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  • 2人~7人
  • 60分~150分
  • 1985年~

戦国合戦絵巻Bluebearさんのレビュー

403名
6名
0
4年以上前

80年代にマニアックなシミュレーションゲームを出版していた『アドテクノス』社がリリースした、戦国時代の各大名どうしの覇権争いをテーマにした多人数ゲームの傑作。(毎度ながら古いゲームの紹介で申し訳ないです…)

おそらくこのテーマでデザインされたゲームとしてはトップクラスで簡単な部類に入ると思われます。ルール説明はおそらく5分もあれば余りますので、戦国ものに興味はあるものの未経験の人には、その導入として最適かと思われます。

80年代当時から数えたら、あちこちでもう数えきれないくらいプレイしたおかげで、箱もコマももうボロボロです。(ゲーム冥利に尽きるでしょうね)

実際にウチのメンバーたちに最近紹介したところ、案のじょう経験の浅い女性陣も含めて大好評で、やったやられたとわーわー盛り上がりました。(7人参加できるのは大きい!)

デザイナーは、元日大教授でありながら『レッドサン・ブラッククロス』などの本格ゲームデザイナーとしても有名な高梨俊一氏です。


●戦国時代の武将となって全国制覇の野望を抱け!

このゲームは最大7人まで問題なく参加でき、2時間程度で決着がつくという非常に貴重な作品です。

対象となる武将は、「織田」「朝倉」「三好」「武田」「上杉」「北条」「毛利」の有名7大勢力です。

68に分かれたエリアに分かれて、その領地確保を争うことになりますが、地政学的に区分された地図のおかげで領土拡張の難しさをしっかり堪能できるようにデザインされています。

残念ながら武将本人のコマなどもなく、陣営ごとの特殊ルールも存在しません。(このへんが物足りない戦国ファンも多いのでは?)

じゃあどうやって特色を出すのか…という点に関しては後述しますね。

もしプレイヤーが7人そろわなくても安心。全武将カードを最初にランダムに引いておいて、プレイヤー不足で担当者のいない武将の番になったら、その武将カードを持っているプレイヤーが好きに動かしていいんです。単純なルールですが、いつ誰がどういう目的で動かすかが分からないので、けっこうスリリングで面白いです。(シンプルですがいいルールだと思います。)

●極限まで削ぎ落したシンプルなルール

ともすれば様々なルールを盛り込んで複雑にしてしまうウォーゲームの流れにあえて逆らってシンプルなルールにまとまっています。

コマは、各陣営ごとに色違いで24個ずつあり、すべて同じで特に兵種の違いも無ければ、城を表す別マーカーなども一切ありません。これらが「兵力」を表すというより総合的な「国力」を表しているわけですね。

自分の番では、「自軍コマの生産(増強)」→「戦闘(合戦)」→「コマの移動」の順番で実施します。

生産では、自軍の占領エリアにある星の数を数えます。赤い星があれば1個で1つぶん、白い星は2個で1つぶんのコマを生産できます。2個そろわないと生産につながらない領地があるのがミソですね。

次に戦闘です。これも単純。攻撃する自分のコマを指定し、攻撃したい隣接した相手の領地を宣言します。そしてサイコロを1つ振り、「1・2・3」が出たら「負け」なので、攻撃した自分のコマは除去されてしまいます。「4・5・6」が出たら「勝ち」なので、指定した相手の領地の相手コマを1個除去します。…これだけです。(拍子抜けするくらい簡単)

そして最後が「移動」。自分のコマを隣接する「自分の領地」または「空いているエリア」に好きなように移動させます。ただし、1個動かすごとに国力がかかるので、つながっている領地のどこかにあるコマを1個除去しなければなりません。きびしいルールですが、これが兵力=国力だと言った理由です。この解釈の割り切りによって、複雑なルール処理をすることなくゲーム進行に専念できます。

記録用紙にプロットなんて一切ありません。

多種のマーカーを配置して…なんて一切ありません。

上記のようにコマの消耗の激しいゲームですが、1エリアには最大4個までしかコマを置くことができず(海上エリアなら2個まで)、必然的に星エリアを求めて領地拡大を図っては他国と接することになるのです。

●特色はすべて「イベントカード」に集約。

戦国時代らしさや、武将ごとの特色はすべて、ターンの最初に公開される「イベントカード」で処理します。これの最大のメリット(私が最も評価しているポイント)は、めくった時点で全員に公開・一斉に適用なので、事前にルール確認をする必要が全くなく。その時点ごとに全員で確認すればOKな事です。特殊な処理はぜんぶここにまとめちゃえばいいっていうのは発想の転換でした。これで初心者にも安心です。このイベントも複雑なものではなく、シンプルにまとまっています。

例えば、全国的に生産量が増える「豊作」とかもあれば、海上エリアに3個までコマが置けるようになる「洋式船舶の導入」など、共通のものもありますが、条件が指定されているものもあり、ある特定エリアで発生する「一向一揆」や「尼子氏の抗戦」(サイコロで4・5・6が出るとコマを失う!)」や、上杉氏だけが合戦・進軍できなくなる「伊達政宗の策謀」、そこだけずっと生産量が増える「甲斐の金山」など、有名どころを押さえてあります。

そして「新将軍の宣下」カードが出たら(または2人以上の武将が全滅したら)そのターンで強制的にゲーム終了です。

単純ですよね。そうです、その単純さがいいんです。

(ちなみに滅亡しても大丈夫。「新大名の台頭」カードが出たら、新たな勢力として新規に登場できます。これけっこう盛り上がるんですよ。)

このように、このゲームはできる限り細かいルールを削ぎ落して、各武将の領地獲得と外交戦略だけに意図的に専念できるように作られています。

もちろん戦国時代の領地獲得競争ですから、やることは直接戦闘です。

最近のゲーム界の流れのように、ここを拒否されると、そもそも戦争マルチゲーム自体が成立しません。ですが、「どこの領地を攻めるべきなのか」「国力はいくつ移すのか」「どこの武将に交渉を持ちかけるのか」「どこのラインでの領地分割で手を打つのか」「どの武将を信用するのか」などなど、考えることはたくさんあります。(これこそが地政学マルチの醍醐味!!)

こういうゲームをやっていると「地政学的な視点」や「戦闘のタイミング」「誰かに攻撃を仕掛けることのリスク」がものすごく大切であることに気づかされます。

ゲームで勝負しているはずの対戦相手との絡みがどんどん薄くなっていく近年のボードゲーム界でこそプレイして欲しいなあと願うオジサンゲーマーでありました。


《余談》

このゲームは、前述したようにコマに種別がありません。

付属しているコマは厚紙抜き打ちの、「いかにもウォーゲーム」風のデザインでした。(しかも印刷が甘いのか、プレイしまくっているとなぜか少々色落ちしてくるクオリティに不満が…。)

そこで一計!

通販でカラフルな木製キューブを7陣営ぶん入手!

これで一気に「ウォーゲーム」風から、一般の「ボードゲーム」風に見えるから不思議(笑)

お勧めですよ♪

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じむや
ボードゲーム感想備忘録
よーだ
レモネード
稲妻老人
Nobuaki Katou
Bluebear
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