シージオブルーンダー白州さんのレビュー

7/10

クニツィアのタワーディフェンス＋デッキ構築＋協力ボードゲーム。

手番では、手持ちの5枚のカードを好きなだけプレイして、アクションを行う。

できるアクションは、移動、武器製造、攻撃、穴掘りの４択。

ゲームの目的は、最後まで穴を掘り進めることであり、タワーディフェンスといったが、塔を守りきっても勝てず、敵を倒しまくっても何も得られないというのが独特。

デッキは12枚あって、そのうち2枚をランダムに捨て札の下にセット。この2枚はデッキをリシャッフルするまで戻ってこない。つまり、パワーアップしたカードがここに入ると出てこなかったりする（笑）

また、デッキには「オーク」のカードが2枚入っており、これが手札にあると、アクションをする前にオークが登場する。オークはタワーの中心に向かってきて、プレイヤーに攻撃はしてこない（！？）のだが、中央まで到達すると金塊を盗んで逃げてしまう。この金塊が０になってしまうと負け。なので、やっぱり倒しておかないといけない。

武器製造は、5枚の武器カードが公開されているので、各カードに必要なリソースを集めれば、好きなタイミングでデッキのカードと交換ができる。交換なので、デッキが増えるわけではなく、常に初期枚数の12枚で一定なのも特徴。ちなみに「オーク」のカードは交換できない（笑）

リソースを集めるといっても、塔の中にそのリソースを生み出す場所があるので、そこで特定のカードをプレイしないとリソースを貯めることはできない。武器も３段階あって、最初は簡単につくれるが、当然、強さも弱い。なので、1個つくった後に追加されるカードは3段階の中から選べるのもユニーク。

とまぁ、他にも金塊払って使える傭兵だの、塔の登り方だの、細々としたルールは結構あって、シンプルそうに見えて、意外とルールが多いのだが、やってみると、かなり運の比率が高い（これは他のレビューでもいわれている）。

理由としては、攻撃がダイスで、攻撃には近距離攻撃と遠距離攻撃があるのだが、それぞれ特定の目が出ないと敵を倒せない。つまり、ダイス運が悪いと全く敵を倒せないのである（笑）

他にもオークのカードの出る比率とかいろいろあるが、原因はダイスかな。これを考慮できるかどうかが、このゲームの評価の分かれ目だと思う。結果がダイスに翻弄される（しかも結構プレイ時間が長い）ゲームがあまり好きではないなら、あまりおすすめはできないかも。とはいえ、クニツィアのゲームなので、やる人はやると思うが。

他にも、武器製造を襲われている最中にやるという世界観にこだわったためか、プレイヤーが「ドワーフ」となっていると思うのだが、敵が「オーク」「ゴブリン」「トロル」がいて、見た目もかなり似ているので、ゲーム中、呼び名を間違うのが地味にストレスだった・・・。プレイヤー側は勇者とかじゃダメだったんだろうか・・・（笑）

とまぁ、若干厳し目に書いたが、個人的にタワーディフェンスがデジタルゲームとかでも好きなので、それがボードゲームで遊べるのは正直、嬉しい（ボードゲームで遊ぶ必要があるかどうかはおいといて）。しかもクニツィア。その個人的な好みもあってこの評価かな。

タワーディフェンス系のボードゲームって、キャッスルパニックとかが有名だと思うが、正直、あんまりないので、そういう意味では貴重かも。ただ、結構時間はかかる。少なからず、キャッスルパニックの2倍はかかる。

あと、プレイ人数はGeekで3人ベストとなっているが、どうなんだろう。4人だと敵の出るスピードが早くなるので、難しくなる気はするので、たしかに3人はよいのかもしれない。

なぜか国内流通していない（多分、箱でかいし、中身も謎に豪華だから、値段と中身が日本にマッチしていないのかも？）ので、遊ぶ機会は限られると思うが、クニツィアファンかタワーディフェンス好きなら、遊んでおいてもいい作品だと思う。