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  • 4人用
  • 90分~240分
  • 15歳~
  • 2013年~

惨劇ルーパー Xoshio_senseiさんのレビュー

495名
1名
0
8年弱前

タイムリープをテーマにした珍しいボードゲームです。

「ひぐらしのなく頃に」、「うみねこのなく頃に」、

「魔法少女まどかマギカ」、「シュタインズゲート」

などを見たことがあるプレイヤーならイメージが掴めるかと思います。

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主人公である皆さんは、ある日、惨劇と呼ぶにふさわしい奇妙な事件に巻き込まれます。

学校のクラスメイトであるお嬢様が、神社の巫女が、病院の先生が。

それは神隠しかもしれないですし、殺人事件かもしれないですし、もしかすると、不可思議な異形の仕業なのかもしれません。

そして、絶望している主人公を嘲笑うかのごとく、また惨劇の起こる直前の日常に戻され惨劇が繰り返されます。

まるで時間の袋小路に閉じ込められたかのように。

何度も同じ日常を繰り返し、繰り返すたびに惨劇が必ず起こる。一人でどうあがいても結果は変わらない。

一体どうすればこのループから抜け出すことができるのだろう?

終わりのないループを繰り返すうちに、主人公はあることに気付きます。

同じ境遇にある「別の主人公」「仲間」の存在を。そして、この惨劇を裏で糸を引く何者かが存在することを。

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このゲームは、脚本家1名(惨劇を起こす側)と主人公3名(惨劇に立ち向かう側)に分かれてゲームを行います。

主人公同士は、ループ中は面識のない他人同士ですが、ループとループの間に位置する時空の狭間(メタ世界)でお互いを認識し合っております。

本ゲームは、ボード上にいるNPCの現在位置や時間などの世界全体をチェス盤のように、俯瞰できる位置から見下ろしながらゲームが進行します。

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脚本家はゲームマスターとしての役割を持っておりゲーム準備として、あらかじめ物語の真相を作成しておきます。

(規定ループ回数、事件内容・発生日、事件の犯人、登場人物の表と裏の役職、世界のルール、その他追加ルールなど)

「世界のルール」には、ゲーム中に発生する特殊なイベントや裏の役職の配役振り分け、主人公の敗北条件などを指しており、

複数の決められた候補の中からGMが数点、ピックアップしてシナリオに適用されます。

ゲーム開始時に主人公たちに与えられる情報は、規定ループ回数、事件の内容・発生日、登場人物(表の役職)などと、 表面上の情報だけです。

プレイヤーはゲームを通して得られた情報を元に、登場人物の裏の役職や事件の犯人など、物語の真相を探っていきます。

主人公たちの勝利条件は、 「規定日数終了時、主人公の敗北条件を満たさなかったループがあること」 、

脚本家の勝利条件は、 「すべてのループにおいて、主人公の敗北条件が満たされていること」 です。

脚本家は毎日、主人公たちを敗北条件に導くために、登場人物(NPC)に事件の引き金を引かせるために不安を煽ったり、犯人を被害者の前に移動させたりと、惨劇の下準備を進めます。

その行動の中には、推理をかく乱するためのミスリードが混ざっていることもあります。

主人公たちはその脚本家の魔の手に対して、真相を探り、それを阻止するため行動を行います。

時にはNPCと仲良くなり、そのNPCの助けを借りるのも良いかもしれません。

犯人を探るため、あえて事件を発生させて事件の顛末を見守りながら犯人を絞るのも戦略です。

主人公たちは物語の真相を探りつつ、規定ループ回数までに、主人公の敗北条件が満たされないように動きましょう。

ただ、ゲームに勝つ条件はあくまて、「敗北しないループが存在すること」なので、事件の真相解明は必須ではございません。

逆に言えば、世界のルールや事件の犯人を特定できたとしても、それらの情報を、行動に反映させないと勝つことはできません。

つまり、真相究明した上(あるいはある程度のヤマカンを入れて)、それをループに行動を反映させることが、このゲームのセオリーと呼べます。

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例:

主人公A「さっきのループの2日目の『殺人事件』の犯人は『お嬢様』だったね。これだから豆腐メンタルは…」

主人公B「『殺人事件』で『巫女』さんが殺されちゃった途端にループが強制終了しちゃったから、『巫女』の裏の役職は『キーパーソン』で間違いないね。」

主人公C「『キーパーソン』の役職が存在しているってことは、『キーパーソン』が含まれるルールが入っているってことかな。」

主人公A「まだ『キーパーソン』がいるって情報だけでは選択肢が多くて絞れないな。『シリアルキラー』の役職とかが見つかれば分かりやすいんだけど…」

主人公B「脚本家が『お嬢様』に不安を煽ったから事件が発生しちゃったんだよね。ひとまず『お嬢様』の不安を取り除けば事件は発生しないけど…

主人公C「じゃあ、2日目、『殺人事件』の予定日まではお嬢様が不安にならないように『不安-1』を乗せるようにするよ。」

主人公A「要は『巫女』が殺されなければいいわけだし、『不安-1』で取り除くより、事件が発生すること前提で、『お嬢様』と『巫女』を移動させて『巫女を対象にした殺人事件』を防げばいいんじゃないかな?」

主人公C「確かに、『殺人事件』をわざと起したほうが状況が変わるし、NPCも減って『シリアルキラー』が見つかりやすくなるね。」

主人公B「よし、俺は『サラリーマン』や『情報屋』と仲良くなって更なる情報収集することにするよ。」

主人公C「さあ、次のループを始めよう。」

脚本家「ニヤニヤ(次のループは別の方法で行くか…)」

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ただ、規定ループ回数以内に勝てない場合も多々ございます。

その際に、脚本家は主人公たちに寛大な救護措置を用意してくださいました。

「最後の戦い」です。

ゲーム終了時、全てのループにおいて、主人公側が敗北した場合、ゲームは「最後の戦い」に移行します。

これが主人公たちが惨劇に打ち勝つために与えられたラストチャンスです。

主人公は、これまでのループで得た情報を元に、物語の真相を推理してください。

具体的には、全登場人物の裏の役職をすべて言い当てることです。

もし言い当てることに成功した場合、主人公達は脚本家に一矢報いたこととなり、

惨劇に打ち勝ったこととなります。どうか、惨劇に打ち勝ってください。

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このゲームはTRPGに近いボードゲームといえます。

ただ、このゲームにはシナリオやロールプレイはなくても大丈夫です。

ゲームの真相を決めるだけで、勝手に物語が膨らんでいくのです。

ゲーム開始時に、世界のルールや役職、それらの効果などのサマリが全員に配られます。

プレイヤーは、脚本家が行った行動の解決をもとに、ルールを消去法で絞り込んでいく形になります。

また、このゲームはループ中、基本的に主人公同士の相談が禁止されています。

主人公が相談できるのはループの終了~次ループの開始の間の時空の狭間と呼ばれる時間だけです。

主人公はこの時空の狭間で、情報の共有、次ループへ挑むにあたる方針などを決め、次のループへ望みます。

脚本家は細かい物語の設定は不要ではございますが、

ゲームのルールを理解した上で、シナリオ展開を予測していく必要がございます。

主人公の敗北の流れが何パターンあり、どの敗北条件でゲームを進めていくか?

計画を練らないと、想定外のミスで1ループ目でゲームクリアなんてことも発生しうります。

しっかりと、ゲームの流れを思い描き、最初はそれの補助となる同梱のサンプル脚本で試してみてください。

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ちょっと難易度の高いゲームではございますが、 雰囲気たっぷりのとても重厚なゲームです。

合言葉は、「さあ、次のループを始めよう。」

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