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【後編:会場レポート】ドイツ・エッセンに世界中のボードゲーム好きが集まった4日間

【後編:会場レポート】ドイツ・エッセンに世界中のボードゲーム好きが集まった4日間
2016年11月10日
ボードゲーム翻訳家&プレイヤー:あすか(編集:くまくま)

前編の【初めてのドイツ・エッセン】13万円台で行ってきたぞ!3泊5日弾丸ツアーのSPIEL視察旅(世界的なボードゲームのイベント)では、準備方法から帰国までの一連の流れをご紹介させていただきましたが、今回の後半では会場内の様子や雰囲気、そして筆者が見つけた目玉ゲーム2点を紹介します。

(著者:あすか(ねこだま)さん)

ゲーム欲も食欲も満足させてくれるSPIEL

チケット(1日券 €13=約1500円, 4日券 €31=約3500円) を見せて会場に入ると、そこには視界いっぱいにゲームの海が広がります。何カ国もの言語が飛び交い、道行くあらゆるところでボードゲームが試遊されていました。

世界中からボードゲームファンが集まっているSPIEL'16会場の風景

会場をつなぐ通路にも円座になって巨大なボードゲームが至る所で展開され、老若男女国籍人種の垣根を超えて多くの人々が笑顔でコマを抱えて遊び興じている様子は、SPIELならではの光景でしょう。壁際には身長の倍ほどまで積まれたボードゲームを叩き売りしているブースがいくつもあり、日本ではプレミア価格が付いてしまったり、絶版で手に入らないゲームさえも売られていました。その価格もおおよそ日本での半額ほど。誰もが足を止めて買いこんでしまうのも頷けます。筆者は控えめに20個ほど買ってきました。買いすぎですか? でも特価で売られているボードゲームの山を見たら、ついついレジに並んでしまうんですよね……

また、ホールをつなぐ通路には飲食店も出ていて、長さ40cmはありそうなソーセージを挟んだホットドッグや、本場のバウムクーヘンも食べることができました。歩き回ってお腹が減った頃に、この区画に充満するケチャップやスイーツの香りに耐えられる人はそうそういないと思います。筆者も早々と食欲に屈してしまいました。

会場内で撮影した写真

名作やここ数年で発売された新作・準新作が並ぶ棚。沢山の人が足を止めていた。
コンポーネントでドミノを始める子供。試遊というか、もはやマジで遊んでいる。
ボードゲームのコマをモチーフにした雑貨屋さん。さまざまなアイテムが売られていた。
既に日本では入手困難なタイムストーリーズの山。うーん、安い。

さて、SPIEL’16で筆者が見つけた目玉ゲームはここに書ききれないほどあります……が、その中でも傑出してる2つのゲームを紹介しましょう!

デルフォイの神託(The Oracle of DELPHI) 人数:2~4人 時間:60~100分

ゼウスが世界の中心と決めた場所「デルフォイ」は、個人の悩みから一国の未来を決めるような政治的に重要な案件に至るまで、それこそ隣国の王すらも「デルフォイの神託」を受けに訪れたと言われる聖地です。プレイヤーはデルフォイの巫女となり神託を受けて、時には神の力を借りながら、エーゲ海を旅することになります。ギリシャ神話の大神・ゼウスによる12の課題――これらを解決するために。

DELPHIを初期セットアップした様子

ゲームをセットアップすると、数多くのカラフルな木製トークンがまず目を引きます。エーゲ海の広大さが伝わるゲームボードは、旅立つプレイヤーの心を躍らせること間違いなし。個人ボードも神話世界の雰囲気をかもしつつコンパクトな構成になっていて、初めてでも遊びやすいゲームという印象を受けます。各自3つずつ配られるダイスのアイコンも雰囲気に合わせたデザインです。

