アイム・ザ・ボスひなのすけさんのレビュー

交渉がメインとなるゲームなので、楽しむためには一緒にプレイするメンバーを少し選ぶ必要があると思います（このゲームは基本的にゲームエンジョイ派が適していると思います）。

その条件をクリアしているのなら、かなり面白いゲームになる思います。

各プレイヤーは投資家です。企業の株売却利益の分配会議に出席しています。ほかのプレイヤーと交渉を重ねて、なるべく自分自身の取り分を多くしていくことを目指します。最終的にもっとも多くの分配金を得てお金を得た人が勝ち、というゲームです。

各プレイヤーには、順番に株配当の分配率を決めることができる「ボス」の役割がまわってきます。ボスは、分配率を決めることはできますが、自分が欲する提案を通すには規定数の投資家の同意を取り付ける必要があります。

自分がボスの時に、がめついて自分だけの利益を優先しようとすると、ほかの投資家の同意が得られずに分配の議案そのものが流れてしまいます。

現役のボスを引きずり下ろして自分がボスに成り替わることができるカードがあったり、議決に必要な投資家を無理やり旅行に飛ばして会議に出席させないカードがあったり、旅行に飛ばされた投資家に成り替わって会議に出席できる「投資家の親族」カードがあったりと、とにかく自分自身の利益を高めるためにカードの効果や交渉術を駆使してあの手この手で他人を出し抜くゲームです。

時には強気に、時には妥協して交渉していきます。

他人を邪魔する要素が強いので、おおらかな気持ちでゲームを楽しめる人と遊ぶか、または気心の知れた仲間同士で遊ぶのがよいと思います。そういうメンバーなら、お酒を飲みながらなら、より盛り上がると思います。

イラストも独特の風味があって、いかにもマネーゲームに登場してきそうなクセのありそうな人物たちが描かれており、よい感じの雰囲気を醸し出していると思います。

個人的には、かなりお気に入りのゲームです。