- 2人~4人
- 60分前後
- 10歳~
- 2010年~
フレスコレモネードさんのレビュー
フレスコ画家になり、大司教の命令で、
大聖堂の天井のフレスコ画を修復していくゲーム。
友人たちと4人でプレイしました。
この日本語版には、もともと4つ拡張が含まれていて、
今回は肖像画の拡張ルールを混ぜて遊びました。
基本ルールもそんなに複雑でない
てゆーか、ルール自体が、
「フレスコ画を修復する画家」ってゆうテーマを、
めちゃうまいこと表現しており、
理にかなっていて、覚えやすいので、
最初から拡張を混ぜても全然問題ないレベル。
特に肖像画の拡張ルールは、
ゲームの選択肢に、ちょっとしたジレンマを与え、
より悩ましい楽しみが加わるので、
最初から入れて遊ぶことをオススメします。
とゆーことで、
まず上記のボードの写真を見てくださいな。
真ん中に、格調高い宗教画が描かれてますが、
これが、みんなで完成させる絵です。
ゲームスタート時は完成してないので、
準備として、この上に、
沢山のフレスコタイルなるものを、
ランダムに配置して絵を隠してます。
このフレスコタイルを各自が獲得していくことで、
下のフレスコ画が少しずつお目見えするワケです。
んで、各フレスコタイルには、
そのタイルを獲得するのに必要な、
特定の色と数のキューブが記載されており、
そのキューブを支払うことで、
そのフレスコタイルを獲得するって仕組みです。
もうおわかりだと思いますが、
キューブは絵の具であり、
これは、その絵の具を使用して、
絵を描いてるってことを表しているのです。
実にわかりやすく、
テーマを感じさせるシステム。
獲得と同時にフレスコタイル記載の得点を得るのですが
これが、点数稼ぎのメイン骨格です。
ちなみに、タイル自身は裏を向けて所持し、
そこにはコイン1枚の絵が描かれており、
そのラウンドの自分の収入を示すことにもなってます。
(つまり1枚獲得する毎に1金ずつ収入が増える)
さて、ルールの方なんですが、
基本的には、自分のマイボードがあり、
5つのアクションが描かれてて、
そこに自分の5人いる弟子(いわゆるワーカー)を配置して、
その配置した通りにアクションを実行する、
いわゆるワーカープレイスメント
ってゆうタイプのゲームなのですが、
通常のワーカープレイスメントとはちょっと違い、
配置する時は、みんな、衝立の裏で、
密かに5個のワーカーを配置して、
その後、一斉に公開して、自分の手番になったら、
配置した通りにアクションを実行する、
あらかじめ自分のアクションを計画しておくゲームです。
しかも、自分の番には、
実行していくアクションの順番は決められていて、
最初は絵の具の購入(市場)→次にフレスコ画を描く(大聖堂)→
アルバイトで臨時収入をえる(アトリエ)→
絵の具を調合して新たな絵の具を作る(作業所)→
お芝居を見て気分をよくする(劇場)となっており、
ワーカーを置いてないアクションはスキップされます。
さらに1つのアクションにつき、
3つまでワーカーが置けるので、
最大3回まで同じアクションを連続で実行可能。
全員が1回ずつ手番を終えるとラウンドが終了し、
それぞれ収入を得て次のラウンドに進みます。
ちなみに各ラウンドは、画家の1日を表しています。
その画家の1日を、もちっと詳しく説明すると、
まず1日は、画家が朝、目覚める所から始まります。
具体的には、ラウンドが始まると、
その日、何時に起きるかを全員が決めます。
ボード上には起きる時間がいくつか書かれており、
一番点数が低い者から順に、
自分の駒を起きる時間のマスに配置します。
(5時起き、6時起きなど4人プレイだと5つあります)
ただし、誰かがすでに決めた時間には、
駒を置くことができないとゆう制限があります。
さらに起きる時間によって、
以降のゲーム戦略をたてるために重要な、
「画家の気分」と「絵の具の値段」
の2つの事が決まります。
「画家の気分」とゆーのは、
気分表みたいなんがあって、
その場所の自分の駒の位置により、
憂鬱だったり、気分が良かったりするのですが、
早起きすれば気分の駒がマイナスの方向へ進み、
遅く起きれば、気分が良くなっていきます。
芸術家たるもの早起きは苦手なのです。
そして、気分がマイナスの特定の位置にくると、
自分のワーカーが1つなくなります。
