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  • 2人~4人
  • 45分~60分
  • 10歳~
  • 2014年~

サンファン218toyaさんのレビュー

741名
6名
0
3年以上前

【お気に入り度 8/10】
軽~中量級・2~4人

ヴァリアブルフェイズオーダー×手札管理×拡大再生産×タブロービルド!

まずお伝えしたいのは,タイトルはカッコ良さを求めて横文字を入れましたが,やってる事はそれほど複雑ではありませんのでご心配なく 笑

このゲームで利用するのはカードのみ。お金のトークンも建物タイルもボードもありません。なのに建物も,それを建てるためのお金も,そして生産された商品までゲーム内に登場するんです。

つまり,カードがお金でもあり建物でもあり商品でもあるという事です。おったまげゲームですよね!笑 リアルではここ3ヶ月で一番回したゲームですが,その全てが2人戦だったので,このゲームを2人で回した時の感想を書きたいと思います。

【2人戦の感想】

<概要>

このゲームはプエルトリコの首都サンファンをみんなで開発し,最もサンファンの開発に貢献した人になろう!というゲームです。そのために,プレイヤーは各自色々な建物や生産施設を作っていきます。誰が建てた建物ということを明確にするために,各プレイヤーは自分の前に自分が建てた建物をどんどん置いていきます。12個の建物を誰かが建てるとその時点でゲーム終了です。

勝利点は一部の特殊なカードを除き,基本的には建設した建物から得られます。よって,勝利を目指すならたくさん建物を建てる必要がある訳です。ただし早上がりを目指して安い建物ばっかり建てていると勝利点はあまり得られません。建てるのに資金がたくさん必要な建物の方が得られる勝利点は高い。また,建物自体がそれぞれ何かを生産できたり特殊効果を持っていたりするので,何を建てるか,どういう順番で建てるかが悩みどころになってきます。

更に,建物を建てるときの支払いは手持ちの建物カードをお金として支払うシステムとなっており,「せっかく手元にAっていう良いカードがあるのにこれをお金として支払わなきゃ(=捨てなきゃ)ならんのか?でもBは早めに建てておきたいし,Aはいったん諦めか?ウムム!」と,良いカードを持ちすぎててもそれはそれで悩みが生まれる 笑。このゲームのデザインをカードのみで全てまかなうシステムとした事で,逆に「手札の良い建物もお金として支払わなければならないジレンマ」を生み出したというのは凄い点だと思います。

また,2人戦の場合最初のラウンドはプレイヤーA,プレイヤーB,再度A,の順に1つずつ役割を選び次のラウンドではB,A,Bの順に3行動。という各自の行動回数と順番の違いがありますが,基本ルールである「そのラウンドで誰かが選択済の役割を再度選ぶことはできない」「役割を選んだ人には特権が与えられ,もう1人のプレイヤーは特権無しだが可能ならばその行動を取ることができる」点は共通しています。これにより、お互いの取る行動が相手に影響を及ぼします。

従って「あの行動は相手が取るはずだから、特権無しでもいいからそれは向こうにやらせてこっちはこの行動を先に…」「あっ、先に取られた!その特権欲しかったのに。ならこうだ!」「ですよねー(読んでたよウンウン)」のような、「今どういう盤面で相手が何をしたいか」という事の読み合いが発生するわけです。ここの部分がインタラクションな訳ですね。

2人用だと2回に1回は特権付きの行動が取れるので、多分3人、4人プレイよりも相対的に行動が強力になりやすく、テンポはきっと速いのだろうな,と思います。

<自分の場がどんどん育つ爽快感>

このゲームでは建物はさまざまなプラス効果を持っており,例えば誰かが「金鉱掘り」アクションを選ぶと山から4枚めくり,建築コストが4枚全部違うカードをめくれれば,1番コストが低いカードを1枚得ることができる「金鉱」,建物を建築した後に自分の手札が1枚以下なら山札からカードを1枚引ける「救貧院」,建築で都市施設を建築した場合山札からカードを1枚引ける「家具製作所」等,色々な特殊効果を得られる「都市施設」と,生産して売却した際に山札から多くのカードを得ることができる「生産施設」があります。

建物を建てて悪いことは一つもなく,良い効果を得たりたくさんカードを得られる商品を生産できるようになっていくため,自分の場がどんどん育っていくと,加速度的な拡大再生産とまでは言いませんが,どんどん有利が積み重なってプレイが楽しくなっていく。タブロービルド的な爽快感ですね^^

ルールのシンプルさや,扱うのがカードのみと言う手軽さもあって,短時間でどんどん回し,負けてももう1回!と再戦要求となる,中毒性の高いゲームです 笑

<気になる点>

上記で見てきたように再戦しやすいゲームのため何度もプレイを繰り返したのですが,その中で気になった点をあえて挙げると,「生産施設がもう少し強くならなかったのかな?」という点です。このゲームを20戦以上やっているので,その中で例えば生産寄りのプレイなども試してみたのですが都市施設プレイに1度も勝てませんでした。

無論,ゲームデザインが都市施設を重んじているのだから,それに沿ってプレイすれば良いのでは?という考え方もあります。でも個人的にはせっかく112枚の基本ルールのカードのうち44枚もある生産施設や,水道橋,交易所,マーケット等の生産施設を強化する都市施設も活躍させたい訳です 笑

そこで,以下のようなハウスヴァリアントを作って導入してみたところ,生産重視プレイでもそこそこ良い勝負ができるようになりました。もしご興味がある方が居ましたら,導入して試してみてください^^ (なお勝利点トークンは各自ご用意ください 汗)

○商人の特権
通常の売却に加え,さらにもう1つの商品を売却できる。(以下追加)この時,売却価格分のカード枚数として全てをカードで得るか,得るカードの一部または全てをカード2枚ごとに1勝利点として得てもよい。カードの枚数と勝利点の配分は任意に決められる。勝利点は,最後の得点に合算できる。なお,図書館の効果は「商品を3つまで売却できる」部分にのみ及び,勝利点の変換効率に変更はない。
例:アーサーは商人を選んだ。既に自分の場に図書館を建てているので,特権により3つの商品を売却できる。彼は2つの銀と1つのコーヒーを売却することとし,これらは8金分の価値となった。彼は既に手札を3枚持っていたので売却により手札が7枚を超えないよう,カード4枚と2勝利点に分配して得ることにした。

<結びに>

そんな訳で,私が楽しんでいるゲームだからこそ色々思うところもあった訳ですが,基本的には建物カードをお金や商品などとして使い回し(失礼,活用し 笑),さまざまな施設の効果をどんどん発動し,あるいは商品をガンガン生産して各自の勝利に向かっていくというシンプルにしてテンポ溢れるこのゲームは大好きです。未プレイの方はぜひ一度お試しいただきたいです^ ^

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。皆様の良きボードゲームライフに貢献できれば幸いです。

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18toya
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