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  • 2人~6人
  • 45分~60分
  • 10歳~
  • 2001年~

ロイヤル・ターフBluebearさんのレビュー

677名
1名
0
6年弱前

「しっかり頭を使う」ゲームの代表格であるライナー・クニツィア氏は、我々のメンバーの中でも信頼が高い1人なので、今回ふとしたことから入手し、そのまま実行へ。

今回のテーマは競馬!ボードにはマス目でコースが描いてあり、出走馬は色別に7頭。

それぞれ色ごとの名前が付いていて、白なら「スノーホワイト」、黒なら「ブラックストーリーズ」(わかる人にはわかる。笑)、赤なら「レッドカーペット」といった具合。

すべてスタンドに立てるコミカルな駒になっているので、箱を開けて説明を始めるそばから「きゃー私この馬がいい~♪」と取り合いに。

いやいや待て待て(笑)、そうじゃないから、といったんストップ。

確かにコンポーネントだけ見ると自分の馬をサイコロで走らせて先にゴールした人の勝ち…に見えますよね。

でもこれはクニツィア先生の作品。

そんな単純なすごろく勝負のわけがないじゃありませんか。

馬は誰の担当でもなく、プレイヤーはあくまでも競馬でもうけようと馬に賭ける人の役割なのです。(したがって、ゴールがどうとかではなく、それによる配当金で最もお金を儲けた人の勝ちになるゲームなのです。うん確かに競馬だ。)

じゃあ、馬たちはサイコロでランダムに走る運任せ勝負か?と思うと、これもクニツィア先生、確率論を考えたひねりが加わっており、見事にしっかり考えるゲームとなっています。

各馬カードには4種類のマークが描かれていて(馬、乗馬ヘルメット、ニンジン、蹄鉄)それぞれ進める数が書いてあります。

サイコロにも対応する4種類のマークがあり、出た目によっていくつ進めるかが決まるわけですね。

ここに仕掛けがあります。

サイコロは6面ですが、馬のマークだけが3面に描かれていて、残りはすべて1面ずつ。つまり確率は圧倒的に馬マークが大きいのがわかります。

それに対し、各馬のデータは、基本的に馬マークでは数マスしか進めず、そのほかのマークが出ると一気に10マスとか進むのです。

このデータのばらけ具合がうまく調整してあり、馬のクセを表現しています。(例えば、1番枠のスノーホワイトは、馬マークでは1とかしか進まないくせにその他のマークを出すと一気に10マス以上走ったりするのに対し、7番枠のオレンジ―ナだと、馬マークでは安定して7進めるのに、他のマークが出ても逆に大したことありません。安定性はあるものの爆発力に欠けるのですね。)

そして重要なルールは2つ。

①各自が順番にサイコロを振っていくのですが、出た目を見てその時その時に好きな馬を1つ選び、その数字ぶん進ませます。全部の馬がそれぞれ一通り走ったらラウンド更新。

そうなんです、どの目が出るかによって、次にどの馬を走らせるかを考える必要があるのですが、だんだんと選択肢が無くなっていきます。

必ずしも自分の好きな馬がいい目で走れるとは限らないのです。

②馬は同じマスには止まれません。

追い抜くことはできますが、もし止まるはずのマスに他の馬がいたら、必ずその手前で止まらなければなりません。

各プレイヤーはレース前に3頭の馬を選んで賭けますが、互いに同じ馬を選んでも構いません。

その推し馬がそれぞれ異なってくるので、みんな思惑が交錯し、カオスなレースになるのです。

ここが楽しい。

自分の賭けていない馬は小さい目で進ませてしまい、自分の賭けた馬はできるだけ大きく走らせたいわけです。

こうして3着まで配当金がもらえ、これを3レースやって合計金額の大きい者が勝利!となるわけですね。

非常に完成度の高いゲームだと感じました。(同じデザイナーなのでしょう、『ドラゴンの宝石』とよく似たシステムを採用しています。が、圧倒的にこちらのほうがテーマとの合致性は高いですね。)

あえて難点を挙げるなら、やっぱり日本版になって、もとの渋いグラフィックがコミカルになり、重厚さが無くなったこと。

そのコミカルな印象とは裏腹に、すごく頭を使うじっくりゲームなので、みんな「もっとノリで走れるパーティ系だと思った。」と言います。

あまりにみんな考え込むので、大笑いで盛り上がるというより、うめきながら考える時間がかかるゲームになっています。

最初のゲームではインスト抜きで1時間半以上かかってしまいました。

なのであくまでガッツリとクニツィアゲームになっている事を承知でやるなら素晴らしいゲームだと言えるでしょう。

もう一つ、
やってて思ったこと。

馬の駒はスタンドに立てるのだけど、コースを周回するから、向きによっては色が全然見えなくて、とっさの判断に困る事しばしば。

対処として、白いプラスチックスタンドを塗りました。(^^)

さらに追記

このパッケージには、架空の馬バージョンである『ロイヤルターフ』版の馬カードだけでなく、過去に実在した馬バージョンである『ウィナーズ・サークル』版の馬カードも付属しています。
お好みで好きな方を使えばいいと思いますが、『ロイヤルターフ』版のほうがゲームとしてのバランスは調整されているようです。

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栗坂こなべ
Bluebear
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