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  • 1人~4人
  • 90分~120分
  • 14歳~
  • 2019年~
25名
0名
0
約1時間前

個人的には隠れた名作だと思っている。

本質は資源を獲得・変換して契約を達成し、そのボーナスでさらに資源を獲得して契約を達成し…、という循環をさせるゲームなので、よくある構造ではある。このゲームにおいてリソースはキューブの置かれている位置によって示され、それを動かす「変換」をするためのリソース(エッセンス)が用意されていることから、本作はリソース変換と契約の達成にとくに主軸を置いていることが伺われる。

リソースの獲得・変換と契約の達成という仕組みは、達成したい契約の先取り等があるものの、基本的には一度獲得してしまえば他者の干渉する余地がないために、ソロ感の強い作業である。近年ではインタラクションを弱めたゲームが好まれるという、個人的にはあまり嬉しくない風潮があるものの、このゲームで特筆すべきは、手元のリソース変換(ゼロ)、熟達トラック・カード・タイル・ダイスの先取り(弱~中)、リアクション(強)とインタラクションの強弱をはっきりさせた部分にあると考える。

この部分、私は同年に出たルチアーニのバラージを想起した。資源の循環(ゼロ)、ワカプレや契約等の早取り要素(弱)、盤面(強)とインタラクションの強弱を調整しているバラージの場合、資源を使用すると水車のように循環するトラックに乗せられ、「循環」というボーナスを複数回得ることでトラックが回転し、一周した資源が手元に返ってくるようになる。トリスメギストスにおいては資源を獲得しただけでは多くの場合契約達成に不十分である。同じ資源においても上級資源と下級資源が存在し、契約達成には上級資源を要求することが多いため、変換を経る必要があるからである。資源について「循環」と単純化させた代わりに、盤面の激しい取り合い=プレイヤー間のやり取りを重視したバラージと、「変換」を複雑化した代わりにより契約達成や資源変換の楽しさといった個人の楽しさを追求した本作という違いはある。既に検討したように本作の目的がリソース変換と契約の達成に置かれていることから、最終的な調整としてはインタラクション強度をある程度弱めざるを得ない。仮に資源のやりくりに他者が介在すれば事前の計画が容易に崩壊し、毎手番でかなりの長考を要求されるだろう。本作では、インタラクションの強度を弱めつつ、一方で手元のパズルだけでない「やり取り」を確保する、という狙いを見事に達成できていると感じた。

また、リアクションについても触れておきたい。このゲームでは、他者のアクション終了後、他者のダイスをあたかも用いたかのように弱いアクションを実行する「リアクション」というフリーアクションが存在する。これだけを見ると、毎手番、各プレイヤーにリアクションするか否かを尋ねざるを得ず、プレイ時間の長期化を招くのでは、と懸念が生じる。この点、リアクションで実行可能なアクションを他者のプレイの影響が介在しないアクションに限定してほぼ同時に処理を可能にしたり、そもそもラウンド2回に限定したり(もちろん増やすことは可能だが)することで、ゲーム全体のプレイ時間を伸ばさずに、自分の手元だけでなく他者に自然と目を向けるように設計されている。ダイスには色やマークというパラメータが設定されており、ラウンドごとに3個しか獲得できない都合上、自分のみで狙いのアクションを実行しきるのは困難である。そのためリアクションによる手番圧縮を込みでダイスをドラフトさせたいという作者の意図がうまく機能していると思われる。
残念ながら、トリスメギストス新版ではリアクション要素がオミットされてしまったらしい。インタラクションを求めるプレイヤーは旧版をおすすめしたい。



完全に余談だが、個人的には正確なルールで遊ぶことがなかなか難しいゲームであった。初回ではタイルの獲得時に効果が発動することを失念、2回目では古いレベルの実験カードが1枚だけ場に残ることを失念、3回目ではダイス獲得時の個数=ダイスパワーとなることを失念(獲得時の個数+1でではない)していた。有志の方が公開してくださっている和訳もあるものの、説明書自体の記載方法がやたら難解なことを原因とさせていただきたい。




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