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  • 1人~4人
  • 30分~60分
  • 12歳~
  • 2018年~

コール・トゥ・アドベンチャーBluebearさんのレビュー

439名
7名
0
2年以上前

王道的なファンタジーワールドで、自分が担当するキャラクター(英雄)の激動の半生を描き出すことを目的としたゲームです。

2020年のOrigins Awards Gameの最終候補となりました。(残念ながら受賞は逃しましたが)

その設定が我々にはツボだったことで、我慢できずにさっそく購入を決めました。

■3つのステージで英雄の物語を描く

ゲーム全体は以下のように大きく3つのステージに分かれています。

第1ステージ【出自】…その主人公がどんな生まれで育ったのか

第2ステージ【動機】…その主人公がどんな想いで、どんな激動のエピソードで成長したか

第3ステージ【運命】…その主人公が最終的にどんな変転を重ねて『英雄』となったのか

を描きます。

それぞれを表す人物カードが別々にあり、各プレイヤーには2枚ずつ配られるので、その中から好きなカードを1枚ずつ選んで配置するところからスタートします。(最後の【運命】だけはゲーム終了まで公開しません。最終的にどんなキャラクターに成長するかは最後まで秘密なんですね。)

この組み合わせによって『農民』とか『狩人』として生まれながら、《唯一の生き残り》になったり《闇に魅入られたり》しながら、最終的に《光の化身》に成長したり《狡猾な悪党》に堕ちたりします。

この【出自】【動機】【運命】の基本となる各カードに、《物語カード》と呼ばれるイベント的なものを付け加えてゆく事で、いろいろとキャラクターの設定付けをしてゆく、というのがこのゲームの根幹です。

《物語》カードは、人数分+1枚まで公開されており、手番ごとにその中のどれかを選んで獲得していく流れです。(もう予想通り、おいしいカードは早い者勝ちです。3ステージ分のカードが場に並ぶので、ちょっと「宝石の煌めき」に近い印象…と言えばイメージが分かってもらえるかと。)

この《物語》カードには、能力の条件を満たしていれば無条件で得られる《特徴》と、能力による特殊なダイス判定(後述)の成功が必要な《試練》とがあり、またこの《試練》には上下に自分の進みたい物語の方向が2つ書いてあって、挑戦したい内容を選択することができるのです。

ざっくりした言い方をするなら、《特徴》で能力を伸ばし、《試練》で得点を得るイメージでしょうか。(そうでないものも多いけど)

ちなみに中には《味方》とか《宿敵》とかもありますよ♪

各ステージには3枚までしか《物語》が付けられず、ステージが進んで最後の【運命】に誰かが3枚目の《物語》を付け終えたら、残りのプレイヤーが1手番ずつプレイして終了。

先に終了したら勝ちなのではなく、選んだ物語による最終コストを計算し、よりドラマチックな激動の人生を歩んだ英雄が勝利となります。

(ちなみに物語の展開は、欧米の本格ファンタジーをベースにしているので、日本のマンガアニメのファンタジースタイルを期待すると、ちょっと印象が暗いかもしれません。念のため)

■あまりに美しい絵画調のイラストたち

その英雄の【出自】などの設定を決める《人物カード》が45枚。

そこに付け加わる《物語カード》が95枚。

何とすべて美しい絵画調のイラストが描かれており、しかも全て異なるイラストというあまりの豪華さ!(ルールブックには10人以上のイラストレーターがクレジットされております。どんだけコストが掛かったんだろう)

ちなみにこれ以外にも特殊効果の手札となる《光の英雄カード》《闇の英雄カード》が全部で44枚あり、数枚同じものもありますが、かなりの数の別イラストです。

この格調高いイラスト群を眺めているだけでも十分価値があります。(出版社もそれを分かっているらしく、通常より大判のカード仕様になっています。)

■他に例を見ない《2面ダイス》

何とこのゲーム、判定時には『ルーンを投じる』と言って、ルーン記号の描かれた平たいプラスチックのプレートをバラバラっと投げ、どのマークが出たかで結果を判断します。

うん、世にも稀なる『2面ダイス』ですね。

似たようなゲームがちょっと思いつきません。(強いて言うなら『ルーンバウンド第3版』でしょうか?)

基本となるプレートが3枚あり、これに指定される能力を持っていれば最大各3枚まで専用のプレートを追加することができます。

したがって能力がたくさん付いてくるほど高い判定結果が出るようになっているわけですが、慣れ親しんだ6面ダイスと違って、ちょっと確率がとっさに判断しにくいです。

独特の味わいになっていますが、慣れるまでちょっと時間がかかりますね。

■《光》と《闇》の運命を選べる。

個人ボードの左には、現在自分が《光》の側にいるのか、《闇》の側にいるのかを表すパラメーターがあって、選んだカードやダイスの結果によって変動します。

面白いのは、光へ向かうのは得点が高いかわりに結構難しいのに対して、ダークサイドに堕ちるのは割と簡単だということです。(うんうん、それっぽい)

上記のルーンの成功判定なのですが、そのままじゃあ成功が難しい!…というシーンが出てくるじゃないですか。そんな時に使うのが《闇のルーン》で、経験値を1つ払うといつでもこの黒いプレートを一緒に振ることができるのです。しかも強い!

