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  • 1人~4人
  • 60分~90分
  • 14歳~
  • 2019年~

ユーコン・エアウェイズ18toyaさんのレビュー

395名
14名
0
2年以上前

オーロラ輝く美しきユーコンの地を飛び回ろう!

【評価8/10(ソロ7.5)】中量級・1~4人

ピック&デリバリー×プレイヤーボード改良

皆さん秋ですね!秋と言えば紅葉,美しい景色。

美しい景色と言えば,そう遊覧飛行!秋は遊覧飛行の時期ですよね! 笑

という訳で本日はカナダの美しき地を水上飛行機で飛び回る素敵なゲームを紹介したいと思います。


<概要>

このゲームはカナダ北西部に位置するユーコン準州を舞台としたゲームです。

プレイヤーは飛行機会社・ユーコン・エアウェイズのパイロットとなり,お医者さんや観光客,採掘者や騎馬警察,冒険者(!)達をユーコンやその周辺各地に送り届け,その代金を受け取ります。ユーコン準州の中心地であるホワイトホースからお客さんを遠くまで運べば運ぶほど運賃を多く受け取る事ができますが,燃料はたくさん必要になります。火曜日から日曜日までの1週間の中で,誰が最もお金を稼げるでしょうか!というのがこのゲームの主題です。


<手札、ダイス、キューブ,燃料。そしてプレイヤーボードのマネジメント>

このゲームの基本的な仕組みは「お客さんであるダイスを飛行機に乗せ,ボードの各地に送り届けて運賃をもらう」という,いわゆる「ピック&デリバリー」ゲームです。

ただし,ただ拾って送り届けるだけなら話は単純ですが,このゲームでは頭を悩ませるポイントがいくつかあり,そこがゲームのアクセントかつ醍醐味になっています。


(1) 行き先,ダイス,ゲートの選択

(2) 燃料マネジメントと★ボーナス

(3) プレイヤーボードの改良に関する選択


まず(1)の行き先+ダイス+ゲートの選択ですが,基本的には最初にダイスを振り,出た目に応じてお客さん(という設定のダイス達)は1番~6番ゲートに配置されます。

ダイスは出た目によって配置されるゲートが決まる


できれば全部のお客さんを運んであげたいところですが,飛行機はプレイヤーごとに1機のみで,4人で満員になる小型セスナのため,乗せられるお客さんの数には限りがあります。


また,どんなお客さんでも乗せれば良いのかというとそうとも言えません。メインボードの地図上には開始時にさまざまな色のキューブがランダムな場所に配置されています。このキューブと一致する色のお客さんをその場所に送り届ける事ができれば,ご褒美として自機を改良することができる。改良すれば改良するほど有利になるため,基本的には色がうまい事かみ合うダイスを乗せてフライトしたい。

各地にランダムに配置されるカラフルなキューブたち。このキューブと同じ色のダイスをお届けすれば自機改良のチャンス!


しかし,一度に飛行機に乗せられるダイスは初期状態だと1色のみ。行き先として手札1枚を使用する事で,そのカードに書いてある場所にダイス1個を送り届けられる仕組みです。いろんな色のダイスを一度に!とはなりません。

「その場所を指定するカードは持ってないけどどうしても行きたい!」という場合もあるかもしれません。そういう時は3枚の手札を捨てる事で任意の場所を行き先にする事も出来ますが,これは残り手札が結構厳しくなるので使いどころが悩ましい。


また,1~6のゲートにはそれぞれ効果が設定されており,手札を追加で引けたり,臨時で給油できたり,2色のお客さんを乗せられたり,即機体を改良できるなど,どれも魅力的です。こうしたゲートの各効果により,どのゲートから何色のお客さんを乗せるかがまた悩ましくなります。

各搭乗ゲートの固有効果はどれを使うか悩ましい。しかも小さい番号のゲートから順に処理していくため,乗せたい色のダイスを他のプレイヤーに先に取られないよう小さい数字のゲートに行くか,ゲート効果優先で大きな数字のゲートを選ぶかも悩みどころ


