チャレンジャーズ！touring123さんのレビュー

カードの効果をうんぬんするゲームにいちいちハマる小２の息子。面白がるのは間違いなかろうとは思っていましたが、予想を遥かに上回る食いつきを見せたのが、この「チャレンジャーズ！」です。

「世界最大のフラッグバトル大会」に参戦して、自分だけのヒーローチームを結成し（＝デッキフェイズ）、１対１でのフラッグバトルを７戦行い（＝マッチフェイズ）、獲得したファンの数(=勝利点)を競います。３人以上のプレイなら、上位２人で決勝戦を行います。我が家では、デッキ構築＋レースゲームの傑作「エルドラドを探して」に続き、２作目のデッキ構築ゲームでありました。なお、本作はよく「トレーディングカードの大会の雰囲気を感じられる」と聞きますが、我が家は未経験です。

「眠いから」と腰の重い妻をなんとか口説いて、３人プレイ。ルールも至極かんたんなので、あっという間に大会が始められます。３人の場合は１体ロボが加わり、４人対戦のていになります。２試合が同時進行になるので、他会場でも歓声という名のひとりごとが流れてきます。ロボも案外強くて、気が抜けません。

デッキフェイズでは、全員が等しく持つ初期デッキをじょじょに強化していきます。規定のレベルの山札から５枚とり、うち２枚を選んでデッキに加えます。これがゲームの肝で、限られた選択肢の中で、既存のカードのとのシナジーも考慮しつつ、いかに有用と思われるカードを選んでいくか。シンプルに攻撃力（体力でもある）の高いカードにするのか、ベンチから仲間を支援するカードにするのか、特殊能力（相手のデッキのカードを強制的に除外するとか）を選ぶのか・・。

「こいつなぁ、微妙なんよねぇ」

「うわ、やばいのきたぁ」

「あれ、けっこうええんちゃうんこれ（小声）」

など、各所でつぶやかれるひとりごと。「どれも良すぎて選ばれへん、困るわぁ」とうそぶく息子を相手に、こちらは【タレント】や【ピエロ】からしか選べないなんて・・。一度しかできない全とっかえして、さらにつまらんのが５枚来たときは、のどから変な音がでます。

いざマッチフェイズが始まると、基本はオート戦闘。シャッフルして伏せたデッキから、１枚ずつめくっていきます。このとき相手の数字を上回ればフラッグ獲得で、上回らなければ相手を超えるまでめくりつづけます。こちらがフラッグを獲得すると、相手に攻撃権が移ります。このとき一部のカードの効果を除いて、カードの順番は操作できません。できないのにこれが盛り上がるったら。

「ぐああ、一枚目から【執事】かよ（※一枚目じゃ効果の意味ない）」

「うわ、こっちも【執事】 や！（同上）」

「次は【チャンピオン】、なんかもったいない！」

「【新入り】除外するの忘れてたぁ」

「ええ、【ゴムのアヒルちゃん】 持ってんの？！つえぇ」

試合中は、一喜一憂、阿鼻叫喚、会場内に響きわたる歓声。運要素で満たされたマッチフェイズでは、「強いデッキなので全勝」なんてことは起こりにくく、最後の一枚で逆転なんてこともざらにあります。

ラウンドがすすむにつれ、最初に戦った相手との再戦もあります。前回は完敗したはずの妻が、すっかり生まれ変わって目の前に立ちはだかる。初手で【手品師】を繰り出し大ダメージを与えてきたあげく、ラスト1枚が【ヴィラン】 なんてずるいぞ！ちゃんと強化してきて、あなた眠かったんちゃうの。

多人数プレイであればさらに盛り上がることは必至で、最大８人、同時に４戦が各地のパークで繰り広げられます。毎回対戦相手がかわり、あちこちで大騒ぎになりながら進行していくことでしょう。

今思えば、初回プレイ後の息子の「めちゃくちゃ面白い！もう一回やろっ！」の声の、そらもう大きかったこと。ゲームデザイナーさんやメーカーの方々にも聞かせてあげたい雄叫びでした。 「このゲーム、星いくつ？」といちおうレーティングを確認すると、「星２００」との仰せ。桁外れのインフレ。ごめん１０までなのよ。「チャレンジャーズ！」、少人数でも多人数でも、たっぷりギャーギャーできるとてもおすすめのゲームです。