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  • 2人~5人
  • 45分~60分
  • 12歳~
  • 1999年~

ラー大吉さんさんのレビュー

536名
8名
0
約3年前

★★★Excellent!!

メディチ、モダンアートとプレイして、そしてラーです。

共通の場に並べられたタイルを競りで獲得して、それをセットで集める事で点数になるだけのゲームなんですが、随所に仕掛けが施されていて飽きさせない!

競りと、タイル集め。やることはこの2つ。でも、工夫がある。

まず、競りです。1ラウンドに数字の書かれた木のコマを1人4つ使います。4つのコマはそれぞれ違う数字で、これを使って競りをします。同じ数字はなく、全員違う数字を使います。

例えば、プレーヤーAは3、6、9、12、プレイヤーBは2、5、10、13、といった具合に。

手番の左隣のプレーヤーから一巡競りです。木ゴマを全部使ったらランドから抜けるようになっていて、1人最大で4回競り落とすチャンスがあります。なので、最初に強い数字を出されて競り負けても、後半で競り落とすチャンスはあります。

そして、競り落とした場合に使ったそのコマは共通の場に置かれます。そして、次に競り落とした人はその共通の場のコマを取り裏向けて、そのラウンドでは使用せずに次のランドで使います。

なので、次のランドでは使える数字がガラリと変わります。タイルを取ることだけではなく、次のラウンドの競りで使う数字コマの事も考えないといけないので考える事も多いです。

それと、競りがはじまるタイミング。

このゲームは順番にタイルを1枚引いては共通の場に並べていきます。最大8枚まで並びます。

この共通の場にあるタイルを競りにかけて手に入れます。競りを始めたい場合は、タイルを引く代わりに競りを宣言します。宣言したプレイヤーは最後に入札できます。なので、みんなが出した数字を見て入札できるので有利。

場に並べられたタイルの数が1枚でも、2枚でも、7枚でも、手番が回って来たら好きなタイミングで競りを始める事ができる。

ただ、上限の8枚までタイルが並ぶと、次のプレイヤーは強制的に競りを行います。

ここまでで考えると、競り勝つのは大きい数字を持ったプレイヤーであり、タイルが一杯並ぶまで待ってから競り落とした方が、タイルを大量にゲットできてお得という事になります。

しかし、そうはならない!

そう、ラーのタイルです。このタイルがこのゲームの主人公です。

ラーのタイルを引いたプレイヤーは、強制的に競りを始めなければならない。

タイルの数が少なすぎたり、要らないタイルが並んでいる状態でも強制的に競りが始まる!

タイルの中には取ると厄災が起こって、手持ちのタイルを捨てさせられるバッドなタイルもあります。

もちろんそんなタイルは欲しくないので、全員パスするわけですが、みんながパスしたから並んでいたタイルが流れるわけではなく、引き続き以前のタイルは残したままで追加でタイルを並べていきます。なので、嫌なタイルは残ったまま。

でも、8枚一杯になって競りが始まり全員がパスしたらその8枚のタイルは全部流れます。

なので、最初に自分の欲しいタイルが来なくても様子を見てもいいし、大きな数字は後に残しておいて勝負をかけようと思うわけですが、これが危険!

なぜなら、ラーのタイルが一定枚数引かれると、そのラウンドが強制的に終了するから。そして、思った以上にラーのタイルが沢山仕込まれていて、思った以上に早く終了が訪れる!

という事は、使われなかった数字の木ゴマはパー。4回競り落とすチャンスがあるのに、2回しか出来なかったということも。

ラーのタイルのおかげで、様子を見て待つのが難しい。ラウンドが長引くと危険。

ラーのタイルは後何枚引かれるとこのラウンドが終了するか視覚化されています。

後1枚ラーが引かれるとラウンドが終了すると言う時には、みんな必死になってタイルが1枚であろうが2枚であろうがコスパに関係なく取りに行きます!

