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  • 3人~4人
  • 10分~20分
  • 12歳~
  • 2024年~

リヴォルヴ18toyaさんのレビュー

657名
7名
0
約1ヶ月前

【速報レビュー】名作SCOUT!に一見似ていながら全く異なるプレイ感!作者の手腕に脱帽

【評価8.5/10】

ゴーアウト

2024秋ゲムマ新作。ワンモアゲームズ作品。

これは凄い作品だと数プレイで感じたため、十分なプレイ回数はできていないながら速報レビューをさせていただきたい。

本作は名作SCOUT!に似たカードを使いながら、プレイ感は相当異なる。が、筆者は既に傑作の風格を感じた。


SCOUT!は「配られたカードを上下好きな方向で固定し、カードの並べ替えは禁止。間に入ったカードを処理し、時には他のプレイヤーが出したカードをスカウトして連番や同じ数字の複数枚を作って勝ち抜けを目指す」というゲームだった。手札の上下を逆にしたい!とか、連番の間に挟まった数字が邪魔!などと悶絶しながら何とか4枚、5枚と大きな数字の塊を作りたいという欲望が生まれるゲーム性だった。


本作「Revolve!」では最初に受け取る時、手札の上下反転はできずそのままの向きで使う。しかし手札の並べ替えは可能だ。一見SCOUT!に似たカードながら、のっけから「え、違う!」と感じる。勝利条件は「手札を全て出し切ること」。本作では手札を出した後、再度戻されることがある(後述)のだが、一瞬でも手札を0枚に出来れば「上がり」ということになる。上がれる人数は2人までで、1位は2点、2位は1点を得る。

本作では、各自が自分の「カード出し場」を持っており、そこにカードを出していく。連番(階段)でのカードプレイは無しで、同じ数字の場合だけ「複数枚の同時出し」ができる。場に残っている誰かのプレイカードと同じ枚数でカードを出したいなら、より大きい数字でカードをプレイしなければならない。しかし違う枚数のカードを出すのなら、好きな数字で出せる。

時計回りで各プレイヤーが自分のカード出し場にカードをプレイしていき、再度自分の手番まで回ってくる間に自分のカードが吹き飛ばされなければ無事カードを減らせる。しかし、もし他プレイヤーが自分と同じ枚数の、更に強いカードを出した場合、自分は自分の場に出したカードを「上下を引っくり返して」引き取らなければならない。ここが本作のミソだ。

例えば、自分が手札を持った時、上が1、下が9のカードを持っていたとしよう。SCOUT!よろしく、「1」と言ってカードを1枚出したとする。他プレイヤーが仮に2以上のカードを出した場合、自分は1/9をを手札に戻さなければならない。ただし、上下を反転して「9/1」で、つまり9を上にして引き取る。


これは2つの事を意味する。

1つは、上の数字が弱く下の数字が強いカードをわざとちらつかせて「ほら、返して良いんだよ?」とこれ見よがしに出す戦法が成立するということだ。1/9は下手に返してしまうと「上下を反転する」ルールにより9/1に化けてしまう。かえって相手を有利にする可能性があるのだ。これはなかなかいやらしい戦法だ。(ただしリスクも存在する)

もう一つは逆襲にあった時に壊滅する可能性だ。自信満々で2の3枚出しをしたとする。しかし上が2で揃っているカードは「2/3」「2/5」「2/6」など、下の数字がバラバラな構成なのだ。これを「3の3枚」などで返されてしまうと、上下を逆さまにして手札に引き取らなければならなくなる。つまり「3・5・6」というバラバラの数字で引き取るのだ。

これで戦線が崩壊する可能性もあるが、駆け引きも存在する。確かに3・5・6で引き取ると痛い場合もあるが、5や6をペアやトリプルにしたいため、わざと誘っているのかもしれない。相手が返されたがって出したのか、それとも返されてしまうと本当に手痛いのか。熱い心理戦が始まる。


本作のマニュアルに、参考作品としてクラマー&キースリングの名作ゴーアウト「アブルクセン」が上がっているのを見て筆者は納得した。確かにこれはアブルクセンの「スナッチ(吹き飛ばし)」にヒントを得たものだ。


アブルクセンのスナッチ(吹き飛ばし)では、相手のカードを自分の手中に入れるか、または相手の手札に返すことができる。類似点は確かに感じられる。ただし、アブルクセンのカードは上下で数字が異なるカードではなかった。ここが本作とは大きく異なる。

本作ではSCOUT!のように上下の数字が異なるカードを用いて「上下をひっくり返すアクション」が間に挟まっている。アブルクセンと僅かな差のように思えるが、プレイ感は全く異なるものに変貌を遂げており、本作だからこそ生み出される独特の駆け引きを感じた。これはSCOUT!作者の梶野さんだからこそ思い付いたシステムだろう。


パスというものが存在しないRevolve!の世界では、自分のアクションは「他の人と違う枚数で出す/または、他の人と同じ枚数の、より大きな数字を出す(大きな数字で吹き飛ばされたカードは、それを出したプレイヤーが上下逆さまにして引き取る)」「他の人が出したカードと同じ数字のカードを1枚だけ付け札する」「自分の手札を上下反転させる」「誰かの場札を上下逆さまにして自分が引き取る」という4種のアクションに限られる。

吹き飛ばされて手元に戻させられたり、人のカードを上下逆さまにして引き取る行為は一見「手札を減らすことが勝利に向かう」ゴーアウトのシステムにおいて悪手のように見える。しかし、吹き飛ばされることを最初から想定して案の定戻され、上下逆さまにして手札に入れたり、他者のカードを上下逆さまにして手に入れる事で、手札を整えて同じ数字の枚数を揃えたり、大きい数字にして『整える』という準備作業が本作では重要になってくる。

準備という意味では上記で「1/9」を出したときにリスクもあると言ったが、これは「他プレイヤーが9/1として引き取り、着々と準備を整えるかもしれない」というリスクのことを指す。本作では誰もが他者を出し抜こうと着々と準備を進めている。安易な一手が敗北を導く可能性は常に付きまとい、一手違いで天国と地獄が分たれる可能性があるのだ。


アブルクセンは「オーストリアゲーム賞2014」の大賞を受賞するなど、国際的な評価を得たゲームだ。本作はこの傑作小箱のシステムを「SCOUT!」の「上下の数字が異なるカード」と融合させ、化学変化を起こし、全く別の駆け引きがあるシステムへと変貌させた。作者の梶野さんと本作を素直に賞賛したい。


筆者の私見ではあるが、本作はSCOUT!同様、日本に限らず欧州でもヒットする可能性があるのではないだろうか。できれば一刻も早く商業化を望みたいゲームだ。


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