理ゲームながら最終的に
「全員がちゃんと自分で真相にたどり着ける」
という部分です。いや勿論推理を間違ったら駄目ですけど(笑)。
こういう論理ゲームだと基本「勝者」だけが最後まで全てを解き明かせてスッキリ、という感じのプレイ感が多いのですが(必ずしもそれが悪いわけではないと付記しつつ)。
このゲームでも、勿論勝敗はつきますがそれでも全員それぞれのカタチでキッチリ答えを出した上で勝負が出来ます。敗者にも消化不良感がないのですよね。これは論理ゲームでは非常に希なことかと(なくはないと思いますが)。
またリアルタイムのプレイや手元の捜査資料もいい味を出しており、各種の情報(カード)や捜査資料を忙しく参照しながらメモをとる過程は、まさしく「捜査」でとてもいい味が出ております。最高に「捜査ごっこ」です。この感じはデジタルにない魅力です。
ワンゲームが短いプレイ時間であることもあり、軽くて本格的で「ごっこ」感も満載で非常に満足度の高い論理ゲームかと。個人的に論理ゲームの中ではかなり上位の推し作品ですね。
ただ勿論、マイナス点もそこそこあります。
まず論理ゲームでありながら今作は「運」もそこそこ入り込むところ。
深くやり込めばまた違ってくるのかもしれませんが、基本的にカードによる情報には「当たり外れ」があります。
既に確定している情報が出てきてしまうことがあり、「なんだよ、それはもう知ってるよ-」となることが多々あるゲームになっております。
こういう文句を言うのがパーティゲームとして面白いゲーム部分である反面、情報のかぶる、かぶらないは最終的に結構運になってくるため、最終的にコストで勝負するゲームとしては、推理力や思考力で勝敗が決した感じにはならないです。「上手いことカード引けて助かったわ-」という勝利感というか。それはそれで敷居の低さにも繋がっているため、一概にマイナスとも言えないのですが。
また、事件はランダム生成ではないため、リプレイ性部分でも多少ネックはあります。
今作には9つの事件が封入されていますが、当然ながら全ての事件の真相を覚えてしまうと駄目です。
…駄目なのですが、ただ、個人的にそこはあんまり気にしなくても大丈夫かなという印象でもあります。
私が鳥頭なのもあり、ぶっちゃけ翌日どころか一時間後にはもう事件の真相なんて覚えておりません(笑)
このゲームは確かに真相が決まったゲームですが、物語性のあるレガシー系などではなく、最終的な真相も三桁の無機質な数字で表されるたけなんで、「この事件の真相は『978』だったな」とかは流石にイチイチ覚えてはいないかなと。
勿論、毎日リプレイしまくるような環境だとその限りではないと思いますが。
ただ、毎回引くカードが違う以上捜査過程は違うので、同じ事件でも全く問題なくロジックゲームは楽しめます。
とはいえご家庭で毎日毎晩遊ぶ……という状況だとランダム生成じゃない部分はネックになるかなとは思いますので、そこだけは要注意です。こういうのはお子様とかの方が逆にしっかり覚えてしまいそうですしね。
ただ個人的には普通にボードゲームを遊ぶ周期なら全く気にならないリプレイ性です。実際プレイから一週間程度経過してこのレビュー書いている時点で、私はもう何一つ覚えていないです(笑)。
そんなわけで長くなりましたが、個人的にここ数年やった論理ゲームの中じゃ最も「楽しい」印象が強いゲームでしたので、少し熱を込めてレビューさせて貰いました。
年末年始などに是非ご家族・友人達とわちゃわちゃ捜査して貰いたい好ゲームです!