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  • 2人~4人
  • 60分~90分
  • 12歳~
  • 2019年~
695名
5名
0
約1年前

生物の進化と繁栄をテーマにした『エボリューション』の姉妹版です。(拡張セットでなく、ルールがだいぶ異なる独立作品です)

今作もしっかりとした生物学に基づいており、制作に3年かけたと言われています。

今度のテーマは海洋生物でした。

今度も、前作同様に水彩画で美しいイラスト満載で、カードを眺めているだけでとても満足。

『エボリューション』は我々グループでも好評なので、早々に入手したもののなかなかプレイ機会が無く、ようやくプレイ!

◼️やたら豪華なコンポーネント

カラフルで美しいカードの他に目を引くのが2つ。

一つは厚紙打ち抜きでできた大量の小魚コマ。

しかも模様の違うものがあり、ざらざら並べるとなかなか壮観!

もう一つは、その小魚を入れる厚紙組み立て式の美しいトレイ。

ここに小魚コマを入れると、生命に満ち溢れた海洋が出来上がります。これが個体数のマーカーにもなり、餌にもなり、寿命をまっとうして勝利点にもなる、という仕組みです。

『エボリューション』では、餌は厚紙のマーカーで、個体数の表示などは木製のキューブだったので、ビジュアル面では圧倒的に美しいゲームとなりました。

◼️ルールはだいぶ違う。

『エボリューション』では、陸上生物の《個体数》《体格》など、種としての発展が目標でした。

しかし今作は《体格》という概念はなく、種の増加だけを表示します。

展開自体はほとんど同じで、様々な生物学的な特徴カードを付けていく事で、様々な生態の海洋生物が出来上がっていきます。

前作では進化の特徴がある程度限られていましたが、今作はそこに、全て1枚限りの膨大な《深海カード》というものがあり、かなり特殊な能力を付け加える事ができます。(追加でコストがかかる点が、通常と違う)

そのため、進化してできる生物のバリエーションは、遥かに膨大なものとなっています。

◼️やはり大自然は厳しい世界

やってみて特に思うのは、今度の海洋生物は…弱い!弱すぎる!

食物連鎖が厳しいためか、割とすぐ死ぬ。

頑張って個体数を増やしても、毎ラウンドごとに、世代経過のため2個ずつ死ぬ!(これが寿命真っ当なのか勝利点になります。)

じゃあたくさん増やそう!とか思っても、上限の10個に達すると何と《過剰繁殖》として、半分は場に戻されてしまうのです!

だから、一所懸命に餌(小魚コマ)を食べて、増えすぎないように絶滅しないようにバランス良く繁殖するように考えてプレイする必要があるのです。

これはけっこう難しいです。

◼️今回もあります、《捕食》!

前作も、ある程度進化すると、他の種を捕食して生存する種が現れて、これが攻撃要素を含むので、けっこうスリリングになりましたが、今作にも《捕食》進化は可能です。

生存競争のために、他の種を捕食しなければ生きていけない生物の自然界の宿命をしっかり表現する事で、ゲームとしての緊張感を導入している点は高く評価したいところです。(争いたくないから《食べないで我慢する》という選択肢はありません。まあ、捕食しない方向性にだけ進化させる事は可能ですが、自然界はそんな甘いものではありませんよね。)

これによって、前述のようにせっかくバランスをうまく保って繁殖してきた生物種なのに、捕食されてしまう事で予測が狂ってしまうんですよ!これにより事態はさらに難しい対応を余儀なくされるわけです。

こういう根拠のしっかりした攻撃性は、やってもやられても気持ちがいいです。(それでも嫌がる奴は…放っておきましょう)

