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  • 1人~9人
  • 180分~240分
  • 12歳~
  • 1986年~

三国志演義Bluebearさんのレビュー

847名
12名
6
1年以上前

1986年にエポック社のワールドウォーゲームシリーズの第20弾として発売された三国志テーマの多人数ゲーム。

主に3〜9人でプレイできます。

三国志と言っても後世に小説として脚色された『演義』をテーマにしており、アニメなどでも馴染み深いドラマチックな三国志ワールドを再現する事に主眼を置いたデザインとなっているのが特徴です。

当時ホビージャパンから同時期にリリースされた同じ三国志でも正史をテーマにした『旌旗蔽空』とよく比較された作品です。

当時我々はこちらの作品が気に入って、もう数十回以上プレイし、箱もマップも相当傷んでしまいました。そのくらい思い出深い作品です。

◾️おおらかな時代設定

三国志といえば100年にもわたる壮大な物語ですから、そこにはさまざまな英傑たちが登場します。

このゲームでは、その時代ごとの人物をあえて分けずに、思い切って全部まとめてセットしました。

そして基本的な遊び方は何と《フリーセットアップ》!

代表的な武将たちを147名用意して、ランダムに配下の武将コマを引くという多彩かつ運任せとも言える方法を取ります。

そのため登場する武将たちの年代設定や登場地域などは、もうバラバラです。史実とはかけ離れた展開になっていきます。

その代わりに、いつどこで、どんな有名武将が登場するか、やってみなくてはわからないスリルと興奮があります。

そして各プレイヤーがそれぞれ好きな場所に国を建てて覇権を目指すのです。

ここをどれだけ楽しめるかが、このゲームの評価を決めると言っても過言ではないでしょうね。(この部分が、正史ファンからは敬遠されている要素でもあるのは痛し痒しですが…)

◾️武将の能力を細かく設定

各武将の能力は5つのパラメータで設定されており、それぞれ特徴をうまく表現しています。

内容は以下の通り。

武勇:一騎討ちの強さ

知略:策略の成功しやすさ

采配:合戦の時の指揮能力

統治:消耗した城を復元できる数

忠誠心:裏切りチェックの成功度(中にはマイナスの武将もいて、裏切りやすいキャラになっています。)

その他、君主には《カリスマ》と《寿命》があり、この数値だけはゲーム中に変動します。

戦闘で負けたり、天命で悪い結果が出たりすると寿命が減っていき、ゼロになると死んでしまいます。(君主が死亡してもそれでゲーム終了ではなく、配下の誰かが次の君主として国を引き継いでいきます)

またカリスマは、毎ラウンド新しく引いた武将をどこまで雇えるかに影響するなど、非常に重要な要素となっています。

◾️盛り上がる《桃園の誓い》

三国志ファンであれば、この《桃園の誓い》に胸を熱くさせない人はいないでしょう♪

これを何と各プレイヤーみんながやるのです!

前述の武将コマをランダムに5人引いて、自分が好きな武将を《君主》に、そしてその忠実な家臣を2名選んで、国を興すところから始まります。

そうなんです、自分の手で新たなる自分だけの《桃園の誓い》を再現するのです。

この武将コマを引く時の盛り上がりといえば凄く、歓声とブーイングが入り乱れます。

ある意味このゲームでの有利不利がこの時点で大きく決まってしまうので、かなり運・不運の影響の大きいゲームだとも言えるので気をつけて下さい。

ここで《関羽》や《張飛》や《諸葛亮》が引けたら、後はゲームに負けようが不満はない、と言い切った友人もおりました(笑)。

かく言う私も《趙雲》を引いて躍り上がっていたら、逆に逆恨みされて攻められ、あっけなく滅亡した事もあります(笑)。

◾️中国大陸に軍勢が激突!

マップはエリア式に分割され、プレイヤーはそこに自分の軍勢コマを配置して、互いにその領土の支配権を巡って激突します。

強い武将が率いていれば強い効果があるので、誰にどのくらいの軍勢を付けるか、悩みどころです。

武将同士が戦争すると、お待ちかねの《一騎討ち》の発生もあります。場合によっては負傷したり、捉えられたりするので、この展開も非常にスリリングです。

戦争自体も、複数勢力が入り乱れて争っているので、単に勝てば良いというものではなく、どれだけ自分の軍の損失を抑えられるかが、その後の大きな意味を持つので、しっかり頭を使わなければなりません。

お互いに国力を消耗すれば、別の国が有利になるだけですからね。

◾️運命を織りなす《天命札》

国の命運は、戦争や武将だけではありません。《天》を味方に付けてこその覇者なのです。

このゲームでは、ラウンドごとに《天命札》というイベントカードを引きます。
そこには、すぐに適用しなければならない《事件カード》と、必要に応じて使える《手持ちカード》とがあります。