ゲームを中盤まで進めた状態の個人ボード

プレイヤーが達成しなければならない課題は大きく分けて4つあります。

・神殿の建設
・石碑の建設
・供物の奉納
・怪物の討伐

それぞれ3回ずつクリアして、ゼウスの御下に戻ることがこのゲームのゴールです。船で石碑や供物を輸送し、途中で妨害や災難に遭いつつ12の課題をいち早くクリアするには、神の力を借りる必要があります。神の力は各手番の最後に、ターンが回ってきたプレイヤーが宣言した色の神について「他のすべてのプレイヤー」に神の力が蓄えられる仕組みになっています。具体的には、「最も力の蓄積していない神以外から」「今の手番のプレイヤーが出した色の神のうちの1つ」を選んで、神の力を1回蓄積できます。神の力を6回蓄積すると、盤面を有利に進められる強力な効果を得られる仕組みです。誰がどの神の力を蓄積しているか、自分はどの神の力を延ばすか。ここが実に悩ましい。ゲームの終盤になるほど熾烈な競争になるのです。

The Oracle of DELPHIは、ホビージャパンが日本語版『デルフォイの信託』として発売予定とのこと。気になる方は続報を要チェックです!

このゲームが気になった方はこちらのページ デルフォイの神託(The Oracle of Delphi) からマイボードゲーム「興味あり」に登録しておくと便利です。

パフューマー(The Perfumer) 人数:2~5人 時間:60~90分

「香り」を使ったボードゲームは、SPIEL全体を見渡してもおそらく唯一無二でしょう。台湾発のボードゲームで、何と実際の植物から抽出した香りがカードに封じ込めてあるのが特徴です。ラベンダーやシナモンなど7種類のフレーバーを使いこなして、駆け出しの調香師(パフューマー)となったプレイヤーが顧客の要望通りに香りを調合して評価を上げていくゲームです。

The Perfumerの外箱とトークン。左上のカードが香りを封じ込めたカード

このデザインの美しさとコンポーネントの華やかさは、ぜひ実物をその目で見ていただきたいほど絶品です。カードの裏面をこすると香りが立つように特殊な印刷がされていて、香りは2年以上持つとマニュアルに記載されています。香りのカードはスペアを含めて3枚ずつ封入されているので、長く楽しめそうです。

ゲームプレイ中の様子

プレイ中の様子も、見てくださいこの絢爛さ!中央に配置されたマップボードが実に華やかですよね。マップを囲むように7つの香りカードが花びら状に配置されて、彩りを与えてくれます。

では早速各地の精油を集めて調合し、香水を作ってみましょう。ゲーム進行は2段階に分かれていて、最初は弟子の立ち位置で香りを1つずつ覚えるところから始まります。簡単な香水を調合していき、最初のスコアを競います。そうして慣れたところで調香師としての仕事が始まるのです。お題になる香りのカードは、名前などの情報を隠して匂いの出る部分だけが露出するスリーブに入っているので、プレイヤーは自分の鼻と記憶だけを頼りに調合していきます。ゲーム終了時にスリーブから香りのカードを取り出して答え合わせします。高難度の香水のオーダーが来る中で、あなたは最高の調香師になれるか? 興味を持った方は、ぜひ一度は遊んでいただきたい作品です。

余談ですが、匂いを嗅ぎ過ぎたと思ったら嗅覚をリセットする方法として「自分の肘をくんくんと嗅いでみましょう」とルールブックに書いてありました……。ほんとにリセットされるのかなぁ~? 気になる方はこちらも試してみてください。

このゲームが気になった方はこちらのページ パフューマー(The Perfumer) からマイボードゲーム「興味あり」に登録しておくと便利です。

次回のSPIEL'17

次回のSPIEL ‘17は2017年10月26~29日に開催とのこと。この記事で本場ドイツのゲームの祭典に興味を持った方は、さっそく来年のカレンダーにスケジュールを記載して旅行計画を立てちゃいましょう!
初めて行くという方は、前編の【初めてのドイツ・エッセン】13万円台で行ってきたぞ!3泊5日弾丸ツアーのSPIEL視察旅(世界的なボードゲームのイベント)を参考に、準備や注意点をご参考ください。

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