六色のダイスを使用して、色付きヘクスを航海しつつ、色に応じた荷物のピックアンドデリバリーや怪物退治などの六つ課題を遂行する2次元マップ上でのレース。
比較的オーソドックスなメカニクスがてんこ盛りのゲームで、初期〜中期のフェルトゲームにあるアクの強さはここには見られない。
六つの色が記されたダイス三個を振るが、移動を始めとした各アクションは、出たダイス目の色に従う。一定のルールの下に出目を変えられたり、ダイス以外のボーナスでアクションの補助が出来るようになっている。最近のダイスゲームはそのランダム性を、極力制御する方向になっているが、とりわけこれはダイスゲームでありながらダイス目以外の部分でどれだけアドバンテージを獲得していくかが重視される。
多くのフェルト作品と同様、アブストラクトの体を示しつつ微妙な運要素を併せもつ。何かに特化する基本戦略のようなものはあまり無く、マップ上の配置関係を考慮してプランを立て、オラクルタイル、寵愛チップ、コンパニオンカード、神の特殊アクション、などなどを効率的に入手、使用する戦術性が重要。
逆にいうと、出たダイス目に頼っていこうとしてもなかなかゲームは進まない。その辺りはブルゴーニュとも似ている。ただ、ブルゴーニュと比べて明らかに人気が低いのも分かる気がする。それは、ブルゴーニュは拡大による開けた爽快感があるのに対し、デルフォイは閉塞感が強いのである。まず最も基本的なアクションである移動すらまめならないのであるから、その他の行動の不自由さは推して知るべしである。ただ中盤以降は各種ボーナスにより加速するが。
アクション選択自体は単純でありながら、テラミスティカに影響されたような神ゲージや船タイルによるバリアブルプレイヤーパワー、コンパニオンカードや装備カードによる強化など、少しずつ色々な要素をごった煮にしてとっ散らかっている印象もあり、初プレイではかなり戸惑うのではないだろうか。差がついてしまうと挽回するのも難しい。やや大味でブルゴーニュのような緻密さにも欠ける。
個人的には嫌いではないタイプの作品であるが、万人に勧められるかというと微妙である。フェルトファンや、ブルゴーニュ好きなゲーマーには適していると思う。