- 4人~9人
- 30分前後
- 14歳~
- 2020年~
トップテン白州さんのレビュー
6/10
2020年ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。まさかの今になって日本語版登場。
2018年に衝撃のゲーム「ザ・マインド」が登場し、これに関わっていた中村◯つる氏が「このゲーム、こうやっても遊べるよね?」と◯ークライトに提案したところ「ザ・マインドとは別ゲー」という理由で商品化された「ito」(諸説あり)とほぼ同じルールだったこともあり、暗黙の了解かどうか知らないが、しばらく日本に流通すらしていなかったゲームでもある。
基本はitoなので、itoと違う点をあげると、大きく分けて3つ。
①数字カードが1から10だけ
これだけみると、itoの方が10倍よさそうに見えるが、実際遊んでみると、結構違う。
itoは1~100の中からランダムに配られるため、めっちゃ近い数字のカードが配られると、「無理やん」となって、かなりきついため、個人的にはここらへんのバランスが気になっていた(とはいえ、パーティーゲーの部類だろうからいいんだろうし、そんな無理ゲーを乗り越えたときの盛り上がりとかがいいかもしれんけど。ここらへんは好みかな)。
しかし、トップテンは1から10までしかないため、数字が近すぎて表現無理!ということになることがない(itoでいえば、10,20,30,40,50しか使わない感じ)ため、itoよりも事故率が減っていると感じた。ここらへんは個人的に気になっていた事故防止になっていて嬉しく思うし、さすがSDJ作品だなと思った。
まぁ、その分、MAXで遊べるのが8~9人なので、プレイ人数幅は減っているんだけれども、itoを10人以上で遊ぶなら、2グループに分けて遊ぶほうがダウンタイムとか難易度とか考えると、そっちのほうがいいんじゃないかと、個人的には思っているので、そういう意味でもトップテンの方がバランスよくて好みかな。
②お題について
itoは2つのお題から選ぶが、トップテンは4つから選ぶので、どれにしようか参加者と結構具体的に話し合うところから始まるのが面白い。
また、お題が500個もあるボリュームも素晴らしく、内容もフランスのゲームなだけあって、ユニークなものが多くて、個人的にはこっちのほうが好みかな。
中には、しゃべらないでジェスチャーとかのお題もあって(itoのお題にもあったらごめんなさい)、なかなかバラエティにとんでいる。
あとは、お題の中で、数字の大きさによって、このお題を言ってねと丁寧に説明されているところも好印象(例えば、友達のお土産で喜ばれるもの、そうでないもの、みたいなのがあったら、1に近いほど緑色で喜ばれるもの、10に近いほど赤い色でそうでないものと表現されており、遊びやすくしている配慮が良い)。
とはいえ、そこまで大きな差はないが、細かい部分の配慮という意味では、個人的にトップテンのほうがいいかな。
③ゲームのクリアについて
itoは、3ラウンドあって、2ラウンドは1人2枚、3ラウンドは1人3枚という、ザ・マインドをもとにしているだけあって、そのままもってきているだけで、おまけにむちゃくちゃ難しいので、バランスが悪いと個人的に感じており、このルールでしっかり遊んでいる人はいるのかどうかわからないが(個人的に自分が知る範囲では、ほとんどの人が1人1枚だけで遊んでいる。後継作でここらへんは修正されているらしいけど、詳しくは知らない)、トップテンはここらへんがスマートになっている。
お題カードを5枚準備して、ライフが0になる前にこれを全クリすることを目指す。itoのように手札が増えることはないので、同じ流れで遊べるところが良い。itoは、ザ・マインドを流用して難易度が爆上げされているので、ちゃんとバランス調整してつくっているなと感じるところが良い。
ライフについても、itoは日本のゲームあるあるのコストカットでライフもカードで表現されているが、トップテンでは、宝石のきらめきのようなしっかりとしたチップを使っているところも個人的に嬉しい。まぁ、ミスがう◯こになっているのは、いささか気になるところではあるが、キッズにウケを狙うと考えれば妥当か。
といった感じだろうか。
わりと褒めているが、気になる点もある。
例えば、itoと同じで、お題を言う順番が自由なんだが、数字が1~10しかない分、メンバーの共通認識で、数字が真ん中あたりの人から喋りだすみたいな感じでやると、ゲームとしてどうかと思うので、親の左隣りから強制的にお題を言ってもらう方がゲームとしてのバランスはとれていると思う。
また、「理想の結婚生活」とか、海外らしく、わりとプライベートなお題も入ってたりするので、遊ぶメンツによっては、ここらへんは気をつけた方がいいかも。とはいえ、4つのお題から選ぶので、そんなに事故らないとは思うが・・・ノリで選ばれて、自分のカードの数字で宣言するにしては恥ずかしすぎる(特に異性で遊ぶならなおさら)みたいなことも実質起きうるので、そこらへんは初対面のメンツで遊ぶときは注意したほうがいいかも。
まぁ、基本はほぼ同じなので、itoでもトップテンでも好みの方を遊べばいいかなと思うが、ザ・マインドとかニムトとかもってれば、itoって買わなくても遊べるじゃんとか思っている人(自分もそうだったけど)には、500個の個性的なお題が入っていたりするので、遊ぶ価値はあると思う。SDJってのもいいし。
逆に言えば、itoを持っている人は、別にitoが楽しければ無理に手に入れるゲームでもないんじゃないかなとは思う。違う点をあげたとはいえ、基本はitoと同じなので・・・。
評価的にも、さすがに予想の範囲内だったので、これくらいの評価だが、itoの変化球的なポジションになっていると思うので、いいんじゃないでしょうか。
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