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  • 1人~4人
  • 60分~90分
  • 12歳~
  • 2022年~

西フランク王国の子爵:鍵の番人winterkoninkskeさんのレビュー

145名
4名
0
1年以上前

本記事は、西フランク王国の子爵の基本セットにある程度慣れている人向けの記事となります。

鍵の番人拡張は、基本ルールに差し替えなしでルールを純増させるモリモリ系拡張となっています。

本拡張では、主に三つの要素が追加されます。

①宝箱

宝箱タイルを獲得する効果を持つ町民カードや写本が追加されます。

獲得されたタイルは、個人ボードの町民カードを配置する三箇所の下部、いずれか一箇所に設置します。

効果は単純で、「このマスにこのアイコンを持ってる町民が流れてくると良いことがありますよ」というもの。

例えば石材アイコンを持っている町民が宝箱上にいると、即座にリソースを貰えたり、追加の別のアイコンを持っているものとして扱えるようになったり。

効果自体は地味に見えますが、漠然とアイコンを揃えたり、排出時ボーナスを待つだけだった町民の扱いに位置の概念が加わり、考える事が増えて面白いです。

また宝箱タイルは1/2/3箇所設置すると、ゲーム終了時に2/5/9勝利点が入ります。

②公共建物カード

既に配置されている自分の建物コマと入れ替えて、誰でも建設できる能力付き建物を建設できるようになりました。

既存の建物コマが個人ボードに戻ってしまいますが、それを差し引いても問題ないくらいの勝利点と強力な常時発動能力が手に入ります。

公共建物は三つしか無いので、早めに獲得しましょう。

③英雄町民カード

今までゲーム開始時に一枚を選ぶだけだった英雄町民カードを、ゲーム中も獲得できるようになりました。

強力な能力であることは周知の通りですが、本拡張では新たに「一回だけしか使えないけどやたら強い」キャラクターが追加されたので、この使い捨てキャラがデッキ構築に新たな選択肢と深みを与えてくれます。

主な拡張要素は以上です。


さて、ただでさえルール量の多い基本に、更にルールを足すのはどうなの?という疑問はあるかと思います。

「子爵」の良いところは、各リソースの使途を完全に一つに絞っている点です。

「墨壺なら写本」「石材なら建設」というように、他のアクションでリソースを要求されることが無いのです。

この根幹の単純明快な4アクションがブレていないので、拡張は「リソースの獲得方法のみ」が増えている事になります。

プレイヤーは自分のとりたいアクションのために、どこからリソースをかき集めるのか?を幅広い選択肢から選んで、或いは組み合わせて考えればよい点は変わらないのです。リソースさえ集まれば使い道は一つなので、遊んでみると意外と混乱せずに計画できる。(とはいえ、収入源が多くなるので処理忘れがどうしても発生してしまうのは残念ですが…)

こうした収入源を組み立てていくゲーム性。この点をよりバリエーション豊かにして、複雑さを楽しむ。こんな風な拡張かと思います。

上手く計算してより効率の良い仕組みを築けるわけですから、「子爵」本来のゲーム性にハマった人なら、遊びどころ爆上がりでのめり込める良拡張に仕上がっていると言えます。

まぁ正直、城に人送り込むやつが面白いし強いし無難だよね〜みたいな部分のあった基本に対して、建築も面白いからやってみなよ!的な合図を出してるように思えます。もう一つの拡張「黄金の門」では写本アクションが強くなるので、どっちも入れると全部のアクション強いからめっちゃ迷うだろ〜?みたいな作品になるのかなと。

コンポーネントは新たに宝箱タイルが追加されたほか、公共建物カードとコマ、写本や町民など新ルールに則した新たなものがちょいちょい増えてて、準備してみるとすごくボリュームアップしたように見えます。

何より今までペラペラ紙でやっていた個人ボードが厚紙ボードになったのが大きいですね。やはりテンション上がります。

「厚い…!白黒コマがスポッとハマる…!」


選択肢が増えるぶんプレイ時間も増えて、長考しがちな人にはなかなかキツいかも知れませんが、「もう前のバージョンには戻れないよお!」みたいなタイプの拡張だと思います。

そこの欲張りなアナタ、是非とも大好きな「子爵」をアップデートしてみて下さい。

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山彦
garouandy
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たまご
winterkoninkske
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