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  • 1人~4人
  • 90分~120分
  • 12歳~
  • 2018年~
405名
4名
0
4年弱前

なぜテオティワカン遺跡は神々の都と呼ばれるのか。

その真相を探るため、我々探検隊はアマゾンの奥地へと向かったのだが、向かう途中で「何もわからない」ということがわかった。ひとまず事前調査で得た知識は「テオティワカン」という名前自体がアステカ人の言葉で神々の都という意味であり、アステカ人たちはそもそも1000年くらい後の時代の人々なので、テオティワカンに住んでいたことはないということだけだった。

どうやら文字が残っていないらしい。

でかいピラミッドあるし、ここに人がいた頃は宗教的な祭りが盛んに執り行われていたんだろう、と勝手に想像された遺跡がテオティワカン。都市の本当の名前もわからないし都市なのかどうかも実は不明だそうだ。

以上のことからモチベーションがだだ下がりしてしまった我々は探検隊を事実上解散させた。それから卓を囲み、後世の人々の勝手な想像に乗っかって勝手に出来上がったゲームを遊び、存分に楽しむのであった。


何しろ私たちは不敬きわまりないので、信仰心をパラメーターで表すし、パラメーターを上げるとカカオや黄金がもらえてしまう。

「カカオ足りないからこのワーカーさっさと殺しちゃわないと」

とかも言ったりする。

じっさいにテオティワカン周辺にいた人たちは、(王政だったのか共和制だったのかもよくわかっていないらしいのだけど)もっとちゃんとした人たちだったと思うし、そこでの宗教観とか信仰とかがどんなものだったのか、具体的に知ることができたらと思うのだ。

しかしそれはどうやら叶わないし、なのでテオティワカンを遊ぶ私たちの脇に現れて「ほんまは全然こんなんとちゃうねんで」と言ってくれる古代メソアメリカ人はいない。

とはいえ、こうは言ってくれるかもしれない。

「このロンデルおもろいね」


ロンデルシステムを定義してください、と言われるといささか心許ない。

「インペリアルとかナヴェガドールで使われてるアレ」だ。

3歩まで動けてその中からアクションを選ぶアレ。

アクション選択のマスは環状になっていて、だいたいはいやらしい並びになっている。

例えばアクションAでリソースを集め、アクションBで勝利点に変換できるといったゲームでは、A→Bの間に一手番余計にかかるとか、何ならAの手前にBが配置してあったりする。

元の場所で同じアクションを連続して実行したくても、それがなかなかできない。そういう設計がされている。

だから悩ましいし、まっすぐ勝利点に結びつかない。


テオティワカンというゲームにおいて注目すべき点は、この「ロンデルのセオリー」から外れたロンデルを作ったところにある。

自分のコマが3つ(または4つ)に分割されていて、準備すれば同じアクションを連続で実行できる。しかも自コマを重ねれば重ねるほど効果は強くなる。

さらに、自コマは成長する。成長すると一度のアクションが強くなる。

こう書くと強くなる×強くなるでいいことづくめではないかという話だが、ラウンドまたぎの食料供給コストがかさむし、アクションを実行するとすぐ死ぬ。すぐ死ぬので強い状態をなかなか維持し続けられない。

また、実行したいアクションマスに他のコマ(自コマ含む)が置いてあるとコストがかかるという点も、ロンデルシステムという面では画期的だ。

つまりこのテオティワカンは「ロンデルにもまだまだ可能性があったんだね。いやそれどころか、ひょっとしたら使い古されたように見えるあのシステムやこのシステムにもまだまだ新しい発展の余地がありそうだぞ」と希望を抱かせてくれるゲームなのである。


ただその分、ルールは複雑になって、アクションの処理は煩雑になってしまった。

ひとつのアクションに連鎖していろんなことが起こる。ゲーム中ポコポコといろんな要素から点が入るので、だいたい何かしら一回は加点を忘れる。

その分「今日はこっちのルートから勝利を目指そう」というモチベーションが沸き続けるのだが、とはいえこの異常な煩雑さに見て見ぬ振りをしてでもそんな風に喜べるのは、よほど訓練された(=沼に浸かりきった)ボードゲーマーくらいだ。

古代メソアメリカ人も大半は喜ばないだろう。喜べるような体質に改造するには連中を一人づつ沼に連れ込む必要があるが、テオティワカンが衰退して1400年経った今では、あいにく叶わない。


確実に叶うことが一つあるとすれば、「ボードゲームアリーナに行けばいつでも遊べそうだぞ」という、これはこれで結構でっかい希望だったりする。しかもBGAなら煩雑な処理が自動なので超楽ちん。というわけで誰か遊んでください。

もちろんリアルでもがんがん遊んでいきたいショゾンです。せっかく買った拡張だって動かしたい。これは当面キタカフェでなんとかしようかな(迷惑客)。


何はともあれ、一つのボードゲームを通じて古代メソアメリカについてほんのちょっとだけ学ぶことができたし、随分テオティワカン遺跡に行ってみたくなった(探検とかではなく)。

行って、「やっぱり何もわからない」ということにうち震えたい。

遥か未来にこの星を訪れた地球人ぽい知的生命体が感じるであろう、現代人たる我々との圧倒的な断絶を一足先に味わっておきたい。

それとも地球人ぽい知的生命体もこう思うのだろうか。

「このロンデルおもろいね」

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