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  • 2人~4人
  • 45分前後
  • 8歳~
  • 2011年~

キングダムビルダーBluebearさんのレビュー

679名
6名
0
5年以上前

デッキ構築型ゲームの金字塔『ドミニオン』シリーズの作者ドナルド・ヴァッカリーノ氏の、もう一つの傑作シリーズがこの『キングダムビルダー』です。

相変わらずこの作者の持ち味である「やるたびに条件や設定が違う」というスタイルは踏襲されており、8枚のマップボードから4枚をランダムに組み合わせて使用し、10種類ある勝利得点の条件のうち3枚だけをランダムに公開して使用することになっております。

(余談:例によって計算好きな私が試算すると、前者が向きも考慮すると13,440通り、後者が組み合わせで120通りなので、かけると160万通りを越えてしまいますね。拡張セットを入れたら…もう考えるのをやめましょう。笑)

私自身も『ドミニオン』の印象が強すぎて、「え?ボードがあってコマがあるの?」という当たり前なんだろうけれど、逆に新鮮な驚きで、ルールを読んでも、その地図上のマス目にコマを並べてゆくだけのシンプルなスタイル。

サイコロ判定もないし(ドミニオンもなかったけど)派手なアクションもないルールを読んで、正直最初は「これは…大外れを引いてしまったか!?」と、モチベーションが湧かずに2年ほど放置しておりました。

しかしいつの間にか拡張セットがいくつも出てるらしいとか、面白いらしいとかの噂を目にするようになり、う~んこれはやはり一度試してみるかぁ…とゲーム会で広げてみたわけです。

結果は…大変面白かった!!ヴァッカリーノさん、疑ってごめんなさい!

実にきっちり作られたドイツゲームらしい傑作でした。

ゲーム進行はびっくりするくらい非常に非常にシンプル。

ボード上には6角マスが広がっており、そこに「草原」「砂漠」「森」「渓谷」「花畑(なぜ!?)」という地形が描かれております。(一見するとウォーゲームをやりたくなりますね。)

ここに手持ち40個の入植地コマを置いてゆく。…ただそれだけです。

そうなんですよ、そう説明してしまうと全然面白く聞こえないですよね!

これが素晴らしく面白いのだからアナログゲームって不思議です。


自分の手番には3個のコマを置かなければならないのですが、大きな縛りが2つあって、

①ランダムに引いたカードで指定された地形に置かなければならない。

②できる限り自分が置いたコマに隣接するように置かなければならない。

と決められております。

そうやってどんどん進めていって全員がコマを置き切ったら終了なのですが、ゲーム最初にランダムに引いた3枚の王国カードによって勝利得点の取り方が決められているので、最後にそれにしたがって得点を計算して、高い者が勝利!と非常にわかりやすい。

この条件がそれぞれ全然違っていて《漁師》なら「水辺に隣接する入植地コマ一つにつき1点」とか、《騎士》なら「横一列に見て、最もたくさんの自分のコマがある列において、入植地コマ1個につき2点」とか、《市民》なら「連続している最も多数の自分の入植地コマのグループにおいて、入植地コマ1個につき2点」とか、はっきり言ってバラバラ。

この条件にあてはまらないコマは基本的に点数にならないので、これで必然的に拡大方針がゲームごとに大きく変わるわけですね。

なんとなく分かっていただけましたか?(なので予想通り、1ゲームでは終わりません。他のパターンも試してみたくなるじゃないですか?笑)

「よし、俺は草原だから、こことこことここにコマを置くぜ」

「あああっ!何でこっちに来るんですか!?僕がそっちへ行きたいのに」

「だって草原を引いちゃったんだから仕方ないじゃないか~(ニヤニヤ)」

「そっちにも行けるじゃん!」

「いやいや、そっちは〇〇ちゃんの国だから、ヘタに邪魔すると後が怖い(笑)」

「やったー!じゃあね、私はお花畑を作るの!ここに3つ伸ばして…」

「おい!やっぱりこっちに来るのかいっ!」

「お花畑だからいいじゃない」

「そういう問題じゃねーっ!くそおやり返してやるぞ」

という感じで、互いに妨害し合いながらテンポよくゲームは進みます。

4人でやって1時間かからないくらいでしょうか。

ルールが単純なので、初心者も初回から十分楽しめるので、今ではお気に入りのひとつとなりました。(ちなみに今回は触れませんでしたが、ボード上には少数ですが「城」とか「オアシス」「塔」「酒場」「港」などの特殊地形があり、そこに隣接することができれば、ちょっとした特殊効果を早い者勝ちで得ることができるので、これが単調な展開にちょっとしたスパイスを加えてくれるのも、いいさじ加減です。)

まだ試してはいないのですが、第一拡張の「キングダムビルダー遊牧民」も購入しました。これで5人までプレイできるようになるので近いうちに試してみます!


補足

どうでもいいことなのかもしれませんが長年ボードゲームをやっている私が改めて感心した点を書き添えておきますね。

このゲーム、徹底して「長考」でゲームがダレることを回避する工夫がしてあります。(これってすごいことですよ!)

基本的にコマの置き場所は、このカードの引きに縛られますが、カードは常に1枚しか引かないので選択肢がありません。

ですがやってみるとわかります。選択肢がなくていいんです。

置き方だけでも十分に選択肢があるので、これ以上選択肢に選択肢を重ねるといたずらに迷う要素が増えるだけで、「長考」の原因にしかなりません。(往々にしてデザイナーは要素を付け足したくなるものなので、こうやって鮮やかに切り捨てるデザインは逆に感動します。)

さらにこのカードは、自分の手番の「最後」に新しいカードを引いておきます。

もし手番の最初に引いたら、そこから「どうしよう?」と考え始めるので、これも「長考」の原因になりますが、このゲームではあらかじめ指定されている状態で手番を待つので、他のプレイヤーがコマを置いている間に「あーそう来たかー」「よしあっちが行けるな」とかいろいろ作戦を練ることができるのです。(だからダウンタイムも盛り上がり、手番待ちがあまり気になりません。)

改めて本家ドイツのデザイン姿勢ってすごいな、と感動した次第です。

もし『ドミニオン』が好きで、まだこの作品を試したことのない人は、どこかで見つけて遊んでみましょう。きっと新しい楽しさを見つけることができると思いますよ♪

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