つまり、画家がイライラして弟子の1人が離れていった
みたいなことでしょう。恐らく。
逆に気分が良くなりすぎると、ワーカーが1つ増え、
画家がノリノリになって、弟子が増えたみたいな。
一方「絵の具の値段」とゆーのは、
早起きすればするほど、
このゲームの資源の1つである絵の具を手に入れる値段が高くなり、
遅く起きれば安くなります。
当然、みんな、絵の具は安く手に入れたいのです。
つーことで、早く起きれば、気分がマイナスになり、
絵の具の値段が高くなり、悪い事ばっかなんですが、
ただ一つとっても重要なメリットがあります。
それは、この後、アクションを実行する段階で、
その手番順が早起きした順番であるとゆーことです。
このゲームでは、早くアクションを行えば
かなり有利に立ち振る舞えるので、
この手番順はとても重要です。
なので、手番順を優先するために早く起きるか、
気分や絵の具の値段を優先するために遅く起きるか、
起きる時間のジレンマに陥るわけです。
それにしても、この起きる時間のルール、
個人的には、かなり好きです。
どの時間に起きるかは、戦略上において、
その後の芸術家の点数を稼ぐための伏線にもなっているし、
起きる時間を決める時に、
「イライラするからもうちょっと寝るわ」とか、
「今日はどーしても早起きしなきゃ」とか、
ゲームを盛り上げる起床時間のロールプレイも楽しめちゃう。
いわば、システムとフレーバーの2つのレイヤーが、
うまく重なってるとゆーか。
それに、起きる時間がプレイヤー数より1つ多いってのも
何気によくできてまして、
例えば、一番早い起床時間の5時は、
気分がマイナス3にもなり、
絵の具の値段も4金とかなり高価で
できれば起きたくない時間なのです。
4人で5つの起床時間なので、
通常は5時には誰も起きないと思うじゃないですか?
ところが、実際のゲームでは、
それでも5時に起きる者が、何人もいたわけです。
なんでかとゆーと、マイナス要素が大きくても、
それでも、誰よりも早くアクションがしたいとゆう瞬間があり、
確実に1番手になるために、
通常は誰も置かない場所にあえて置いちゃったりするのです。
じゃあ、肝心なアクションはどーなってるのかとゆーと
まず最初は「絵の具(このゲームでは顔料)を、
市場に買いにいく」アクション。
このゲームでは、顔料をキューブで表現しており、
赤、青、黄の基本色のキューブと
緑、紫、オレンジの上級色のキューブと6色あります。
これを資源として支払う事で、
大聖堂のフレスコタイルをゲットするのですが、
その顔料を手に入れる方法の1つが、
この市場で購入するアクションになっています。
ボード上に顔料を売ってるお店が4つ描かれていて、
ラウンドの最初に、各店に、
袋からランダムに引いた市場タイルってのを並べていきます。
1番の店には2枚、2番の店には3枚、
3番と4番の店には4枚ずつ配置します。
この市場タイルには「青キューブ3つ」とか
「赤1つ青1つのキューブ」とか
プレイヤーが1回のアクションで獲得できる
キューブの色と数が描かれてて、
アクションを1回使用すれば、
朝起きた時間により決定された絵の具の値段で、
市場タイル1枚を購入するとことができます。
(連続アクションすれば複数枚購入できます)
市場タイルを獲得するとすぐに、
そこに書かれた色と数のキューブをゲット。
(ちなみに市場タイルそのものは袋の中に戻します)
この仕掛けには、1つの重要な制限があり、
プレイヤーが、顔料を購入するアクションにワーカーを置くと、
まず、4つある店から1つだけを選ばなくてはならず、
その選んだ店からしか買えません。
そして、そこで購入しようがしまいが
(アクションを選んでも実行しなくてもよい)
なんと、その店は閉店となり、
その店の売れ残った市場タイルは自動的に袋に戻され、
残りのプレイヤーはもうその店で購入することができないのです。
つまり、ここに早起きの利点があります。
一番早く起きた者は、4つの店から好きな店を選べて、
すきな市場タイルを選べるので、
自分の狙った色のキューブを獲得しやすく、
一番遅く起きた者は、大概は、店は1つしか残ってないので、
余り物の顔料しか手に入りません。
さて、次は「大聖堂でのフレスコ画の修復」アクション。
好きなフレスコタイルを1枚選んで、
記載の顔料(キューブ)を支払い、
