ウォーターゲートclevertrickさんのレビュー

最近の2人専用ゲームの中ではかなり好みの出来で、買って大正解でした。
非対称型の対戦ものですが、どちらの陣営にも強みはあり、バランスも取れている方だと思います。
非対称型では「指輪物語：対決」クラスのお気に入りになりそう。

■どんなゲーム？

プレイヤーは大統領陣営と編集者陣営に分かれ、それぞれ決まった20枚のデッキをグルグル回しながら、
史実どおりに編集者が大統領を追い詰めるか、あるいは大統領が逃げ切るかの勝負となります。
プレイする上で歴史の知識はまったく必要ないです（多少あるとより楽しいですが）

各カードには「数字」と「イベント」の2種類の能力が設定されています。
イベントとして使うと原則デッキから取り除かれ、いわゆるデッキ圧縮のような効果があるため、
どのタイミングでイベントを発動させるかが大きく選挙区を、もとい戦局を左右します。

イベントを発動させるほど、出したいカードを出したいタイミングで出せるようになっていく一方、
各イベントは原則1回こっきりなので、ここぞという場面で使いたい・・・というジレンマがあります。

■ゲームを構成する３つの要素（トークン）

・大統領陣営にとっては勝利条件となり、編集者陣営にとってはプレイの大きな助けとなる「勢力」、
・次のラウンドで先手になるだけでなく、手札の枚数も1枚多くなる「イニシアチブ」、
・編集者陣営が大統領を追い詰めるために不可欠な「証拠」。

局面ごとに、カードプレイを通じて3つのうち何を重視するかの選択を迫られることになります。

■具体的には何するの？

まず、各ラウンドのはじめにデッキから規定枚数のカードを引き、手札とします。

ラウンド前半では、毎ラウンド配置される上記３つの要素（トークン）を「調査トラック」上で綱引きします。
・大統領陣営は、証拠トークンを握り潰しつつ、勢力トークンを自陣営に引き寄せて勝利を目指します。
　勢力トークンは全部で9個あり、各ラウンド１つ配置されます。過半数の5個を取れば勝利です。
・編集者陣営は、それを阻止しつつ、証拠トークンを自陣営に引き寄せて集めていきます。

この綱引きに使われるのが先述のカードの能力ですが、当然カードの引き運にも左右されるところになるので、
ゲーム序盤～中盤のイベント取捨選択（≒デッキ圧縮）がゲーム終盤に響いてきます。

双方が手札を使い切ったらラウンド前半は終了です。

ラウンド後半では、両陣営が獲得した証拠トークンを「証拠ボード」上に配置します。
・編集者陣営は、証拠ボードの外周にいる7人の証人のうち2人と、証拠ボードの中央にいる大統領の間を、
　証拠トークンで作ったルートで繋げれば勝利となります。
・大統領陣営は、獲得した証拠トークンを裏返しで配置することでそのルートを阻止します。
　また証人そのものを大統領陣営に抱き込むことでそのルートを潰すことも可能です。

このように、勝敗を決定づけるのは勢力と証拠ですが、それらの獲得に大きく影響するイニシアチブも超重要。
「イニシアチブを制するものはゲームを制す」と言っても過言ではないほどの影響力を持ちます。
ぜひプレイしてこの三つ巴に悩んでみてください。

とまぁ、なかなか悩ましいゲームではありますが、プレイ感はそんなに重くないので気軽に遊べます。
次は陣営を交代してもう1戦やる？

追記：
最初は編集者側（追う側）の方が感覚的に遊びやすいかと思いますので、
初めてプレイする方には編集者側を持たせてあげるといいかもしれません。