- 1人~5人
- 15分~30分
- 10歳~
- 2016年~
バベルぽっくりさんのレビュー
「正体隠匿×バランス」の斬新なボードゲーム。デザイナーの方に直接インストを受けた際、お邪魔者+キャプテンリノがイメージに近いとのことで、実際やってみるとまさにそんなプレイ感。間違いなく今年の注目作の1つだと思う!!
プレイ途中のイメージ
ビジュアル的にはみんな大好きキャプテンリノみたいな感じ。ここに正体隠匿(陣営)要素が加わっている。
(ちなみにこのレビューはプレイしてる感じをイメージしやすいように、ポイントだけ再現した1人5役の写真付きレビューです。)
基本的な流れは、建設チームと狂信チームに別れ、完成させるか崩壊させるかの勝負となっている。文字通り建設チームは塔の完成をさせるために、塔を崩壊させようと画策してくる狂信チームの嘘や妨害を切り抜けながら、8階建てのバベルを建設することが出来れば勝利となる。
完全協力モードや日本語NGなど、いくつか遊び方も用意されているけど、このレビューはスタンダードな遊び方について写真付きで説明していきます。
陣営カード
役職、というか陣営です。建設者(塔を完成させる)と狂信者(塔を崩壊させる)に別れます。ゲーム開始時にランダムで配布されます。もちろんゲームが終わるまでこれは非公開。
カードバランスから見て分かるように、狂信者の妨害力が強いので建設者が多くなるようになっている。最大人数は5人で、1枚が欠けになるよう陣営カードを配布する。
あとは開始前に各プレイヤーは床カードを3枚ずつ配られる。これはキャプテンリノでいう屋根のカード。
ゲームの開始
通常の床カードの決定アクション時が一風変わっている。ここに正体隠匿要素が出て来る。
手番プレイヤーは手札3枚のうち1枚を場に公開する。上記図の通り、床カードは半分しかない。他のプレイヤーの床カードを選択し、組み合わさせて正六角形にすることで、床が出来上がる。
上記の写真でいうと、筆者が手番プレイヤーとして「3」「2」「5」の手札から5を出した状態。他のプレイヤーはこれを受け、床カードを伏せた状態で出してくる。「僕のカードがおすすめですよ!」とか「私のはイマイチですなぁ」とか言いながら。もちろんこの中には既に狂信者が混じっている。
手番プレイヤーは「あいつニヤニヤしてるなぁ、あやしいなぁ、、」なんて思いながら、誰の床カードを”つがい”の床にするかを選択する。
手番プレイヤーのカード選択
左のプレイヤーの「おすすめ!」という言葉を信用し、試しに選択してみる。5と5の組み合わせとなった。5の床+5の床になると、5の壁と5の壁をそのうえに建てることになる。実はこの数字の部分が党のバランスを崩させるための仕掛けとなっているのだ。
壁の高さは1~5で微妙に違う
参考までに1と5はこんだけ高さのズレがある。これが何段も積み上がっていくほど、バランスの維持が難しくなってくる。
キャプテンリノをやったことがあるひとであればイメージ付くと思いますが、この高さのズレを許容して8段積むのは不可能に近い。1~5の間の2,3,4は少しづつ高さが増えていく感じ。例えば3と4の高さのズレなら、割りとバランスが保ちやすい。
5と5で床と壁を建ててみた
使ったカードも、選ばれなかったカードも、その場で捨て札にして流す。もちろん陣営がばれたら意味がないので裏向きのまま流す。全員が1枚なくなった状態で次のラウンドになる。山札から全員1枚を補充し、3枚に戻してから、手番プレイヤーが隣に移る。
↑ほんとは左隣の人が手番プレイヤーになりますが、便宜上一周まわってまた自分が手番プレイヤーになったことにします。
今回、4の床カードが補充されました。3・2・4の3枚の中から、今しがた補充された4をプレイします。左奥のプレイヤーが「微妙です」と言っていました。試しに左奥のプレイヤーを指名してみます。
すると2の床タイルが公開されました。確かに微妙だ。
文句を言わずに積んでみる
