- 2人~5人
- 60分~120分
- 10歳~
- 2016年~
チケットトゥライド:レイル&セイルdrillさんのレビュー
【まえがき】
2004年にDays of Wonder社から発売され、それ以降毎年拡張が発売され続けている人気シリーズのゲームです。デザイナーはアラン・ムーン、チケット・トゥ・ライドは代表作とも言えます。
その中で2016年に発売された拡張ではない単独で遊べるゲームが、本作「チケット・トゥ・ライド レイル&セイル」です。タイトル通り、今までの主役だった列車以外に船舶が加わりました。
このゲームでは陸路以外に海路も加わり、陸路は列車、海路は船舶で拠点間を結ぶようになります。そのため、カードも列車カードと船舶カードの2種類に増え、今までのゲームとは異なる戦略が必要となります。
【ルールの簡単な説明】
まずゲームボードを広げます。表は世界地図になっており、裏はアメリカの五大湖周辺の地図になっています。
列車カードと船舶カード。行先カードは分けて山札にし、列車カードと船舶カードは6枚を表にして公開します。各プレイヤーは選んだ色の列車コマと船舶コマ、港コマを受け取ります。行先カードの山札から、各プレイヤーは3枚を初期行先として受け取ります。
スタートプレイヤーから時計回りの順番で手番を行います。
出番では
- 列車カードと船舶カードを組み合わせて2枚取る、またはそれぞれの山札から2枚取る。ワイルドカードを取る場合はそのカードしか取れない
- 結びたい経路を選び、その経路に示されている種類のカード、色に合っているカードを手札から示されている枚数分公開する。灰色の経路はどの色のカードでもよい。
- 港のマークが書かれている同じ色の列車カード2枚と船舶カード2枚を公開して、港を建てる。
のいずれかのアクションを行います。
これを繰り返して、手持ちのコマ(列車、船舶合わせて)が6個以下になったら、そこから2巡してゲームを終了します。
手持ちの行先カードを公開して達成したカードは点数を加算、達成できなかったカードは点数を減算し、最も点数が高いプレイヤーが勝利者となります。
【感想】
恥ずかしながら、チケット・トゥ・ライドシリーズはこれが初めてのプレイです。
以前からゲーム内容は知っていたのですが(デジタルゲーム、スマホゲームで出ていましたので)、実際に遊んでみるとなかなか難しく感じました。
経路を引くためには、必要なカードを指定枚数集めなければなりません。しかも種類(列車か船舶)と色も合わせなくてはなりません。1経路だけを考えていると当然無駄なカードが大量に出てきますので、最初から複数の経路を結ぶことを想定して、カードを集めなければなりません。最終的には行先カードを達成できないと点数がマイナスされるため、最初は手持ちの行先カードすべてを達成できるように経路を結んでいかなければなりません。
またプレイ人数による違いはあるのですが、1経路間を結べる路線数が限定されているため(今回は3人プレイで経路間の路線数は1路線でした)、経路の連結は早い者勝ちとなります。そのため、どの経路を優先してどの経路を後回しにするのかを考えなくてはなりません。他のプレイヤーの動向から、経路が被りそうなところを優先するべきでしょう。他のプレイヤーのアクションによっては、非常に大回りな経路を結ばざるを得なくなります。当然、それだけ無駄な路線を作ることになるため、他のプレイヤーより遅れることになります。
今作は列車と船舶に分かれているため、通常のチケット・トゥ・ライドより難しいと思います。列車は船舶の代わりにはならず、その逆も同様のため、結ぶ経路をよく確認してカードを集めなければなりません。さらに経路に配置するコマも列車と船舶が分かれているため、片方のコマ数だけが枯渇するということもあり得ます。一応アクションにより、列車コマを船舶コマに、船舶コマを列車コマに交換することができるのですが、点数がマイナスされてしまいます。従って、経路は陸路だけではなく海路も含めて満遍なく結ばなくてはなりません。
さらに今作では「港」という要素が追加されており、この港もすべて建てないとマイナス点となります。港は行先カードの出発点または到着点になっていればボーナス点となり、この点数も無視することはできません。
全体的に従来のチケット・トゥ・ライドより難易度は高いですが、熟練した人にはこの難易度の方がいいのではないでしょうか?
不満点は、やはりカードの引き運がかなり高いという点です(今作に限らず、チケット・トゥ・ライドシリーズ全般に言えることだと思います)。列車カード、船舶カード、そして行先カードともに引きが良くないとなかなか必要とするカードが集まらず、それだけ経路の連結が遅れることになります。もちろん、それを見越してもっと戦略的にカードを集めたり、経路に優先順位をつけるべきだと思いますが、数度のプレイでは難しいと思います。今作は難易度が上がっているため、初心者は通常のチケット・トゥ・ライドに慣れてから、今作に手を出すべきでしょう。
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