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  • 2人用
  • 45分~60分
  • 14歳~
  • 2021年~

イッツアワンダフルキングダムハルシカさんのレビュー

2164名
23名
0
約3年前

〇30分程度で心理戦と拡大再生産の気持ち良さが味わえる傑作。

【はじめに】
 キックスターター版を遊んでのレビューですが、日本語版にも含まれる要素のみ扱っています。購入に迷われている方の参考になれば幸いです。2人プレイ、ソロプレイの両方についてレビューしています。

【どんなゲーム?】
 このゲームは、「イッツアワンダフルワールド」を1~2人向けのゲームにアレンジし、いくつかの新要素を加えたものになっています。
 ということで、「イッツアワンダフルワールド」を知らない人はまず「イッツアワンダフルワールド」について知ると分かりやすいので、その基本的な部分を説明します。知っている人は飛ばしてください。

〇「イッツアワンダフルワールド(以下「ワールド」) 」とは? 
 一言で言うと、カードをたくさん建設してより多くの勝利点を獲得することを目指すゲームです。
 カードには「勝利点」や「生産できる資源」が書かれており、建設すればするほど多くの勝利点や資源を得ることができます。だからより多くのカードを建設したいのですが、そのためにはそのカードで指定された資源をそのカードの上に乗せる必要があります。
 つまり、①カードを建設する→②生産できる資源が増える→③より多くのカードが建設できる→④より多くの資源が生産できるようになる……ということを繰り返していくわけです。このメカニズムを「拡大再生産」と言います。
 最初は少ししか建設できないカードが、どんどん建設できるようになっていき、飛躍的に勝利点が得られるようになる。この気持ち良さこそが、「ワールド」の楽しさの肝です!

〇「イッツアワンダフルキングダム(以下キングダム)」での変更点
 さて、「ワールド」の方では「ドラフト」というシステムでカードを獲得するようになっていました。「ドラフト」とは、複数枚のカードから自分の欲しいものを1枚選び、残りを相手に渡すことを繰り返すシステムです。自分の欲しいカードも取りたい、相手の欲しがるカードもカットしておきたい、そんな悩ましさがあるのが「ワールド」のドラフトシステムでした。

 しかし、「キングダム」では2人プレイに特化した新しいシステムを採用しています。簡単に説明すると次のようになります。
 ①各自カードを8枚手札に持っている。
 ②自分は手札からカードを2枚選び、2か所(仮にAとBとします)に好きに分けて置く。
  つまり、Aに2枚おいても良いし、AとBに1枚ずつ分けて置いてもOKです。
 ③相手がAかBの片方を選び、そこにあるカードを全て取る。
 ④相手は手札からカードを2枚選び、2か所に好きに分けて置く。
 ⑤自分はAかBの片方を選び、そこにあるカードを全て取る。
以上の②~⑤を、お互いの手札が無くなるまで繰り返します。

 さて、これだけだと「ただドラフトをややこしくしただけじゃないの?」と思うかもしれません。ここで重要になるのが「罠カード(災厄カード)」です。基本的にカードは全てプラスの効果しかないのですが、実は手札に一枚だけマイナスの効果をもたらす「罠カード」があるのです。ですから、例えば相手が欲しそうなカードを「罠カード」と同じ場所に置くことで、相手はマイナス効果を覚悟して欲しいカードを取るか、それともそれを避けて要らないカードを取るか、という選択を迫られることになります。
 しかも、8枚あるカードのうち2枚は、AかBに置く時に「伏せて」置くことができます。実際にプレイすると、大体「罠カード」を伏せておくことになります。そうすると、心理戦が始まるわけです。「こっちの方がカードの枚数が多いから罠が仕掛けられているんじゃないか?」「いや、そう考えると読んで逆の方に罠を伏せているんじゃないか?」といった具合ですね。
 この、カードを「分配」して「罠」を仕掛けるシステムによって、従来の「ワールド」にはなかった心理戦を楽しむことができるわけです。

 以上より、「イッツアワンダフルキングダム」は、「心理戦」と「拡大再生産」が楽しめるゲームといえます。

【リプレイ性を高める複数の「モジュール」】
 さて、基本の流れは以上の通りなのですが、実はこのゲーム、遊ぶ際には必ず何かしらの「モジュール」を選択して取り入れることになります。ここで言う「モジュール」とは、簡単に言うと「組み替えられる新しいルール」のことです。
 「キングダム」は元になった「ワールド」に比べて、カードの枚数や資源の種類が少ないです。ですから、「ワールド」のように遊ぶと「大体こうすれば勝てるな」というのがすぐに見えてきてしまいます。

 しかし! 複数の「モジュール」があるおかげで、「キングダム」は何度遊んでも新鮮に遊べるゲームになっているのです。しかも、基本ルールは同じなのでルールを覚える苦労は最小限で済みます。

 具体的な「モジュール」の種類は次の3つです。(英語版をプレイしたので、日本語版と名称が異なると思いますがご了承ください)
 ①クエストモジュール
 ②メナスモジュール
 ③アドバイザーモジュール

①クエストモジュール
 クエストはその名の通り、プレイ中に達成すべき目標が定められているモジュールです。4つの目標があり、そのうち3つは達成しても達成しなくても良いもの、1つはゲーム終了時までに必ず達成しなければならないものです。つまり、自分だけが「必ず達成しなければならないクエスト」を達成し、相手が達成できなかった場合、その時点で自分は勝利するわけです。
 とはいえ、「必ず達成しなければならないクエスト」を自分も相手も達成した場合、あくまで勝敗は勝利点によって決まります。クエストの達成を目指しながら、勝利点も稼ぐ。それが「クエストモジュール」です。
 なお、このモジュールが一番ルールが簡単なのですが、個人的には一番面白さは薄かったです。ルールに慣れるためにプレイする基本モードといった趣です。

②メナスモジュール
 「メナス」とは「脅威となるもの」という意味で、先ほど説明した「罠カード」の一種になります。メナスモジュール以外のプレイの場合、「罠カード」はただ勝利点を減点するだけのカードなのですが、メナスモジュールでは様々な効果を持った「罠カード」が登場します。氷の巨人や巨大ネズミ、泥棒など、多様な「メナス(罠カード)」を相手に仕掛け、それをお互いにかいくぐったり、時には倒したりしながらゲームをプレイすることになります。
 自分と相手はそれぞれ異なる種類の「メナス」を選択して遊ぶことになるので、自分がどの「メナス」を選択するか、相手がどの「メナス」を仕掛けてくるかによってプレイ感が変わります。うまく「メナス」を打ち倒すことができると快感です。

③アドバイザーモジュール
 個人的に最もオススメなのがこの「アドバイザーモジュール」です。「アドバイザー」は、簡単に言うと「お助けカード」です。コストを支払うことで、カードの建設を助けてくれたり、裏向きのカードの内容を見ることができたり、勝利点を増やしたりしてくれます。アドバイザーモジュールは「クエスト」のように達成しなければならない目標があるわけでも、「メナス」のようにマイナス効果があるわけでもないので、最も気持ちよく心理戦と拡大再生産を楽しむことができます。

【ソロプレイについて】
 ソロプレイも十分楽しめます。心理戦ではなくなりますが、多様な「モジュール」によって、何度遊んでも楽しめるようになりました。ソロプレイの場合はそれぞれの「モジュール」で定められた目標点を超えることを目指してプレイするのですが、金メダルを取るのは至難の業です。

【まとめ】
 心理戦と拡大再生産が好きな人になら、間違いなくオススメできるゲームです。

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