その代わり、闇の月マークが出るとそのぶんだけパラメーターは強制的にダークサイドに堕ちていくのです。(闇堕ちはいつだって力の誘惑なんですよねえ〜)

それっぽいでしょう?(笑)

また、特殊効果をもたらす使い捨ての《英雄カード》というものが途中で手に入るのですが、これも《光=英雄》のものと《闇=反英雄》のものがあって、取得を選べたりするので、ある程度自分で方向性を決めてゆくことができるのです。

面白いルールだと思いました。

■ちょっと残念?なことが3つ

1つめは、最終的な調整不足なのか、ルールブックがちょっとわかりにくいところです。

またカード処理のテキストの表記もところどころ微妙で(日本語訳の問題なのか)ちょっと解釈にもたつく場面がありましたので、もうちょっと調整して欲しかった印象です。

2つめは、能力パラメーターが【筋力】【敏捷力】【耐久力】【知力】【判断力】【魅力】の6つに分かれていて、それぞれを表すルーンのマークを最大3つまで得ることができます。…が、このマークが独特で、色分けされてはいるものの、なかなか覚えづらいのです。せめて個人ボードにわかりやすく表記しておいて欲しかったなあ。(仕方ないので皆に見えるように一覧表を作ろうと思いました。)

【追記】という事で早速作ってみました。↓

3つめは、テーマとプレイスタイルの問題ですね。

「ガチでポイントを取って勝とうと思ったら、どう見てもAルートが有利なんだけど、自分の好みではBルートに進みたい!」…という場面にたびたび遭遇するので、どっちを重視するかはプレイヤーの好みにかかってきます。

なので、単に勝ちを目指すがゆえに、ドラマ部分を気にせずに、ポイント取得の効率ばかりを追ってしまうと、ちょっと味気ない印象になる可能性があります。(これが決して悪いわけではないので、ちょっともやもやします。)

■意識的に没入してキャラクターを描いてこその醍醐味

我々のグループは、古くからTRPGにも慣れているため、没頭して楽しくプレイすることができました。(4人までのゲームは普段なかなか稼働しないのですが、このゲームはどうしてもやってみたかった。)

公称30~60分とありますが、我々がやった時は説明に20分、プレイに約90分といった感じでした。慣れればもう少し早いかと…。

「こら~!《秘儀の能力を持つ》《開拓民》ってなんなのよ!」

「いや、少しぐらいカッコいいのを付けないと主人公っぽくないじゃない」

「だったらこっちの盗賊ギルドで《殺し屋として鍛える》ってやつのほうがカッコよくない?闇のカードもらえるし(笑)」

「う~ん、難易度的に難しいかもよ。」

「大丈夫!ほらほらここに黒ルーンの誘惑が~♪」

「いやあ~、闇落ちしたくない~」

「いやいや〇〇ちゃんは、キャラ的に闇落ちしかないでしょ♪」

「どういう縛りよ!(笑)」

「じゃあ俺は《筋力》のルーンがあるから、この《勇敢な》をもらおう。」

「おおこれで《筋力》2つめか。いいなあ…」

「うん、《勇敢な》《農夫》が成り上がるっていいなあ。主人公っぽい。」

という感じです。

■何と実際のファンタジー小説とコラボ!

日本語版が出るかどうかわかりませんが、海外ではすでに拡張セットが2つ発売されており、何と実際のファンタージー小説とコラボした内容になっているのが凄いところです。

第1弾は、ハヤカワ文庫FTから翻訳出版されている、パトリック・ロスファス氏の『風の名前(Name of the Wind)』シリーズ、第2弾はブランドン・サンダース氏(日本では『ミストボーン』シリーズが翻訳されている)の『Stormlight Archive』(未訳)シリーズだそうです。

う~、日本語版出ないかなあ…。

■その他

なお日本語版はキックスターター用のプロモカードが6枚付いているというお得仕様です。(BOX内ではなく、外側のシュリンクに張り付けてある形なので、初版だけ?)

また、最近のゲームっぽく、1人ゲーム用ルールや、協力プレイルールも含まれていますので、興味のある方はどこかでチャレンジしてみて下さい。

ゲーム終了後には、自分の英雄の物語を語りたくなるかもしれませんよ♪

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