既に微妙に右側の4のほうがちょっと飛び出てるのがわかりますでしょうか。次以降、このアンバランスの上に塔を積み重ねていきます。微妙と宣言していたとおり確かに微妙なので建設に協力するプレイヤー、すなわち狂信者でない可能性は十分あります。
この時点で、塔の左側が2段低い状態です。次は左5:右3で壁をたてれば、崩れているバランスを元に戻すことができます。
狂信者にはめられる
手番プレイヤーが1の床カードをプレイします。それを受け右隣のプレイヤーが「私のおすすめです。私の床にしといたほうがいいでしょう!神に誓って!」との発言。信じて右隣のプレイヤーの床カードを指名します。
やられました。
この回、手番プレイヤーは1:5の超アンバランスな階を設置しなければいけません。この時点で右隣のプレイヤーは狂信者として確定させてもよいでしょう。以降、建設者チームのプレイヤーは、このプレイヤーの「おすすめ」は絶対に信じなくなります。(透け透けになってしまったプレイヤーは、追加でできる妨害アクションがあります。最下部の備考参照。)
狂信者を避けながら塔の完成を急ぐ
ゲームの中盤。6階まで建設することができました。8階までもうすぐです。建設チームの皆さん(…お互いが誰か特定できていないけど)共に頑張りましょう!
努力むなしく塔が崩れる
崩れた状態はリノっぽいですね!
ちなみに塔の崩壊は「塔を崩した陣営の負け」となります。なので狂信者も自分の手番では崩しちゃいけません。
狂信者は自分の手番では大丈夫だけど、あと一周まわるのが耐えられないようなアンバランスさを塔に仕掛けていきます。たぶんこれが狂信者の基本的なプレイスタイルです。
塔の完成
狂信者の妨害を避けつつ、なんとか8階建ての塔を完成させることができました。
建設者チームは、最後の壁を設置したプレイヤーが旗付きの屋根をちょこんと乗せます。無事に乗せることができたら建設者チームの勝利です。もちろんこの時点で崩れてしまったら狂信者チームの勝利となります。
備考
あまりにも順調すぎる塔の建設に対し、狂信者チームは陣営がバレる上等で、1:5の壁をプレイさせにくることがあります。こうなるとその透け透けの狂信者は他のプレイヤーに二度と床カードの対象として選んでもらえなくなります。
しかし、狂信者は手番で「バベル!」と宣言することで、建設者チームのゴール「8階建」という条件に、+1階することができます。狂信者は2名までいるので、2階のバベル宣言で10階建てという条件に変更することができます。
ただしバベル宣言を行ったプレイヤーには制約が付きます。下図の左プレイヤーを参照。
手札を全て公開しなければいけません。手番プレイヤーは、公開されている狂信者の手札から”つがい”となる床カードを選択することができます。ゴールの難易度を上げる代わりに、それまでの建設が簡単になるという狂信者のヤケクソの一手です。ボンバーマンでいうミソボン的な。身バレしても最後まで自陣営に貢献できるようになっている。面白い。
また、床カードのなかで特殊な効果をもつものが存在します。サンダー。
こいつは通常の床カードのアクションと同様に出しますが、このサンダーカードでの床が成立した場合、塔の一番上の壁と床を取り除くことが出来ます。後々くるしくなるような状態なら、無理に建設を継続せずに、いまのうちに修復してしまえというカード。
以上が通常プレイ時のポイントでした。違う遊び方もいくつか同封されていて、バベルの世界を別の形で何度も楽しめるようになっています。全員協力モードや、パーティー仕様にカスタマイズする感じです。(↓はパーティ仕様)
ちなみにバベルの紙はかなり柔らかめです。和紙っぽい感じです。しなるようになっていました。
調べてみたらデザイナーさんがペーパークラフト職人さんということで、クオリティにこだわったうえでのチョイスだったのかなとおもい、納得しました。
小さな子供に遊ばせると損傷が激しそうなので、うちの息子はもうちょっと大きくなってから一緒に遊びたいと思います。
- 210興味あり
- 690経験あり
- 72お気に入り
- 413持ってる
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