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  • 1人~5人
  • 60分前後
  • 8歳~
  • 2020年~

K2:最高峰エディション18toyaさんのレビュー

327名
10名
0
約1年前

「非情の山」K2を攻略せよ!

【評価8/10(ソロ7/10)】中量級・1~4人

カードドリブン×登山!

皆さん,秋ですね!秋と言えば山,山と言えば登山!

という訳で本日は世界で屈指の難度を誇る「非情の山」K2に挑むゲームのご紹介です!


<概要>

K2:最高峰エディションは,基本セットである「K2」と,拡張である「K2:ブロードピーク」及び「K2:ローツェ」を含むビッグボックスとなっています。作者のアダム・クラウザー氏はガチの登山家だったようで,彼のこだわりが詰まっているこのゲームはジャンルとしても似たものが無く「登山ゲーム」としか説明できない独特のシステムとなっています。


K2:最高峰エディションの基本・拡張ともに基本システムは共通していて,自分の登山家の最高到達点が高ければ高いほど得られる勝利点も高くなる仕組み。しかし,高所には危険がつきもの。もし登頂中や下山中に登山家が亡くなって(!)しまったら,たとえその登山家が頂上まで登っていようと,その登山家の勝利点は失われてしまう。そのため,登山家の命を繋ぎながらどこまで高く登れるか,という一種のチキンレースが繰り広げられます。


この頂上争奪戦に拍車をかけるのが「標高が高い場所ほど登山ルートが限られており」かつ「標高が高い場所ほど同じマスに一緒に居られる隊の数が少ない」という点。

どういう事かと言うと,交通渋滞が起きるんです。他プレイヤーの登山家が先に頂上ルートに入ってしまうと後から自分の登山家を頂上に送り込もうとしても難しくなる。登りたくても他プレイヤーの登山家が先に登ってくれないとこちらも進みづらいという状況が起こります。ただしこれは逆も言える事で,先に頂上ルートに入ってしまった側の登山家は他の登山家に下山ルートを塞がれてしまうと下山できない場合があり,最悪天候次第では過酷な環境で命の危険がある。高所は移動も困難な事が多く,ちょっとした読み違いが危険をもたらします。


このように,天候を見ながら,お互いの登山家の動向を見ながら,自分の手札を見ながら,どのタイミングでどのルートでスパートをかけて登り始めるのか、という駆け引きが熱いゲームです。


<登山家の行動>

各プレイヤーは2つの登山家駒を受け取り,カードで行動していきます。各プレイヤーは18枚の山札から6枚をドローして手札とし,毎ラウンド(ラウンド=1日)3枚ずつカードを使用して3枚補充。6日目,12日目には山札が尽きますのでこの際ドローはせず手札の3枚を全て使用し,18枚の捨て札をリシャッフルして再び山札とし,次のラウンドからまた6枚を手札として持ちます。最終日の18日目も同じく山札が尽きているので手札の3枚を使い切ってゲーム終了です。

3枚のカードは2人の登山家にどのように割り振っても良く,1枚と2枚であったり,場合によっては3枚全てを片方の登山家に使ってしまっても構いません。


カードで出来る事は基本,移動または順応度の回復。テントを張るという行動もありますが,各登山家1回しかできない特殊な行動のため詳細は後述。

順応度というのは体力のようなもので,最初は各登山家の順応度は1しかありません。高山は順応度が減るような天候や場所に溢れているため,順応度を上げていかなければ満足な登山はおぼつかないが早いところ山に登りたい。ここら辺がジレンマです。一応セオリーとしては,2人いる登山家のうち1人をまず登らせつつ,もう1人はベースキャンプ付近で高地順化をさせ順応度を地道に挙げていくのが基本になるかと思います。