↓この赤い数字が付いてる奴が捕食者ですな。

◼️自分が育てた愛しい生き物たち

「よーし、次俺な。この《群泳》を付けよう。これで個体数が5以上なら捕食されないぜ」

「でも、毎回3つ死んじゃうわよ」

「うん、きついけど勝利点になるからな。で、《触手》があるから2回餌を食う、と。これで3匹老化しても…ほら大丈夫♪」

「なるほど〜。キモくていいなぁ❤︎」

「じゃあ私ね。この《寄生》を付けて隣から2匹食べる…と」

「うわ、こっちもキモくて素敵♪」

「あれ?さっきのそいつ厳しくない?毎回2匹喰われるって事でしょ?」

「うわ、ホントだ!おのれやりやがったなー!」

「だって《吸血》って、可愛いじゃない」

「う〜む、彼女らの感覚はよく分からんなぁ(笑)。とにかく何とかしないと。」

「…で、こっちの子でこれを《捕食》と。」

「自分の種を食うのかい!」

「いいのよ、また作ればいいんだから♪」

「…恐るべし!」

という感じでした。

なかなか楽しいけど、ちょっと効果の適用が複雑なので気をつけて下さい。(『右隣の生物が食餌した時に、この生物も餌が2匹取れる』など)

うっかりミスのないように確認しながら、じっくりとやりましょう。

◼️カンブリア爆発!

テーマが現代的な海洋かと思っていたら、何と古生代カンブリア期における生命の起源の話でした!

古代地球で発生した多種にわたる生物群の生存競争だったのです。

だから、ある時点で《カンブリア爆発》と呼ばれる爆発的な生物進化が発生し、さらに多様な生物の進化が加速するのです。これには深く納得すると共に感動です。(これをテーマにしたゲームを他に見なかったので嬉しかった♪)

このゲーム内で、多彩な生命が誕生しては生存競争にさらされ、次々と儚く絶滅していく様は、まさにカンブリア爆発そのものじゃありませんか!(メンバーに『カンブリア爆発』が通じない奴がいたので、君らもっと勉強しようね♪)

でもさすがに超有名な《アノマロカリス》や《オパビニア》は直接は出て来ませんのでご注意下さい♪

◼️追記①

訳の問題なのか、この日本語版ルールブック。めちゃめちゃ分かりにくい!

用語も無理やり《食餌》《採餌》など、ピンと来ない用語を当てはめており、一読では何となくスッと頭に入って来ません。ルール説明の時もうまく通じません。

BGG(BoardGame Geek)に公開されている有志による日本語訳の方が、エラッタも無く分かりやすいです。(アークライトさん、すまん)

仕方ないからまたサマリーを作ろうと思ってます。

◼️追記②

このゲームの箱ですが、なぜか裏面に内容の説明文がいっさい無く、ただのイラストしかありません。

その代わり説明文が箱の横に書かれていて、そのため他のゲームと一緒に並べるとタイトルが見えないため、非常に見栄えが悪い!

何でこんなデザインにしたんだろう?

そう思うユーザーはたくさんいるらしく、前述のBGGにもボックス横に貼り付ける表示シールが紹介されています。(使うかどうか悩み中)

◼️追記③

小魚コマは、模様の違うものが何種類かに分かれていますが、特にゲーム的な効果は何も変わりません。

わざわざ色(デザイン)を変えるなんて、太っ腹な事をするなあ…、と思ったのですが、実は意味がありました。

小魚コマは大量にあるので、プレイ人数によってセットアップでいちいち数えるのが面倒なんですよ。(例:4人ゲームなら140匹使う)

ところが、色ごとに数が決まっているので、特定の色の魚を全部混ぜれば、全部でいくつになるかがすぐにわかる、という仕掛けです。

これには感心しました。こういう工夫ってすごく大事ですよね。

◼️追記④

本来は4人までのゲームですが、この日本語版には最大6人までプレイできる拡張セットが最初から同梱されています。

これは人数の多い我々グループにはとてもありがたくて涙が出ます!(最近は4人用ばっかり…)

ただし、やってみると6人プレイは、捕食や生物同士の相互関係がものすごく複雑になり、かなりカオスな進行となります。

時間もかなりかかりました。(と言っても1時間半越えた程度ですが)

そのため、いきなりの6人プレイはお勧めしません。慣れるまで4人プレイで我慢しましょう♪

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