そのフレスコタイルを獲得し、同時に記載の得点を得ます。
ここで面白い要素が1つあり、
大聖堂には大司教の駒がいて、
これがのっかているタイルを獲得すれば、
獲得時に通常の点数に+3点でき、
周りのタイルは+1点できます。
要するに大司教が見てる場所で修復すれば、
「君、いい仕事するねー」となって、
点数が上がるわけです。
大司教は誰かがタイルを購入するとその場所に移動し
(修復した場所を、どれどれ?とチェックする感じ)
お金を1金支払えば、好きな方向に1マス動かせます。
(お、ここに1金落ちてるやんと移動するイメージ)
次は「アルバイトをして臨時でお金を得る」アクション。
このアクションにワーカーを1つ置く毎に3金得られます。
基本ルールはこんだけなのですが、
肖像画の拡張ルールを加えていれば、毎ラウンド、
新たな2枚の肖像画カードなるものが公開され、
アルバイトのアクションを実行する時、
ワーカーの1つを、3金を手に入れる代わりに、
肖像画カードを1枚獲得できるアクションに変更できます。
(お金を稼ぐために、誰かの肖像画を描いて売るイメージ)
ただし各ラウンド手に入れられるのは、
1人1枚だけです。
それに毎ラウンド2枚しかないので、
先着2名だけしか獲得チャンスがありません。
肖像画カードを獲得すると、
即時効果や、永久的な効果を発揮して、
この効果が意外に強く、
ゲームを有利に進めることができます。
次は「絵の具を調合して新たな絵の具を作る 」アクション。
お店から購入できるのは、基本色が多いのですが
フレスコタイルの中には上級色が必要なモノも沢山あり
しかも、そーゆうタイルは点数が高く、
その上級色を手っ取り早く手に入れる手段がこの調合です。
赤1つと黄1つのキューブを支払えば、
オレンジキューブ1つが手に入り、
同じように、青と黄で緑が、青と赤で紫が獲得できます。
1アクションでは、この調合が2回実行可能で、
大量の基本色をもっていれば、
このアクションを連続で実行することで、
上級色を多く手に入れられます。
注意しなきゃならない点があって、
このアクションは大聖堂の修復後に行うので、
ここで手に入れた上級色を使うのは、
次のラウンドになるってことです。
最後は「劇場を見て気分を上げる」アクション。
これは簡単で、ここにワーカーを置けば、
自分の気分の駒を2マス、プラス方向へ進めます。
劇場を見て気分転換したってことやね。
おおまかなルールはこんなもんかな。
最初は大聖堂にはフレスコタイルがたくさん置かれてるので、
適当に購入したキューブだけでも、
フレスコタイルを獲得できたりするのですが、
ゲームが進むと簡単に取れちゃうフレスコタイルは少なくなるし、
+3点や+1点などのボーナス点が入る
大司教周りのタイルが欲しいとゆう欲求のために、
プレイヤーは、自然と、
どの色のキューブがどれだけ必要かを考えるようになります。
「あの店で、あのタイルを購入し、
黄キューブ2つを手に入れたら、
調合で、緑とオレンジが作れるので、
次のラウンドで、あのタイルがゲットできるから、
トップを追い抜けるかも・・・
そのために、このラウンド、これくらいの時間に起きれば
ギリ、ワーカーをなくさず、黄キューブも買える可能性があるか・・」
みたいな。
計画通りいかない事も多々あるので、そのたびに
調合とか、購入できる顔料とかの組合せを
あーでもないこーでもないと思考する様は、
どこかパズルチック。
ほんでもって、このパズル感覚が、
なんか、自分で色を作ってるようでもあり、
なるべく点数を稼げるタイルを取るために
調合とかで悩みつつプレイを続けてると、
ほんまに修復する画家も、
こんな感じで悩みながら修復してたんじゃないかと
錯覚するくらいテーマ性を身近に感じちゃって、
あと、フレスコ画を仕上げていくってのが
どこか荘厳な雰囲気も醸し出しており、
まさにタイトル通りのゲームでした。
実際のゲームでは、負けていた友人の1人が、
購入するタイルと調合を色々考え抜ぬき、
後半ギリギリで追い抜いて、
そのまま逆転優勝して、盛り上がりました。
てことで、画家の1日をプレイすることで
画家になった気分を存分に味わえるゲーム、
とても面白かったので、おススメでーす。
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