移動は1~3の移動力がカードに書かれており,手札から出した3枚の移動力合計に応じて登山/下山ができます。合計8くらいの移動力を出して一気に登り上がりたいところですが,全プレイヤー中最も移動力合計が高かったプレイヤーは「リスクトークン」を受け取らなければなりません。リスクトークンには0~2の数値が書かれており,これを受け取ったプレイヤーは生き残っている登山家のうち,移動した登山家の順応度をリスクトークンの数値分下げなければなりません(ここは良く勘違いするところ。一歩も動かしていない登山家の順応度を下げる事はできません)。これにより,リスクトークンを受け取っても一気に大きく登山するのか,少しずつ刻んでリスクトークンを避けていくのかという戦略の違いも出てきます。

ちなみに,初手は各登山家の順応度が1なので,1以上のリスクトークンを受け取ったら…どうなるか,懸命な皆様なら分かりますよね?どのリスクトークンが出るかはランダムなので,0のリスクトークンがあれば初手大事故は防げますが,そうでないなら初手は大人しくした方が身のためかもしれませんね。 笑


<天候>

登山家の命を危険に晒す大きなリスクの一つ,天候。天候はタイルによりある程度先読みできますが,残り日数との兼ね合いで悪天候の中でも登山しなければならない場合もある。しかし悪天候の破壊力はなかなかのもので,特に高所の天候が乱れやすいため,頂上近くにいる時は見る見るうちに順応度が減っていき,え,もうこんなに早く命の危機?みたいな事態もある。山の天候は本当に怖いです。

天候不順を一旦やり過ごすための方法として移動カードを使い,今いるマスにテントを張る事もできます。各登山家が持っているテントは1個のみ。テントを張ったマスにいると順応度の低下を1抑えてくれます。まさに命綱のような存在です。

ちなみにテントを張るのに必要な移動力は,今のマスに進むための移動力と同値。つまりそこに行くのに移動力2が必要な場所にテントを張るには移動力2を使う必要がある。くれぐれも移動力を読み違えないようにしましょう!

なお,自分の登山家であればテントを張った登山家もそうでない登山家も,どちらもそのテントを使えます。頂上アタックにはテントの活用は必須ですので,2人が活用出来そうな場所を見極め,計画的にテントを張りましょう。

にしても,高所でテントにこもり悪天が去るのを待つ登山家!凄く「ぽい」絵ですよねー!

天候タイルには1枚当たり3日分の天候が書かれています。「この高度はこの天気」と表記されており,基本的には高所の天候が荒れる事が多い。登山家達はこの数日分先が読める天候を元に行動を決めていきます。


<悪地形>

もう一つ登山家の命を危険に晒す大きなリスクが悪地形。これまた高所に多い。標高が上がれば気温がただでさえ下がるうえに風を防ぐ場所がなく,猛烈な冷たい強風に晒されるためにどんどん体力を消耗していく事を表現しているものと思われます。この地形による順応度低下と悪天候による順応度低下が重なると本当にあっという間に命が持って行かれます。これは誇張じゃありません。ちょっと1日油断したゆえに命を失った登山家が何人いたことか…

悪地形による順応度低下もテントで低下度合いを1減らせますが,テントはあくまで「悪地形と悪天候の順応度低下合計値を1少なくしてくれる」効果です。つまり-2順応度のマスにテントを張って-2天候を迎えた場合,本来なら順応度が合計4減るところ,テントのおかげで3減少に留まるという事です。勿論1でも命に関わる事なので助かりますが,過信もできません。天候読みは非常に重要です。

青丸の中に数字のマスは順応度が上がるマス。赤丸の中に数字のマスは順応度が下がるマス。黄丸の中に数字のマスは1マスの移動に1以上の移動力がかかるマスです。高所はそこに留まるだけで順応度がガンガン減っていきます…


<総評+ソロについて>

以上,K2は山の恐ろしさと天候(特に冬天候)の恐ろしさを教えてくれつつも,何とか少しでも高く登りたい!という人の本能を突き,他プレイヤーとの駆け引きとレース要素まで盛り込んだ素晴しいゲームとなっています!(冬天候って,最初の出だしの「秋ですね!」のくだりはどうしたの?というツッコミは却下です 笑)

