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  • 2人~4人
  • 60分前後
  • 8歳~
  • 2007年~

テーベ / テーベの東Bluebearさんのレビュー

261名
5名
0
約5年前

2007~8年に各種ゲーム賞にノミネートまた受賞した作品で、プレイヤーは1901~1903年頃の考古学者となり、研究によって積み上げた知識と、実際の貴重な遺物の発掘を目指します。

ルールは比較的簡単な部類に入り、ヨーロッパ各地をめぐって考古学の調査研究をする気分が手軽に味わえるようにしっかりデザインされている好ゲームです。

気分はもう「インディ・ジョーンズ」や「トゥーム・レイダース」ですね。(残念ながらアクションシーンはありませんが…笑)

1.消費した時間で手番が決まる、ユニークな時間システム

当時は非常に斬新だった「時間管理システム」が楽しいです。今では「オリンポス」などでもお馴染みになったように、各自が既定の「時間」を消費してアクションを実行していき、最も時間が残っているプレイヤーが次の手番になる、というものです。たくさん時間を消費すれば、より多くのアクションができますが、その代わり次の手番が回ってくるまでに時間がかかってしまうわけです。

このゲームではすべて「週」単位で時間を管理し、52週で1年間となります。これを、3人なら3年弱、4人なら2年間実施しますが、さすが年代設定がうまくシステムと機能していて、都市から都市へちょっと移動するのにも最低1週間かかります!ちょっと遠い所へ移動しようとすると1か月(4週)かかったりします。(国際線の飛行機で数時間~なんて事にはならないのですね。そんな時代だったのです。)

ちょっとした学術調査にも2~3週間かかり、本格的な発掘調査に行こうと思えば移動も含めてもっと時間がかかるのです。

おかげで思ったより1年間は短いため、手番順とアクション内容をよく考えて、効率よく行動する必要があります。簡単だし、駆け引きもあってなかなか楽しいです。


「よしっ『学会カード』来たっ!モスクワへ行ってゲットするぜ!これで3枚目だから6点だな♪。」

「きゃ~!なんでよ!全然知識無いのに学会発表ばっかりして。ひどい学者(笑)」

「ふふふ、どんな学説だろうが、発表したもんの勝ちってことだぜ~」

「まだ一度も発掘調査に行ってないのに♪ひどいエセ学者ね。いいもん私はエジプトの発掘にロマンを賭けるのよ!」

「…という割には、あんまり知識が集まってないよね」

「いいのっ!とにかくエジプトに行くの!」

「おお~、〇〇ちゃんの執念ねー(笑)。じゃあ私は一足先にロンドンでクレタ島の知識を仕入れちゃいましょう♥」

「うっ!取られたぁ!…あれ、しかもまた続けて△△△ちゃん?!これは…やばいかも(笑)」

「やったー!じゃあついでにこっちのエジプト知識ももらっちゃいましょう」

「きゃー!私のエジプトが~。ツタンカーメン様が~。ううう、こうなったら一足先に発掘よ!えい、エジプトに移動します~!」

「おお、いよいよやる気だな(笑)」

「いやいや、〇〇ちゃんのクジ運をなめてはいけません!」

…と、こんな感じでした。

2.遺跡発掘は、なんと実際に自分の手で掘る!

「エジプト」「クレタ島」「ギリシャ」などの古代文明の遺跡にたどり着いたら、そこで「何週間かけて発掘作業をするか」を決定できます。その時に自分がすでに得ている「知識の量」と、「消費する発掘時間」を、専用のダイヤル式アイテムに当てはめると、「いくつの発掘物を掘り出せるか」が決まります。(無理にダイヤルにしなくても、単なる表でも結果は同じですが、わざわざダイヤルで確認するところがいいんですよ。表全体が一覧できないようになっている利点もあります。)

この発掘数が決まったら、なんと!それぞれの遺跡ごとに専用に用意されている麻袋に手を突っ込んで、中のタイルをジャラジャラして、「えいやっ!」と遺物タイルを引くのです。そこに遺物のイラストと点数が書いてあれば「当たり」で、何も書いてなければ「外れ」ですね。これがサイコーに楽しく盛り上がる♪

このとき遺物が出たら自分の手元に置き、なんと外れを引いたら、そのあとで袋に戻してしまうのですね。そうです、だんだんと後になるほど遺物の発見率は急激に低下していくのです。(当然ながら古代の遺物なので、後から補充されたりしない)

この最大の盛り上がりどころを「スリリングで楽しい」と感じるか、「ただの運まかせでつまらん」と感じるかで、このゲームの評価は180度違ってくるでしょう。

事前に調査活動で得た知識量によって発掘効率が変わるので、やみくもに掘ればいいというわけではない事と、消費する時間によって掘れる数が変わるので、全くの「運まかせ」というわけでもないんですが…、どんなに努力しても、出ないときは…出ないです(泣)

我々にはこれが抜群に盛り上がったので、かなりの高評価となりました。(ただ最大4人しか参加できないので、出番はあんまり無いかなあ…)


「ええと(ダイヤルを動かして)、エジプトの知識が5で、一般知識が2あるから、知識の合計7で…5週間かけて発掘すれば…5枚ね。よしこれでいきます!」

「いいの~♪10週くらい消費すれば8個は引けるよ」

「うう~ん、それじゃあ効率悪いし…」

「でも発掘許可証の制限があるから、もう一回掘るのは手間だよね。それを考えると…」

「いっそのこと最大12週使い切っちゃうとか?笑」

「あ~ん!みんないろいろ言うからわかんなくなったじゃない!…いいの!5枚で行きます!(ジャラジャラ)」

「スカ出ろ~スカ出ろ~」

「あーうるさいっ!笑。えい!(バラバラっ)やったー!!!!ほんとに出たっ!」

「すごい!本当にツタンカーメン引いちゃった♪スカが3枚か~、まあ順当かもねぇ。」

「よしっ、私もギリシャ引いちゃいます!」

「おーがんばれ~!笑」

…と、こんな感じでした。

このように、この作品はわいわいと友人と楽しみながら、発掘作業に一喜一憂するゲームであり、思考力や交渉力を駆使してガチの勝負をするゲームではありません。

ルールも比較的シンプルで理解しやすく、ボードゲームの初心者に楽しんでもらうにはいい作品なので、常備しておいても損はないと思いますよ。

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