- 2人~5人
- 60分前後
- 10歳~
- 2011年~
ランカスターのっちさんのレビュー
苛烈な権力闘争で最後にのし上がるのは誰か?
1413年、イングランドの新王、
ランカスター家ヘンリー5世は野心的な計画を立てていた。
イングランドの統一とフランス王家の征服だ。
各プレイヤーは野心的な貴族の一族となる。
誰がこの若き国王の最良の側近となり、
その時代で最も強力な領主となるのだろうか?
プレイヤーはヘンリー5世の家臣となります。
そのため他プレイヤー同士は敵ではありません。
敵ではありませんが武功を競い合い
ヘンリー5世の右腕になることを目指します。
まさに権力闘争を地で行く激しいゲームになります☆
ゲームの流れと勝利条件
このゲームは5ラウンドで終了します。
最終的に最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利します。
1ラウンドは3つのフェイズで構成されます。
フェイズ1. 騎士の配置
フェイズ2. 議会
フェイズ3. 収益
ゲームの流れは非常に簡潔でわかりやすい。
フェイズ1で騎士コマを配置(配置できる場所は3ヶ所)。
フェイズ2では議会で3法案を審議します。
フェイズ3で騎士コマを配置した場所の収益を獲得。
これで1ラウンドは終了します。
フェイズ1. 騎士を各地に派遣する
フェイズ1で騎士を各地に派遣させます。
派遣先は3ヶ所。
1つ目が「地方」
2つ目は「自分の城」
3つ目は「フランス王国との戦争」
です。
騎士最初の派遣先は「地方」です。
地方マスにはそこに配置できるレベル値があり、
そのレベル値以上でなければ騎士は配置できません。
そして「従者コマ」を連れて行くことで
1個につき1レベル騎士を強くすることができます。
このゲームが面白いのはここから。
地方に騎士を配置しても、
他プレイヤーがその騎士以上のレベル値の騎士を配置することで
その地方から他プレイヤーの騎士を「追い出す」ことができます。
追い出された騎士は単にまた自分の城に帰還し
つぎの手番でまた派遣することができますが
一緒に連れていた従者はストックに戻されます。
この追い出しの読み合いが熱い。
従者をいくつ連れて行くか?
配置する騎士のレベル値をどうするか?
プレイヤーの手腕が問われる部分です。
騎士2番目の派遣先は自分の「城」です。
城には収益が描かれていて、それに対応する同じ絵柄の「拡張タイル」があります。
城の任意のマスに騎士を配置することでその収益を獲得できます。
そして、フェイズ3収益で改めて「拡張タイル」を獲得し、
同じ絵柄の拡張タイルを探して城に配置します。
それ以降は騎士を配置しなくてもフェイズ3で収益を自動的に獲得できるようになります。
拡張タイルは最終的に得点にもなるので気をつけたいところでもあります。
3番目は「フランス王国との戦争」です。
この派遣先は色々と特別なところです。
・ 騎士を配置しても追い出されることはない。
・ そして騎士コマを積み重ねることで総合戦力を強化できる。
・ 「国王の恩寵」ご褒美タイルを騎士配置直後に即獲得できる。
・ 戦争に勝つと勝利点が入る(負けても入ります)。
・ 誰が一番貢献したかは騎士のレベル値合計で決まる。
フランス王国との戦争での勝敗はフェイズ3で決まります。
フェイズ2. 議会投票で3法案を審議する
フェイズ2「議会」では3つの法案を審議します。
全員が賛成と反対のタイルを持っています。
さらに「投票キューブ」が1票になります。
自分の一族にとって有利不利を判断し3回投票します。
決定したら議会ボード上部3法律を適用してこのフェイズは終了します。
自分には関係ない、もしくは可決(否決)しないと最悪という法案が沢山あります。
法律は強力なモノが多くかなり重要なフェイズになります。
法案投票の読み合いが難しく楽しくかなり盛り上がる部分です。
フェイズ3. 騎士を配置した場所から収益を受け取る
順番:地方 → 城 → フランス王国との戦争
地方(AからIまで)は最後まで騎士マスに残ったプレイヤーが獲得。
収益は無料で獲得できますが、
3コイン払うことで貴族タイルも獲得できます。
(最終決算にて貴族タイルは数に応じて勝利点が入ります)
収益を獲得したら騎士は城へ帰還。
従者はストックに戻します。
城は騎士を配置した場所からと
拡張タイルから収益を獲得できます。
フランス王国との戦争で勝利した場合は、
貢献者から順に勝利点を獲得。
敗北した場合は一番高い勝利点の下から獲得できます。
その後、戦闘タイルと配置済みの騎士は
次ラウンドの戦争へ引き継がれます。
まとめ
2011年発売の古いゲームですが新鮮さはまったく衰えていません。
うちのゲーム会では現在でも大人気の作品です。
拡張「The New Laws」を導入すれば新たな法案を選ぶことになり
ある程度やり込んだゲーマーに方もまた新鮮な気持ちでプレイできます。
初心者様やお子様にはちょっとハードルが高めでしょうか。
重いゲームではありませんがある程度ボドゲで遊んだ経験がある方、
手練れゲーマーの方に強くお勧めします。
<よきところ>
・ゲームは権力闘争そのもの
・勝利への道筋が幾通りもある
・単調にならないゲーム展開
・重そうに見えてプレイ感は割と軽め
・中世イングランドが舞台(テーマが同じ面白いゲームが多い)
・法案の可決過程が割と面白い☆
・4人対戦よりもMAX5人対戦が最高
<いまいち>
・初プレイの人は絶対経験者には勝てない
・たった5ターンしかない(良さでもあります)
No.229 Lancaster ランカスター【ルール解説編】☆イングランド騎士団による権力闘争が熱いガチゲーム!マティアス・クラマー先生の最高峰作品!☆
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- 189興味あり
- 417経験あり
- 126お気に入り
- 241持ってる
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