また,本作はソロもサポートしており,タイプはスコアアタック。毎ラウンド必ずリスクトークンを受け取るというソロルールを適用して登山を行い,最後の勝利点に応じて「アルピニスト」「ハイカー」等の評価が与えられるものです。

ソロで登山しても命の危険を感じながらどこまでギリギリを攻めて高い場所まで登れるか,というスリルあるゲームを楽しめます。が,多人数プレイも経験している自分としては,このゲームの醍醐味は「頂上へのルートの先取りとルート塞ぎによる下山ガードのせめぎ合い・他プレイヤーとの駆け引き」にあると考えています。

お互い駆け引きしながらタイミングを見計らい,自分だけ出し抜いて頂上を取ってやろう!なんて全員が企んでいる。だからこそ,思わぬリスクトークンの受け取りによって登山家が危機に晒されて叫んだり,心理的な駆け引きや天候の読み合いをして出し抜いた・出し抜かれたで歯噛みしたり,高所にいるプレイヤー全員が悪天候に閉じ込められて泣き言を漏らしたりするのが楽しいと思うんです 笑

従ってあくまで個人評価ですが,このゲームの醍醐味を十分味わうには私は多人数プレイ推しであり,ソロの評価は比較論としてやや低いものとなりました。【ソロ「のみ」なら個人的には推奨はしないが,多人数プレイもチャンスがありソロもやりたいなら入手に問題無し!】というポジションです。

決してソロをけなしてる訳ではありません!でも、出来れば3人以上で遊びたいゲームです。皆様もリスクトークンの押し付け合いやルート取り合いの悲喜こもごも,厳しい環境とそれを乗り越えて登頂成功した時の満足感を是非味わってもらえればと思います^ ^

とは言え,登山家が生き残らないと意味がない。無謀なアタックなのか、成算があるのか、キッチリ冷静に見極める事は大事です


<余談>

高所登山での交通渋滞ですが,これはリアルにある事のようで,ネットで「エベレスト 渋滞」で検索すると多くの記事が見つかります。事実に立脚したシステムである事を知るとゲーム世界の深みが増しますね。

次に高地順化(高度順化,高所順化,高地順応等,さまざまな類似表現あり)ですが,これも事実に即していて高所登山においては重要な要素。そもそも標高8,000m以上の場所は酸素濃度等の関係からデス・ゾーン,つまり人間が生命活動を維持できない場所と言われており,酸素呼吸器等が必要となる環境らしいのですが,6,000m,7,000mでも高所肺水腫等の障害を起こす危険性があるため,高所登山家は出発前に低酸素訓練を積んだり,現地5,000m付近でまずは軽い登山・下山を繰り返すなどして高所に身体を慣らしていくそうです。スタート地点のベースキャンプ付近には順応度を上げるマスがしばらく続きますが,ここが高地順化のための場所という事ですね。なかなかリアルです!

最後にK2について。K2はエベレストに次ぐ世界第2位の標高の山ですが,山の名前は「カラコルム山脈にある2番目の山」という意味で記号として付けられた「K2」がそのまま通称となったものです。別名は「非情の山」で,世界屈指の登山難度を誇っています。その理由としてはいくつかあるようですが,標高7,000m以上の場所では風が時速50~60km/h,最低気温が-50度以下となることも珍しくないという極めて厳しい気象条件と急峻な地形が主な原因のようです。天候リスクと地形リスクで登山家が危険に晒される点はまさにゲームで再現されていると思います(ちなみに,急峻な地形は雪崩や落石を生みやすく,登山家を非常に危険に陥れるようです。これもオプションルールで採用されています)。

本作を普通に「カードを使う,ちょっと危険なスゴロク」的に遊ぶのもそれはそれでアリです。ただ,ネットで少し調べてみると「K2って本当に凄い所なんだな…」とピンと来るのではないかと思います。そうした下知識を持ってから遊ぶと,またひと味違った感慨が湧いてくる。K2はそんなゲームでした^^

(パブリックドメインQ フリー素材より)

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。皆様の良きボドゲライフに貢献できれば何よりです♪

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