あやつり人形：新版ダイアンさんのレビュー

言わずと知れた名作中の名作、読み合い・ブラフ系カードゲームの決定版といえる作品です。

このゲームを評して『無冠の帝王』という方もらいらっしゃるようですが、まさに「言えて妙」だなあと思います。

残念ながら何かしらのタイミングの悪さで賞は取り逃がしていると思いますが、それでも『帝王』と呼ばれるにふさわしい、安定した面白さがあるゲームです。

世界中の国で翻訳されて売られているというのも納得できます。（本作の説明書によると、発売以来２５の言語に翻訳されて販売されているそうです）

テーマは中世時代における権力争いです。自分の領土にたくさんの施設を建設して、最終的にもっとも自分の領土を発展させたプレイヤーの勝ちです。

毎ラウンド、各プレイヤーは個性豊かなキャラクターの中から1名のキャラクターを雇用します。そのキャラクターの能力を駆使して、他のプレイヤーを翻弄していきます。

キャラクターの能力には、他プレイヤーの手番を強制的に飛ばすことができるもの、他プレイヤーが保有する財産を強奪するもの、他者よりより多くの金貨を獲得できるものなどさまざまなものがあります。

これらのキャラクターを、プレイヤーたちはドラフト形式で選択していきます。

キャラクター選択がドラフト形式であり、また現状のプレイヤー相互の利害関係を考慮することで、このラウンドにおいて他者がどのキャラクターを選ぶのかが（完全ではないにしろ）なんとなく見通すことができます。

この読み合いが、このゲームの最大の魅力だと思います。読みが当たる爽快感がクセになります。

反面、このゲームの欠点は、すごく考え込む必要があるゲームゆえにダウンタイムが比較的長い、ということです。

そのマイナス面を考慮しても、あまりある面白さがあります。

キャラクター能力の説明にやや時間はかかりますが、そもそもルール自体は簡単なゲームですから初心者の方にもおすすめです。

むしろ、簡単なゲームをメインでやられている初心者の方にこそ、こういった考え込む、駆け引き要素があるゲームをおすすめしたいと思います。

持っておいてまず間違いないゲームだと思います。