- 2人~6人
- 30分前後
- 12歳~
- 2004年~
キュージェットBluebearさんのレビュー
チャリオットレースの名作『アベカエサル』が、システムをそのままに、未来感たっぷりのホバーカーレースになって蘇った作品。
各車ごとに1セットずつある走行カードを山札にして、3枚の手札から1〜6の数字を出して、その数だけ自分のQjetを進めて行く。
出したカードの数字分は必ずコマを進めなければいけないルールなので、常にトップスピードで走れるわけではありません。
これだけ聞くと、単なるめくり運だけの駄作に聞こえますが、さすがにそんなに甘くはないんです。
ルートは全てマス目に区切られており、ひとマスには一台しか入れないのに加えて、コーナーなどは車線変更が出来ないようになっているのです。
だから、先行車が前にいるとコーナーでつまるためうまく走れずパスになったりするのです。
これがかなりツライ!
反面、先頭車は、トップスピードの「6」が出せないルールなので、車線制限が無くなったエリアでどう抜くか、どこでブロックするか、を考えるゲームとなっているわけですなー。
手札は3枚しかないので、やりくりをうまくやらないと、うまく加速減速ができない仕掛けですね。
迂闊に外レーンへ迂回ばかりすると、ひそかにマス目の数が多く、移動をロスするだけでなく、ヘタすると移動力が足りなくなってゴールできなくなる(リタイヤ扱い)可能性も出てくるので、ライン取りはかなり慎重にやる必要があるのです。
これが結構シンプルで白熱するんですよ。
ちなみにレースは3周。
途中で必ずピットインしなければならず、ここでもヘタすると渋滞が発生するので、このタイミングも重要です。(実は元のアベカエサルでは、皇帝への挨拶だったそうで、そっちの方がルール的にはしっくりするような気もします?)
3周目はゴールなので、1周目か2周目には必ずピットインしなければならないのですが、コースの状況を見てどこのタイミングでピットインするかを考えなければならないわけですね。
ボードも両面仕様で、《4人まで》用と《5〜6人》用になっており、さらにそれぞれに《緑色コース》と《オレンジ色コース》があり、その上コース巡回が《時計回り》と《半時計回り》を選べるので、コースバリエーションはかなり豊富なお得設計。
時間的にも短いし、6人まで同時レース可能なので、多人数ゲームの合間にオススメです!
ちなみに、2005年 日本ボードゲーム大賞 国産ゲーム部門1位だそうですよっ!
ちなみに旧版はメタル製のコマのため未来的でカッコいいのですが、現在入手は困難でしょう。現在の新版では木製コマとなっていてお間違えの無いように。
【追記】
ひとつだけ注意点。
前方のインコースをライバルに押さえられ、仕方なくアウトコースを選択するしかなくなるケースが良くあるのですが、これをやりすぎるとゴールできなくなります。
全部のカードを使い切っても、数字の合計が足りなくなって、ゴール手前で進め無くなってしまうのです。
ルール上は《リタイア》として失格になります。
ある初心者グループでプレイした時、6人中3人がリタイア。
これがかなり不評でした。
事前の説明では何度もその注意点は説明したのですが、このゲームに慣れたプレイヤーでないとその程度がつかめません。
出遅れたプレイヤーが頑張って挽回するためにアウトコースから抜きにかかって、やっと最後の3周目。トップは取れないものの何とか3位には入れそう!
…という段階になって、手札の数字とコースをよく見たら、「あ…ダメですね…」とガッカリ顔。
『頑張ってゴールしたけど順位で負けちゃった』ではなく、『ゴール寸前まで来たのに失格』というのがよほど消沈したらしく、ずっとその後「このゲームは苦手」と言ってました。
6人プレイなどの大人数でやるほどレースが混戦になり、ダンゴ状態でカーブに突っ込むので、なおさらしかたなくアウトコースを選ばざるを得なくなる局面が多い、というのもあるようです。
初心者プレイをするときはくれぐれもご注意下さい。
【追記2】
最近また新規の初心者グループでプレイする機会があり、アウトコースの不利さは十分説明したものの、最後のリタイヤを避けたくて、勝手にルール変更。
最初からすべてのカードを使用し、ピットインしたら「エネルギーチャージ」なのだからと、『捨て札から6と3の2枚を好きな順番で山札の一番下に入れる』というやりかたをしてみました。
その結果かなり途中で遠回りを選択したプレイヤーも、無事にゴールできました。
当然彼女らは勝てなかったものの、ゴールできたことに満足でした。
これからもメンツを見て切り替えていこうと思っています。
(ベテラン勢だったら当然オリジナルルールですね)
参考までに。
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