レース・フォー・ザ・ギャラクシーTM of Yokohamaさんのレビュー

【メイン要素】拡大再生産＋手札管理＋セットコレクション

【ルール理解】要素が多く分かりづらい

【手番選択肢】5つ（7つ）の中から1つ選ぶ

【勝利点要素】カード勝利点＋勝利チップ

【言語依存度】カードは説明多い

【妨害干渉度】妨害要素は少ないが干渉はある

【運と実力比】運7割、実力3割くらい

【外観芸術性】まさに宇宙テーマという感じ

まさに「レース」の名にふさわしいゲーム 

 生産惑星により生産した商品を売却し、その売却収益により、さらに強い惑星に移住したり発展を行う、＜拡大再生産＞が基本テーマとなっていますが、その基本に、以下の２つの大きな要素が追加されています。

①選択したアクションの順番が決まっている

 ゲームシステムはヴァリアブル・フェイズ・オーダーによるものですが、そのラウンドで誰がどのアクションを選択しようとも、探索→発展→移住→消費（交易）→生産の順番は守る必要があります。たとえば「移住」「交易」「生産」が選ばれた場合でも、一番効率的な動きである生産→交易→移住（or発展）の順にアクション出来ません。生産したものを交易で売却したい場合は次のラウンド、交易で入った収益で移住・発展したい場合は、さらに次のラウンドまで待つことになります。

 ただ、うまく相手の選択したアクションを利用すれば、自分が生産惑星に「移住」した直後に「生産」をしたり、「移住」で支払ったコストを「交易」ですぐに回収したりできます。また、単発生産惑星という「移住」と同時に「生産」が行えるカードがあり、「移住」→「交易」コンボを狙って決められる場合や、軍事力があればノーコストで移住できる「軍事惑星」で、交易アクションの省略ができる場合があります。

 このように、効率の悪いアクション順ルールながら、相手アクションや特殊惑星などを利用することで却って進行が早まってしまうのが面白いところです。手札管理の重要性が増し、相手の狙いと自分の狙いをよく見極め、何のアクションをするかの駆け引きが、かなり熱いゲームとなっています。

②「勝利チップ」の導入

「12枚のカードを出す」ほかに「勝利チップの山がなくなる」こともゲーム終了条件ですので、生産と消費のコンボで勝利チップを早めに回収することも視野にいれないといけません。これが、またゲーム展開を早める要因となっています。

 結論すれば、非常にスピーディーな進行のゲームだということです。いかに相手より早く12枚のカードを出すか、いかに早く勝利チップを集めるか、を競ううちに、15分ぐらいで決着してしまう。まさに「レース」の名にふさわしいゲームです。ちなみに、2人対戦だと１ラウンド２アクション選択できるので、さらに展開が早くなります。

 steam版やアプリ版も出ています。テンポの速いゲーム進行と世界観が体験でき、AIが手応えのある強さなので、こちらもお勧めです。