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  • 2人~5人
  • 15分~30分
  • 10歳~
  • 2018年~
271名
1名
0
2年弱前

儚くも美しいイラストで定評のあるDOMINAGAMESの一作。

今回は、悪魔により沈みゆく平和だった島から出来る限りの叡智と命を救い脱出するゲームです。

今回もAsahiro氏による筆のタッチが残る繊細な絵柄がテーマに合うデザインとなっており、なかなか美しい。青を基調とした箱のデザインもいい感じです。女性チームにも大好評でした。(同社の『Argoat』と同じ絵師さんで、他の作品のように美少女美少女しておらず、儚いタッチはまさに美しいとしか言いようがないです♪)

じゃあ実際の中身はどうだろう?という事で、たまたまゲーム会の終わりに時間調整でプレイしたところ、見事な盛り上がりを見せ、終了時間をオーバーして計3ゲームとなりました♪(1ゲーム10〜15分程度なのでそれほど問題なし)

◾️今回プレイしたのは改訂版

もともと2015年に発売された『プララーヤ』は、購入検討をしているうちに完売し、買い逃してしまいましたが、今回発売されているのは2018年に改訂された『リバイズド・エディション』となっています。

カードのフォントや、プレイ人数による調整などが加わっているそうですが、細かい変更点は残念ながら分からないので比較できずにごめんなさい。

◾️沈みゆく島はカードだけで表現される

中央には6枚×3列のカードが公開され、これが島を表します。

カードには《遺物》と《海》があって、みんなで3アクションぶんの《遺物》カードを取り合っていきます。《遺物》を取ると、そこには新たに山札からカードを公開して補充するのですが、全体の1/4くらいがただの《海》なので、だんだんと場のカードに《海》が増えていく仕掛けです。

単純ですが分かりやすい良いルールだと思います。

そして、全員が脱出するか、全部《海》になってしまったらゲーム終了です。

ちなみにもう予想通りだと思いますが、島が全部海に飲まれてしまった時点でまだ脱出していないプレイヤーは《脱落》です。

点数が0点やマイナスの者よりもさらに下位扱いされますので、お互いの点数を見ながら脱出のタイミングをうかがいます。

ここがスリリングなところで、とても分かりやすいチキンゲームになっています。(この分かりやすさはビギナーにも充分オススメできます♪)

◾️取得したカードによる点数勝負

島として公開されている《遺物》カードには《コスト》《点数》《貨幣価値》《存在する枚数》などが描かれており、自分の手番に《コスト》の合計が3になるように好きなカードを取得していきます。どのカードを選んでもOKという自由度の高さがとても分かりやすくてよろしい♪

実は予想に反してカードの並び位置は特に関係なかったりします。

それぞれ点数が書いてあるわけですが、取得した枚数の《2乗》が点数になる《偉大な像》とか、

単独で最も多い枚数を取得したプレイヤーだけが15点を得る《化石》とか、他のプレイヤーが何枚取ったかを見ながら選ばなければならないわけですね。

我々が特に面白いと思った点は3つ

①闇堕ちできる!

カードの中には点数の低い《悪魔の像》というのがあって、それだけでは大した点数になりません。

ところが《悪魔の契約》を取ると、この《悪魔の像》の点数を『×マイナス3』するのです。なんだマイナスか〜と思ったアナタは甘い!

そうです!もうお分かりですね!掛け算なんですよ。

例えば《悪魔の像》が2枚あれば(-3)×(-3)=+9倍になるのです!

悪魔契約といういかにも闇堕ち設定に手を出す事でイチかバチかの大勝負に出ることができるのです。

こういう設定は大好きですね。

狙って手を出した1人が、《悪魔の像》3枚で終わり、3枚の計6点×(-27倍)で-162になった時は全員大爆笑でした♪

②脱出する船は有料!

カードの中には金貨、銀貨、銅貨などのコインがあり、これを支払う事で脱出用の船(ドニ)が買えます。

自分たちの島が沈みつつあるってのに有料かいっ!て笑えます。

ところがこの船の金額ですが、1枚目は《所持金全て》、2枚目は《2金》、そこからだんだん値上がりしていきます。アコギな商売ですよね!

島がどんどん海に呑まれていく事だけではなく、船の値上がりも焦るポイントなのです!しかも大抵の場合2枚目の《2金》が一番安い。

だから最初の船にはあまり乗りたくない。でも4番目や最後の船は高くて避けたい。ここに強烈なジレンマが発生します。

このルールお気に入りです。今ならあの《遺物》が取れるけど、今《金貨》を取っておかないとヤバい!みたいな展開になるのですね♪

(ちなみに耳慣れない『ドニ』とは古代モルディブで使われていた多目的帆船の事だそうです。)

③先に脱出したプレイヤーは暇?

いえいえそんな事はありません。先に脱出したプレイヤーは一時的に脱落扱いとなりますが、何とそのままゲームに参加します!

自分の手番には島のカードを1枚選んで捨ててしまうのです。どれを捨ててもOKという凶悪さ!

このルール大好きで、みんなニヤニヤしながら相手が集めているカードを捨てにかかります。

そしてまた山から補充なので、また《海》カードになってしまう可能性があるわけですね。(脱出できなかったら強制最下位ですから♪)

わかりやすくて良いルールだと思います。

◾️単純に盛り上がる

ルールがシンプルなので悩みどころが分かりやすいのがいいです。

特に今回は、ヘビーなゲームで疲れた後に軽くプレイしたので余計に高反響でした。

「よーし、俺はこれとこれをもらおう。これで《割れた壺》が3枚だから20点になるぜ」

「じゃあその場所にカードの補充ね。まず…《海》!」

「きゃー沈む沈む!そろそろやばくない?」

「もう1枚は…《金貨》!」

「やったー!次アタシよね!それもらったー!」

「くぅぅ!取られた!」

「そのまま船買って脱出するとか?」

「まさか、まだまだこれからよ。これで私も《聖典》買いまーす。」

「だよねー。これで行動4か」

「じゃあそこめくるよー、あ…また《海》だ(笑)」

「いや、マジでヤバいかも」

「…このペースだと結構早いぞ。俺も船買おうかな。あ…金足んないや(笑)金出ろー!」

…といった感じでした。


基本的に取り合いのチキンレースなので、盛り上がるにはプレイヤーは多い方がいいでしょう(5人までできます)。ただし人数が多いとそのぶん場のカードをどんどん取られていくので、自分の手番までに場の並びがガラッと変わっていて、運要素が高くなるのは避けられません。(もちろん運だけで勝てるゲームでもないですが、このくらいのバランスも結構楽しい)

本来がガチな戦略を狙って勝つゲームではないので、ぜひそこを理解してサクッと楽しくプレイしましょうね♪

【補足】

改訂版でありながら、なぜかまだルールが未整理の部分が散見されます。

例『化石』…『ゲーム終了時に《ドニ》を持っていないプレイヤーは、化石も持ってないものとする。』

とありますが、そもそも終了時に《ドニ》がないプレイヤーは得点計算を行いません。

まあ、特にプレイ上問題はないのですが、ちょっと気になりました。

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