更に,(2)の燃料マネジメントと★ボーナスも選択を悩ましくしてくれます。確かに遠いところまでお客さんを送り届ければ運賃(勝利点)をたくさんもらえるのですが,遠くに行くには燃料を食います。ここがうまく出来ているのですが,飛行機には4つの座席があり,全座席にお客さんを乗せる事は理論上できるのですが,出発前の燃料補給量は「空席数+補給メーター数」。つまりたくさんの人を乗せれば乗せるほど燃料補給が少なくなり,遠くまで行く事が難しくなる。

本当は,遠くに行くという事は色々な町の上空を通り過ぎるため,途中の町に行きたい人達も一緒に乗せられれば合理的なのですが,そうは問屋が卸さない。

お客さんと燃料補給の一例。機体を改良すれば2色のダイスを乗せられるようになりますが,このようにダイスを3個乗せてしまうと空席による給油は1目盛しか受けられません


また,手札マネジメントも悩みどころで,行き先として使う手札には3種類のマークが記されています(機体改良,お金,燃料)。行き先カードを出す時に「付け札」をしてマークを3枚揃えると「★ボーナス」をもらう事ができます。このボーナスで即機体を改良できたり,3ドルを得ることが出来たり,燃料を2目盛給油できたりする。特に燃料ボーナスは最初からアテにしてフライトする事も結構あるくらいで,このゲームでは不可欠と言っても過言ではありません。しかし,手札は次回以降のフライトの際の目的地ともなる事から,ボーナスとして使ってしまって良いのか,取っておいた方が良いのかと悩みます。

付け札にしてボーナスも欲しいが目的地としても使いたいのが悩ましい


特に,6日間でダイスを送り届けた場所が多ければ多いほど最後の勝利点も高くなるので,行った事が無い町のカードは安易に付け札には出来ません。が,早く改良したいとか燃料が足りない等の理由から★ボーナスとして使いたいタイミングもあり悩ましい。

送り届けた町の数が増えるほど加速度的に勝利点が伸びます


以上から,お客さんを乗せる時は

・飛行機に何人までダイスを乗せ,何目盛給油するか

・何のゲート効果を狙ってどのゲートからどのダイスをピックアップするのか

・どの手札を目的地として使い,どういう経路で飛ぶのか。燃料は足りるのか

・カードは★ボーナスのために付け札として使うのか,目的地にするために温存するのか

等を総合的に考え,手札と飛行機と燃料メーターとゲートをあっちチラチラこっちチラチラと見ながら「このゲートからこの色のお客さんを乗せて…ああ,いやいや違うやっぱこっち…ああでも…いやいや…」とグルグルと悩みます。これが本作の楽しいところ 笑


また上記したとおり,目的地のキューブと送り届けたお客さんの色が一致していたり,付け札等による★ボーナスで改良を出せた時は(3)機体改良のチャンスですが,ここも何と改良ポイントは5つのメーターと7つのスイッチがありどれも捨てがたい能力があるため,どういう順番で改良していくかがまた悩まし楽しい!

2枚で★ボーナスが貰えるようになる効果も強いし,2色のダイスをピックアップできる効果,1枚の手札に2個ダイスを乗せられる効果,出発時の燃料補給を増やす効果,手札上限枚数を増やす効果,ドロー枚数を増やす効果,手札を燃料代わりに使える効果など改良したい効果は満載!目移りする中でどれから手を付けていくかは毎回楽しい悩みです。


<良い意味で比較的ライトなゲーム感覚>

このように,本作では悩ましいポイントがいくつもありますが,プレイ感は爽やかで良い意味で軽く遊べます。その理由としては「プレイヤーへのペナルティやマイナス効果が無い」「プレイヤー相互の攻撃要素が無い」という点にあります。