内容は多岐に渡り、三国志の雰囲気を増してくれます。

代表的なものを挙げるなら、

《南蛮の侵攻》、《北夷の侵攻》、《赤兎馬》、《伝説の銘剣》、《三顧の礼》、《十面埋伏の計》、《凶作》、《内応》、などですね。
詳細な説明まではできませんが、雰囲気がわかってもらえるかと。

これによって、さまざまなドラマが生まれる仕掛けです。

◾️同盟と裏切りのドラマ

このゲームの真価は、やはり5人以上の多人数で繰り広げる覇権争いでしょう。

エリアで区切られた地域は、複雑に接しているので、どの国も複数の国と対峙する事になります。

『どこと戦争するのか』

『どこまでの損失を覚悟するのか』

『どこと手を組むのか』

『協力するメリットは何か』

『裏切られる可能性は?』

など、現代の国際政治にも通じるPower Politics Balanceの危うさを肌感覚で学習できます。

互いに好きなように交渉する事ができ、またいつ裏切っても構いません。
これが抜群に面白いのですが、最近は苦手な人もいるようなので気をつけましょう。

(こういうゲームをやると「敵の敵は味方である」とか「敵が過ちを犯している時に、その邪魔をしてはいけない」などの名言の意味が深く実感できますよね。)

このように、シミュレーションというより、三国志ファン(というより三国志に登場する武将ファン?)のためのゲームとして、かなりの完成度を持つので、好きな人はぜひプレイしていただきたい作品ですね。

ただし、人数が必要なのと、4〜5時間かかるのを覚悟する必要があるところが難点でしょうか。

戦闘あり、交渉あり、裏切りあり、イベントあり、逆転ありの非常に濃いゲームです。

ぜひあなた自身が《劉備》や《曹操》となって、戦乱の中国を駆け抜けてみて下さい。
きっと歴史の風にちょっと当たる事ができると思いますよ。


追記】

最後に一つ、これだけは言っておかねばならないでしょう。

今考えても画期的な事ですが、何とこのゲーム、今でこそ漫画・小説で溢れている異世界転生モノができるのです!

自分の君主を武将コマから選ばず、キャラクターメイキングの要領でオリジナルの能力値を持った架空の君主を登場させる事ができるのです。

みんな好き勝手な名前をつけますが、イメージ的には《自分》が有能な君主となって、三国志の英傑を率いて国を興す!というイメージそのものの展開が可能なのです。

こんなゲームは他に知りません。

まさに《演義》だからこそ許される(?)設定でしょうか。

ぜひ一度お試しあれ!

さらに追記】

実際にこのセットはかなり好評だったようで、のちに拡張セットの『エキスパンションキット』が発売され、武将80人、天命札25枚、予備の軍勢コマなどが追加されています。

武将に『文官』が増えて、より戦略性を増しました。

追記その3】

1991年ごろに、同じエポックのシリーズから『三国志演義2』という作品が出ていますが、改訂版でも続編でもなく、6角マスの地形ボード上で武将と軍勢コマを動かして合戦をするという、全くの別ゲームになっているので御注意下さい。

【追記その4】

2023年10月に、国際通信社から新版として再販されました。エクスパンションセットの内容まで全て含み、ルールをわかりやすく書き直したもので、かなりプレイしやすくなっているようです。フルカラーで美しい印刷が魅力的ですが、内容そのものは変更ないので、すでに旧版を持っている人は(私だ)特に急いで購入する必要は無さそうです。これを機にこのゲームが再び陽の目を見るのは、ファンとしては嬉しい限りですね♪

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Bluebear
Bluebear
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#1
1年以上前
今ならゲームの駒を入れ替えればキングダムの世界も出来ちゃいそうですね



仙人
MIFFYBX
MIFFYBX
#2
1年以上前

ワールドウォー2人用ばかりだったし、これは再販できればよかったですね、戦国大名みたいに

荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
#3
1年以上前

当時の、正史をテーマにしたホビージャパン社からの『英雄三国志』(『旌旗蔽空』の改訂製品版)のほうは、サンセットゲームズで再販が検討されているようです。残念ながらこちらの作品は噂もないのがちょっと寂しいですね。

Bluebear
Bluebear
#4
8ヶ月前

この度(2023年8月現在)めでたく、国際通信社から『コンプリート・エディション』としての再販が発表されました。…でも、昨今の流れだと、かなりの高額価格になりそうで怖いです。

Bluebear
Bluebear
#5
7ヶ月前

え〜、需要あるんですね!ユニットがフィギュアになるのは想像付くんですが、プレイアビリティ大丈夫なんでしょうか?笑

荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
#6
7ヶ月前

コマンドマガジン誌の関連で発売ですし、内容は基本的に拡張込みですが同じであること、総駒数1500個という発表を見てもフィギュアにはならないと思いますよ。

Bluebear
Bluebear
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