もし、このラーのタイルの存在が無かったら、このゲームの面白さは3分の1になるでしょう。

メディチでも良いカードを待ちすぎてパスを続けると、山札が尽きて結局カードが手に入らないという事がありましたが、このゲームではラーがしゃしゃり出て来て終了を早める。

オラ!オラ!ちんたらしてるとゲームを終わらしちまうぞ!と、積極的にゲームに参加して来ます。

あんた、何人おんねん!

真に、神の成せる業でしょう。

次に、タイルの種類です。大まかに分けて3つのパターンがあります。全部で3ラウンドありますが、ラウンドが終わって得点したら破棄するタイル、ラウンド毎に得点してラウンドが終わっても残り続けて累積するタイル、獲得してもラウンド毎の計算はなくゲームの最終で得点計算するタイル。

内容は、同じタイルを集めたら何点とか、色んな種類を集めたら何点、このタイルを一番多く持っている人が何点とかです。

面白いと思ったのが、文明タイルは種類を多く集めるごとに点数が伸びますが、一枚も持っていないと減点を食らいます。文明タイルはラウンドの最後に全て破棄されるので、毎ラウンドごとに文明タイルを集めようと思っていなくても減点を避けるために一枚はゲットしたいわけなんです。なので、好きなタイルばかり集めるわけにもいかない。

それと、洪水タイルです。ナイル川のタイルは一枚1点と低いですが、ラウンドが終わっても残り、次のラウンドで獲得したタイルが加算され累積するのでなかなか魅力的。ですが、その魅力的なナイル川のタイルは洪水タイルを最低一枚でも獲得していないと点数にならない、何枚持っていても0点です!

そして、その洪水タイルはラウンドが終わると全て破棄される。毎ラウンド洪水タイルを確保しないと、いくら累積するナイル川のタイルを集めても意味がない。

取らないとマイナス点の文明タイル、取らないと点数が入らない洪水タイル。タイルの取り方にも妙なバランスを求められて、一筋縄ではいかない!

クニツィーアは時々こういう事をしてきます。

例えば、チグリス・ユーフラテスでは4種類の得点要素の内、一番低い種類の点数が自分の得点になります。バランスよく点数を取れと!ヴァンパイアではカードの種類毎に得点しますが、一番低い点数のプレイヤーは足切りで0点。ハイソサエティでは、お金を使って競りをしますが一番お金を使い過ぎたプレイヤーは脱落。

これがあるおかげで悩ましく、引き締まったゲームになる!

ともすれば、ぬるい競りゲームになりそうな所に、ラーを投入してきて競りを活性化させてインタラクションを誘発。アイデア一つでゲームを一変させるのは流石の名人芸!

ロストシティの賭けカード、キングダムのドラゴンタイル、酔いどれ猫のブルースのジョーカーカード。分かってるう!

後は、タイルの袋引き。みんなで袋を回しながら順番にタイルを引くのは案外楽しい。でたっ、ラーや!またラーかいな~!ラーばっかりやん!どんだけラーあるねん!

2人と3人でプレイしました。インタラクションは人数が多い方が面白いとは思いますが、多すぎる人数はタイルが集まりにくいストレスはややあるかも知れません。2人プレイでも十分に面白く、タイルが集まりやすい。競りゲームが2人でも楽しめるって貴重。

ルールは簡単でもなく、難しくもないといった所です。小学生でもプレイしながら教えてあげると分かるんじゃないでしょうか。

古代エジプトのアートワークも最初は華がなくて地味やな~と思いましたが、見慣れるとこれ以上ない絵面のような気がしてきた。

競りゲームは最近では古いと言われる事もあるみたいですが、プレイしてみると古臭さは感じず不変的な面白さ!これぞボードゲームって言う感じですね!

想像するに、1992年モダンアート、1995年メディチ、1999年ラーと立て続けにおもろいゲームを発表したがために、これ以上の競りゲームを作るのが難しく、それ以上の発展はなかったのか。

いや、私のボードゲーム歴は浅いので、まだ知らないだけでこれ以上のものがあるかも知れない。

この3部作を越える競りゲームに出会いたい。

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