基本的に,このゲームではお客さんを一人も送り届けられないという事は発生しないように作られています(仮に適切な目的地となる手札が引けなくても,最悪3枚の手札を捨て札にすれば行き先を任意に設定できます)し,改良も順番を悩みこそすれ,全て良い事しか起こらないので「良い事の中での悩み」であり,いわば贅沢な悩みです 笑

また,ゲート選びとダイス選びの苦しさを緩和するルールとして「1金を払って乗客ダイス1個を隣のゲートに移動させる事が出来る。この効果に回数制限は無くお金がある限りダイス何個でも何ゲートでも移動させられる」というものがあります。

このゲートの効果が欲しいけどゲートにあるダイスはイマイチなんだよなあ…という時も,お金さえ払えば好きなダイスを狙いのゲートに移動させて飛行機に乗せる事が出来る。これは「ストレスなくゲームを楽しんで欲しい」という作者の意図が感じられる部分です。

もちろん,より効率的なフライト,より高得点を目指す動きというものを目指す事は出来ますし,1点をめぐる熾烈な争いもしようと思えば出来ます。しかし一方で「このダイスの色が好きだからこの人達を優先に乗せてあげるんだー♪」というノリでお子さんと遊ぶ事もできる。テーマも相まってファミリーでも安心して遊べるゲームとして,あるいは秋の夜長を優雅な気持ちで穏やかにソロフライトゲームとして楽しむのも良いのでは無いかと思います^^


<美しいコンポーネント>

また,ゲームの箱やコンポーネントも淡く美しい色合いで気持ちを落ち着かせてくれます。飛行機の駒は精巧な作りですし,メーターやスイッチがたくさんのプレイヤーボードは賑やか。更にゲームを進めるごとに送り届けたお客さんをプレイヤーボード上にどんどん移していくため一層プレイヤーボードが賑やかになっていきます。ゲームが進むごとに気持ちが盛り上がっていく良い作りだと思います^^

外箱からして素敵な色使い
終盤はプレイヤーボードに沢山のキューブが乗り賑やかです♪


<ソロプレイについて>

ソロプレイも公式ルールが備えられており対応しています。ある程度の高評価までは取れても最高評価を得るのは運も味方しなければ難しいかもしれません。全般的にはもう少し難易度が高くても良かったかな?とも思いますが,本作のテイストを考えれば「穏やかに夜長をまったり楽しむゲーム」という位置付けが合っているのかもしれません。

私はヌースフィヨルドのような,ソロ用のギミックを別途用意してくれているゲームも遊んだ経験があるため,本作のソロゲとしての評価は少し辛めになりましたが,まったり派の人にはこのゲームのソロでも十分楽しめるでしょうし,困難がある方が楽しい人もほんの少し工夫してハウスルールを付け足せばより手応えあるものに出来そうに感じます^ ^


<まとめ>

以上,ユーコン・エアウェイズは中量級としては比較的ライトで穏やかなゲームであり,パステル調の易しい色合いのボードが女性の方やお子さんにも受け入れやすく,家族やカップルでも安心して遊べる,中量級入門にふさわしい良いゲームだと思います。


余談ですがWikipedia先生によれば,ユーコン準州は日本の1.3倍ほどの面積があるものの人口は3万5千人弱であり,手付かずの大自然が数多く残された地域だそうです。準州の最北地では夏には太陽が沈まない白夜が50日も続く一方,冬には太陽が昇らない日が30日もあるとの事で,準州の中心地・ホワイトホースでさえ真冬は日照時間が6~7時間ほどしか無いのですが,日没後の時間が長い事はむしろオーロラ観賞に絶好の条件らしく,世界でも屈指のオーロラ名所との事でした。

本作を遊ぶ時には,そんな自然溢れるユーコンの大地を想像しつつ,遊びながら世界観に浸るのも良いかもしれません。

ユーコン・エアウェイズは,そんな事を考えさせてくれるゲームでした^ ^


長文を最後までお読みいただきありがとうございます。皆様の良きボドゲライフに貢献できれば幸いです♪

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