- 2人~8人
- 20分前後
- 10歳~
- 2018年~
シャドウズ アムステルダムBluebearさんのレビュー
大量のイラストカードを使って情報伝達をする、ユニークなリアルタイムのコミュニケーションゲームです。
展開が早いので、1ゲーム30分くらいでワイワイいけます。
偶数ならいいので、4人、6人、8人でプレイできます。(プレイの感想的には6人がいい感じなので、この人数対応は非常にありがたい)
■舞台設定とゲームシステム
舞台は、動物たちが擬人化されて暮らしているアムステルダム(運河で有名なオランダの首都)の街並み。
プレイヤーは2つのチーム(ライバル関係にある探偵社)に分かれ、街中のどこかにある《手がかり》を3つ探し出し、それを《依頼人》の指定する場所まで、いち早く届けなければなりません。
しかし街中には警察の非常線が張られており、警官が待ち構えている場所に入ってしまうと職務質問を受けてしまい、これが3回重なると逮捕されて《アウト(敗北)》してしまうのです。
プレイヤーたちは2チームに分かれ、それぞれ1名が指示を出すリーダー役(探偵)、残りがスクーターで街を駆け巡る部下(諜報員)になります。
6人プレイなら、各チームごとに探偵1名、諜報員2名といった構成ですね。
(探偵と諜報員…って、名称だけだとどっちが指示役なのかイマイチ掴みづらいので、我々はいつの間にか勝手に探偵を「リーダー」または「探偵長」、諜報員を「部下」「手下」と呼んでました。笑)
アムステルダムの街は、33種類のイラストによって構成されます。(5つのイラストが両面に描かれたボードが7枚あって、そのうち6枚をランダムに組み合わせ、空いた3マスには別のイラストカードをランダムに配置して出来上がります。
同じものがないカラフルなイラストだらけの街が出来上がるわけですね。
イラストのタッチも、住人の動物たちのちょっとポップでユーモラスなものばかりです。(中央に障害物があって、これが運河のイメージなんでしょうかねえ。別にアムステルダムじゃなくても問題ない気がしますが。)
リーダーはそれぞれついたてに隠して街のどこに《手がかり》があって、どこに警官がいるか、最終的なゴールがどこか把握しています。(この設定カードがまた山のようにあって、同じ配置にならないようにデザインされています。)
■進行はリアルタイム!
ゲーム開始の合図とともに両チームとも一斉に行動開始です。
部下たちは1台のスクーターコマをマップ中央から相談して進めていきます。(部下チームは何人でもスクーターは1台なので、相談してどっちへ進むか決定します。
リーダーは、部下を1マス進めるか、2マスいっぺんに進めるかを選んで指示をします。(2マス進めると、間のマスは素通りする扱いになるので、警察の検問をすり抜けるのに非常に有効なんですねー)
マップの脇には別個に84枚ある(3枚はボードにランダムに置いちゃうので残り81枚。結構ありますね)イラストカードが10枚公開されていて、ここから進むべき場所のヒントになるようなイラストを選んで渡すのです。
1マス進むなら1枚。
2マスいっぺんに進むなら2枚まとめて。(順番に渡してはいけません)
リーダー役は、言葉やジェスチャー等で情報を伝えてはいけません。あくまでポーカーフェイスでやれとルールブックにも書いてあります。
これをワーワーキャーキャー言いながら早い者勝ちで進めてゆくゲームです。
あっちだこっちだと、けっこう忙しい&慌ただしい。
警察を3回踏むとアウトになるルールのおかげでけっこうスリリングになります。(これがまたけっこう多いんだなー)
■思ったより伝わらないもどかしさ!
マップのイラストは非常に多彩で、どのカードを渡すかけっこう悩みます。
悩んで悩んで、よしこれでどうだっ!と渡すと、別の意味に解釈されて全然違う方向に向かってしまい、「うおお~伝わってねぇ~!」と、もどかしい思いをする事もしばしば。
反対にうまく伝わるとけっこう気持ちいい(笑)。
イラストから連想するセンスがこんなにも人と違うのかと驚くのとともに、あーこの人と自分はけっこう感覚が近いのかな?なんて変に感心してみたり。
イラストカードは使うたびにどんどん補充されて、また新しいイラストが出てくる流れ。
時には同じイラストカードを取り合って、先に取られたリーダーが「あー!取られちゃった!」なんて事にもなりました。(ヒントが共通の場になってるのもまたうまい仕掛けだと感じました。)
「…(リーダー思案中)…」
「探偵長!早く早く!どっちいくの?」
「う~ん、じゃあこれでっ!(1枚手渡す)」
「え!?…これ…何?」
「車が描いてあるからここじゃない?」
「いや看板があるし、赤いからこっちでしょう」
「……(リーダーは言えないので苦笑いするしかない)…」
「えーわかんない!どっち?どっち?」
「じゃあこっちで行く?よーし、じゃあここだっ!」
「……(リーダーは苦笑して警察の×マークを置く)」
「きゃああっ!ほらやっぱりこっちじゃない!(爆笑)」
「うおぉ、あっちは手がかり2つ目だ!やばいやばい!」
「探偵長しっかり~♪(笑)」
「あーうるさいわいっ、(笑)」
こんな感じでけっこうにぎやか♪
基本的にしゃべれない(ヒントと関係ない発言は問題ない)リーダーは、ポーカーフェイスを通さなければならないのでけっこう難しい印象です。
前述の通り1ゲーム30分かからないくらいなので(早ければ15分くらい)、我々は6人でプレイし、チーム編成を変えて結局連続で6ゲームやりました。
8人だとちょっとわちゃわちゃしすぎる印象です。
イラストも可愛いのでけっこう女子ウケも良く、なかなか盛り上がる展開でした。
ゲーム終了後に答え合わせをするのもまた楽しいですよ。
(私はリーダー役苦手だ~!私が誘導するとなぜか警官につかまるというオチになるのはなぜだぁぁっ!笑)
■ちょっと計算してみよう。
このゲーム、とにかく膨大な量のイラストが用意されています。(全部違うので描く人も大変だっただろうに)
マップの構成がどのくらいのバリエーションになるのか計算してみよう。
マップ7枚から6枚選ぶから→7通り
選んだ6枚はすべて両面だから2の6条→64通り
これを円順列で並べるから(6-1)!→120通り
基本的にこれだけでも
7×64×120=53,760通り。
厳密にはここに84枚ある単独カードからランダムに3枚当てはめるので
84P3(置き場所が意味を持つのでCではない)
→571,704通り
最終的にはこの2つの掛け算だから
53,760×571,704=30,734,807,040通り。
ということで、300億通り以上のマップバリエーションがあることになります。(つまり完全に同じマップになる事はまずないって事ですね。しかもリーダーだけが見るマップ構造カードが40種類あって!…もう計算するのはやめましょう(笑)
これだけコンポーネントにあらかじめ用意するメーカーが、素直に凄いと思いました(笑)。
すみません単なる余談です。
- 60興味あり
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