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  • 2人~5人
  • 40分~100分
  • 12歳~
  • 2015年~

シュタウファーダルニさんのレビュー

403名
5名
0
6年以上前

ディスタウファーがボードゲームであることは一旦脇に置いて、これが「教材」としてどう有用であるか、ということを考えてみたい。


まず、議席の獲得について。

これがなければ王ハインリヒ6世の覚えがよろしくない。

都市の議席を得るためには、人的資源を多く確保しておく必要がある。

このことから以下の教訓が得られるかもしれない。

「身内を重要なポストに付けるためには、その何倍もの人材とそれなりの根回しが必要だ」


また、議席を獲得したり人的資源を補充する際に、様々な効果が得られる宝箱が付属してくる。

これについては以下のように考えられるだろうか。

「何か行動を起こせば、また誰かを味方につければ、芋づる式に次へのステップが見つかる」


そして、圧倒的に足りない手番数。

「人生は短い」


システムだけではなくボードにも目を向けてみよう。

教材という視点で各都市について見てみると、ハインリヒ6世の足跡をよく表現していることがわかる。

王の生誕地「ナイメーヘン」やホーエンシュタウフェン家の地元に近い「ストラスブール」で議席を取れば、配下が増える。

法王派の反乱分子が蠢動する「ミラノ」や、旧ノルマン王朝からの廷臣(だいたいハインリヒ6世に反感を抱いている連中だ)を要する「パレルモ」で議席を取ると、格段に得点が上がる。

「アウグスブルグ」での議席はイタリア遠征の準備として、「アーヘン」での議席は十字軍(実現はしなかったが)の準備として、宝箱がもたらされる。

(こういったフレーバーに関する解説がルールブックの巻末におまけとして載っているが、参考とした文献を4冊紹介してくれてもいる。今回「教材」としてレビューしてみようと思ったのはそれを見たのがきっかけだった)


何が言いたいのかというと、ルールやボードから「12世紀ドイツ騎士の気分が存分に味わえる」ということだ(多少体験としてリアルさに欠ける部分があるかもしれないが、そこは想像で補ってほしい)。

「教材」として見れば、こんなに面白い用具はなかなかない。

その辺の歴史小説を読むよりはるかにスリリングだし、ある側面に関して言えば、往時への理解もより深まるだろう。


では肝心の、ボードゲームとしてどうか、ということに目を向けると不満に感じる部分も結構ある。

25点刻みの得点ボードとか、目的カードの「重さ」とか、そういったシステムに関するあたりだ。


しかし、私はこの時代の歴史が好きなのでそんなことは割とどうでもいい。

他の方々はどうか知らないけれど、私はこの箱がもたらしてくれる「ごっこ遊び」が好きなので、プレイ中の脳内はすっかり12世紀だ。


いろいろ想像で補いまくっているのだが、プレイそのものより、この「想像で補う」ということが快感のような気がする。

一手一手がとにかく毎回大事な選択を迫られて、辛くもあり楽しくもあるし、艱難くぐり抜けてパレルモでマジョリティを取れたりするとそれだけでゾクゾクする。

ゾクゾクしている自覚を通してますますゾクゾクする。100パー単なる変態である。


もちろん遊ぶからには勝利を目指す。

ただそれは、「夭逝する宿命にある王の忠臣として、王には気持ち良く領土を旅して欲しい」という願いに、結果が欲しいだけなのだ。

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